隕石中の核合成異常 (Nucleosynthetic anomalies in meteorites)
降着して地球を形成した物質の起源は、惑星形成で使い残された物質を含んでいる隕石を用いることで制限することができる。核合成異常とは、太陽系形成前の物質の、不完全な混合によって残される同位体比のわずかな違いのことである。この異常は、ダスト粒子に最初の段階で凝縮する難揮発性元素ではすでに知られているが、より揮発性の高い元素が惑星形成前に完全に混合されたかどうかは不明だった。MartinsたちとNieたちは、2つの互いに補い合う論文において、中程度の揮発性元素である、亜鉛とカリウムそれぞれの核合成異常に気付いた。彼らはそれぞれの宇宙化学モデルを使用して、地球の質量の約90%が非炭素質の内部太陽系物質、約10%は炭素質の太陽系外縁部物質からもたらされたことを決定した。後者の供給源は、地球のカリウムの約20%、亜鉛の半分を与えていた。(Wt,nk,kh)