既存の合成アルゴリズムを最大限に活かす (Making the most of synthesis algorithms)
複雑な分子に至る合成経路を予測するソフトウェアが急速に洗練さを増してきた。それでも、それのアルゴリズムが人間の直観を再現あるいは補完する範囲はまだ不確かである。Linたちは、30以上の合成法が文献で報告されているアルカロイドを生成する市販の逆合成プログラムに挑戦した。結果のアルゴリズムはいずれの先行文献の方法も取り上げていなかったマンニッヒ反応を一貫して提案した。ただし、この経路の残りの部分にある欠点は人間が介在して補完した。優先度の高い重要な工程にグラフ準拠方法を補足するという工夫によって、著者たちはこの標的の最短の合成を達成した。(hE,KU,kj,nk,kh)
【訳注】
- 逆合成:逆合成解析は、有機合成化学の多段階合成において、目的とする化合物を得るための効率的な合成経路を決定する方法であって、目的とする分子を単純な構造の前駆体へと合理的に切り分けることによりなされる。最終的には、同様な手法を繰り返すことにより、各々の前駆体を入手容易な、もしくは市販されている化合物へと導く。
Science, ade8459, this issue p. 453