聴覚空間地図 (A hearing map)
食虫コウモリは、反響定位を用いて獲物を捕まえたり障害物を避けて飛行したりすることでよく知られている。さらに、より視覚に頼るオオコウモリは、周囲の空間認知地図を持っていることも示されてきた。Goldshteinたちは、小さなアブラコウモリに、視覚と嗅覚の一時的な遮断と併せて、極小のGPS追跡装置を取り付けた。著者たちは、それにもかかわらずこのコウモリが、反響定位のみを用いて、キロメートル規模の距離にわたって飛行できることを見出した。したがって、反響定位は、局所的な飛行を可能にするだけでなく、この動物が利用できてたっぷりした遠い地域にわたって飛行する、周囲の音響認知地図への変換もなされているかもしれない。(Sk,nk,kh)