二量体エステルを形成する (Forming dimer esters)
二次有機エアロゾル(SOA)の物理的・化学的な性質は含まれる化学種に依存するが、それらの化学種がどんなものでどのように形成されたのかは曖昧な点が少なくない。Kensethたちは、SOAの地球全体の主源であるα-ピネンとβ-ピネンのオゾン分解から形成される数種の二量体エステルの構造を報告している。彼らが記述する化学的な内容は、大気SOAに含まれる二量体化合物が作られる一般的な経路を表していそうである。(MY,nk,kh)
- ピネン:モノテルペンの1種で、化学式がC10H16で表される有機化合物。αとβで二重結合位置が異なる。
- 二次有機エアロゾル:一次有機エアロゾルは生物圏から直接放出されたエアロゾルであるが、二次有機エアロゾルは大気中に放出された揮発性有機化合物から光化学反応による酸化過程を経て生成したエアロゾル。
- オゾン分解:オゾンによって有機化合物の炭素-炭素二重結合が酸化切断される反応のこと。