AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約

Science January 14 2022, Vol.375

世界一暖かい海でのサンゴの適応 (Coral adaptation in the world’s warmest seas)

完新世の間冠水していた浅い内海であるペルシャ湾(アラビア湾)内のサンゴは、現在のサンゴ礁に対して知られている最も高い温度(37°C)に耐えることができ、この海域全体を通じて独特の遺伝的構造を有している。このようなサンゴは、10,000年以内に驚くべき温度耐性を進化させた。Smithたちは、ノウサンゴの1つであるヒラノウサンゴのゲノムとエピゲノムの各部分をペルシャ湾(アラビア湾)の各地で調べた。この研究は気候変動からサンゴ礁を救う探求において、保護に必須となる高温耐性の遺伝子型を明らかにしている。(Uc,nk,kh)

【訳注】
  • エピゲノム:ゲノムに重畳してその発現を変更する、DNAおよびヒストンの化学的な変更記録の集まり。これらの変更は、世代を超えるエピジェネティックな副次的遺伝を介して、子孫に渡されることがある。
Sci. Adv. 10.1126/sciadv.abl7287 (2022).

トポロジカル秩序をほぐす (Teasing out the topological order)

強力な磁場下の低温2次元電子気体で生じる量子ホール状態は、非自明なトポロジカル特性を持つことが長年にわたって知られている。最も興味深い特性として、ランダウ準位充填率5/2で発生する状態が挙げられる。理論計算では、5/2基底状態と関連するトポロジカル秩序に対して幾つかの可能性を示唆しているが、それらを実験的に区別することは困難である。Duttaたちは、整数充填率の領域に5/2状態の領域を繋ぎ合わせることにより区別する手法を開発し、粒子ホール・パフィアン秩序を支持する観測を提供した。本手法は、量子ホール系における他のエキゾチック状態を調べるのに使うことができる。(NK,MY,nk)

Science, abg6116, this issue p. 193

ランタニド結合の磁気効果 (Magnetic effects of lanthanide bonding)

ランタニド配位化合物は、別の分子磁石の場合よりはるかに高い液体窒素温度付近での強い保磁特性のために注目を集めてきた。Gouldたちは、金属-金属結合の導入が保磁力を高められると報告している。ヨウ素架橋されたテルビウム化合物二量体やジスプロシウム化合物二量体を還元すると、単一電子による金属間結合が生じ、これにより他の価電子の整列が強められた。その結果生じた保持力場は、テルビウム化合物とジスプロシウム化合物に対して、それぞれ50ケルビン未満と60ケルビン未満の温度で14テスラを上回った。(MY,nk,kj)

【訳注】
  • 保持力場:磁化された磁性体を磁化されていない状態に戻すのに必要な反対向きの外部磁場の強さ。
  • テスラ:磁場の強さを表す単位。
Science, abl5470, this issue p. 198

有機分子の非生物的形成 (Abiotic formation of organic molecules)

火星探査機は、惑星表面に露出した古代の岩石の中に複雑な有機分子を見出すとともに、現代の大気中にはメタンを発見した。これらの有機物がどのような過程で生成されたか明らかではなく、生物的および非生物的な発生源が提案されている。Steeleたちは、火星隕石ALH 84001のナノスケールの鉱物学的な組成分析を行い、玄武岩の熱水による水性変質の際に起こった、蛇紋岩化と炭酸化反応によって有機物が合成された証拠を見出した。この結果は、40億年前の火星で有機分子が非生物的に産出されたことを示している。(Wt)

Science, abg7905, this issue p. 172

細胞死の大昔の起源 (Ancient origin of cell death)

ガスダーミンは、病原体感染に応答して膜孔を形成する哺乳類における細胞死タンパク質である。Johnsonたちは、多様な細菌が哺乳類のガスダーミンの構造的および機能的相同体をコードしていることを報告している。それらの哺乳類対応物のように、細菌のガスダーミンはカスパーゼのようなプロテアーゼによって活性化され、オリゴマー化して大きな膜孔に入り、病原体(この場合はバクテリオファージ)感染から防御する。タンパク質分解の活性化は、短い抑制性ペプチドの放出によって起こり、多くの細菌のガスダーミンは、膜の細孔形成を促進するために脂質付加される。したがって、哺乳類の自然免疫の中心的構成要素であるピロトーシス細胞死は、大昔の抗バクテリオファージ防御システムと共有された起源を持っている。(KU,kh)

Science, abj8432, this issue p. 221

原形質連絡を介したmRNAの遊走 (mRNA migration through plasmodesmata)

植物では、ある種の転写因子が、1つの細胞で産生されるのに、時にはメッセンジャーRNA(mRNA)として隣接する植物細胞間の流路である原形質連絡を介して輸送され、そこで作用する。この機構は幹細胞がうまく発達するのを助けている。Kitagawaたちは、この細胞間輸送を管理している機構の一部を突き止めた。KNOTTED1ホメオボックス転写因子をコードするmRNAの輸送は、RNAエキソソームのサブユニットである、リボソームRNA分解性タンパク質44(AtRRP44A)に依存している。(MY,ok,kh)

【訳注】
  • KNOTTED1ホメオボックス転写因子:植物の分裂組織細胞が活性を維持するのに必要なタンパク質。
  • エキソソーム:さまざまなRNAを分解するタンパク複合体。
Science, abm0840, this issue p. 177

クロスオーバーを追求する (Following a crossover)

