揮発性物質による束の間の情報交換 (Volatile communication)
空中を運ばれる化学的シグナルに対する植物の応答は、生育、適応度、順応にとって極めて重要である。Stirlingたちは、ペチュニアの雌しべにあるカリキン受容体KAI2の相同体を介して、揮発性化合物である(−)-ゲルマクレンDを認識する機構を突き止めた。遺伝子実験および生化学的実験で、この認識は下流側のシグナル伝達タンパク質と転写標的とに関係付けられた。これらの構成要素のいくつかの機能を乱すと、揮発性物質が仲介する情報交換と植物の適応度が影響を受けた。(MY,kh)
- 相同体:対象物同士で構造は違うが、それらが共通の祖先に由来すること。
- カリキン:山火事や野焼きなどで植物が燃えた時に生成され、灰や煙に含まれている化合物で、植物の発芽や苗立ちを促進する作用を持つ。
- ゲルマクレン:抗細菌活性や殺菌成分として多くの植物が産生する化合物で、ゲルマクレンAとゲルマクレンDがある。