免疫系における遺伝子発現の分析 (Analyzing immune system gene expression)
免疫系を含む病気は遺伝性であるが、遺伝的な多様性がさまざまな病気にどのように寄与しているのかは不明である。関与する遺伝子座が異なる集団からの個人の免疫細胞における遺伝子発現にどのように影響するかを明らかにするために、2つのグループが免疫細胞の単一細胞RNAシーケンシングを実行し、それぞれの研究で数百人の個人と100万を超える免疫細胞を調査した(SumidaとHaflerによる展望記事参照)。これらの研究は、14の異なる免疫細胞型における遺伝子発現に影響を与える近位(シス)と遠位(トランス)の両方の遺伝的な多様性を調べた。Perezたちは、ヨーロッパ系とアジア系の両方の健康な個人、および全身性エリテマトーデスと診断された個人を研究した。Yazarたちは、対立遺伝子の分離が免疫機能の変動にどのように寄与するかを研究する集団に基づく研究を実施した。これらのデータを自己免疫疾患コホートと統合することで、160を超える遺伝子座に関する因果関係が明らかになった。両方の研究から、遺伝子発現パターンがいかに 細胞型かつ状態特異的であるかが観察され、個人間で観察された免疫細胞機能の変動を説明することができる。両方の研究はまた、ゲノム全体の分析と発現定量的形質遺伝子座との間の因果関係を明らかにし、結果として自己免疫疾患の基礎となる潜在的な機構を明らかにした。(KU,ok,kj,kh)
Science, abf1970, abf3041, this issue p. 153, p. 154; see also abq0426, p. 134