柑橘類植物の油産生 (Oil production in citrus plants)
分泌腔は、病原体や草食動物から身を守る精油や化学物質など、さまざまな二次代謝産物の貯蔵庫として機能している。Wangたちは、柑橘類における分泌腔(油腺)の発達のための分子経路を報告している。著者たちは遺伝子マッピングとゲノム編集を用いて、分泌腔の発達に関与する2つの転写因子と、遺伝子の活性化を高める葉のある形状遺伝子内のシス調節要素を同定した。調節性カスケード反応は、油腺鞘細胞の分化と空洞形成を調節するMYC5遺伝子を活性化する。この研究は、分泌腔の発達と精油の合成を理解するための基礎を築く。(KU,kj,kh)
- 分泌腔:植物に存在する大きな細胞間の空間。
- 精油:エッセンシャル・オイルとも言い、植物から産出される揮発性の油。
- シス調節要素:同一染色体上にあって、近隣の遺伝子発現を調節するDNAの非変換領域。