サンゴ礁における局所的適応 (Local adaptation in coral reefs)
西オーストラリアのローリー・ショールズにあるクラーク・リーフ環礁は、空間的に異なる選択がどのように生態学的な相違を推進するかを研究するための、モデル生息地を提供している。Thomasたちは、放精放卵型サンゴであるウスエダミドリイシを研究し、熱ストレスに関する共通環境実験と組み合わせたゲノムおよびトランスクリプトームの配列決定を通して、礁湖および礁原で採取した個体を調査した。礁湖のサンゴはより熱耐性が高いことが示され、その遺伝子発現の基準も2つの地点間で異なっていた。生息地にまたがる既存の遺伝的変異を理解することは、今後数十年間、サンゴ礁を保護および管理するのに役立つかもしれない。(Sk,ok,kh)
- 共通環境実験 (common garden experiment):同一生息地での比較実験
- トランスクリプトーム:特定の状況下において細胞中に存在する全てのmRNAの総体
- 礁湖:サンゴ礁により外洋と切り離された内海
- 礁原:サンゴ礁の海面付近に広がる水深の変化が1~3m 以下の平坦面