フェルミ粒子系の超流動は、凝縮を生じることが可能な、フェルミ粒子が対となったボース粒子の形成によって生じる。この対は、フェルミ粒子間の相互作用の強さに応じて、大きくて重なり合っているものから、密接して結合しているものまでさまざまである。これらの2つの極限の間のクロスオーバーは、超低温のフェルミ気体において調査されてきた。Liuたちは、絶縁障壁によって分離され、磁場に置かれた2層のグラフェンからなる電子系においてクロスオーバーを観察した。この2次元系におけるフェルミ粒子対は、一方の層の電子ともう一方の層の正孔から形成された励起子であった。研究者たちは、磁場と層の分離を用いて相互作用を調整し、輸送測定を通じて超流動の兆候を検出した。(Sk,nk,kh)

【訳注】
  • クロスオーバー:低温において、2個のフェルミ粒子が引力相互作用によりクーパー対を形成(ボース粒子化)したBCS状態(BCSは3人の物理学者の頭文字)になると超伝導現象を生じ、この引力相互作用をさらに強くしていくと、クーパー対が空間的にどんどん小さくなってボース粒子集団のBEC(Bose-Einstein凝縮)状態に移行する現象。(BCS–BEC クロスオーバー)
Science, abg1110, this issue p. 205

動物を用いない研究成果 (Animal-free research products)

細胞培養は生物学的研究のいたるところで使われているが、細胞の培養方法が、 処置に対して細胞がどのように応答するのかに影響を及ぼすことがよくある。ヒト細胞での前臨床研究および医薬品と化学品の試験などの応用研究のための細胞培養実験は、細胞培養培地に使われる成分、即ちウシ胎児血清(FBS)によって影響を受けることがよくある。研究における非再現性には多くの潜在原因があるが、FBSなどの本質的にばらつきのある動物由来材料の使用は、培養中の細胞の形態、増殖、生存率および応答が変化することがよくある。FBSがどのように提供されるのかも倫理的な懸念を提起する。van der Valkは展望記事で、FBSを細胞培養に用いることで起こり得る問題と、代替として合成培地を用いる進展について論じている。(MY,kh)

Science, abm1317, this issue p. 143

サイクリン依存性キナーゼを標的にする (Targeting cyclin-dependent kinases)

サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、相手となるサイクリンとの複合体の形で、細胞分裂周期における各期の移行を調節する。サイクリンD-CDK複合体は、ガンの進行で、特に特定種の乳ガンに対して重要である。Fasslたちは、サイクリンD-CDK複合体を標的とする薬剤がいかにしてガン細胞の細胞分裂停止を誘導するかについての新しい概念を導いてきた、これらの複合体の生物学的性質に対する理解の進歩について論じている。著者たちはまた、治療可能なガンの種類に追加する可能な他の治療薬との組み合わせを示唆し、サイクリンD-CDK阻害剤に対する耐性を克服する上での進歩と、ガンを超えた疾患への可能な応用について論じている。(Sh,MY,nk,kj)

【訳注】
  • サイクリン:複合化することによりサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を活性化して細胞分裂周期を制御するタンパク質群。ヒトでは11種類のサイクリンと4種類のCDKが知られ、それらがさまざまに組み合わさって複合体を形成し、細胞分裂周期を制御している。このうちサイクリンDは、G1期(DNA合成準備段階)からS期(DNA合成段階)への移行を駆動し、またその過剰発現がガンの原因となることが知られている。
Science, abc1495, this issue p. 158

ミトコンドリアはそのSPOTを放出する (Mitochondria shed their SPOTs)

ミトコンドリア外膜(OMM)の機能は、細胞の健康に不可欠である。自然に発生するOMMストレスにミトコンドリアがどのように反応するかは不明である。Liたちは、ヒトの寄生虫であるトキソプラズマ原虫に感染すると、ミトコンドリアが大きなOMM陽性構造体(SPOT)を放出することを示している。SPOTの形成には、寄生虫が分泌するエフェクターTgMAF1と、TgMAF1と宿主ミトコンドリアの受容体TOM70と輸送系SAM50との相互作用が必要であった。TOM70依存のSPOT形成は、寄生虫の成長を妨げるミトコンドリア・タンパク質を枯渇させ最適な寄生虫の成長をもたらすものであった。SPOTのような構造は、感染とは無関係にOMMの擾乱後にも形成された。このように膜の再構築は、トキソプラズマが感染中に強要するOMMストレスに対する細胞応答の特徴である。(Sh,kj)

【訳注】
  • トキソプラズマ:幅3µm、長さ5~7µmの半円〜三日月形をした原虫で、通常、成人が感染しても8割は症状がなく、2割でリンパ節腫脹や発熱、筋肉痛、疲労感など感冒様の亜急性症状が出現するが、数週間で回復する。
  • OMM陽性構造体:OMMを標的とする緑色蛍光タンパク質で可視化された構造体。著者たちが名付けた用語。
  • エフェクター:タンパク質に選択的に結合して生理活性を制御する分子。TgMAF1(Toxoplasma gondii mitochondrial association factor 1:トキソプラズマ-ミトコンドリア会合因子1)は、宿主のOMMを寄生虫の液胞膜につなぐために分泌されるエフェクター・タンパク質。
  • SAM50:ミトコンドリア外膜にTOM複合体などの円筒型膜タンパク質の組込み装置であるSAM複合体の主要な構成タンパク質。
  • TOM70:ミトコンドリア外膜にありミトコンドリア・タンパク質の搬入口であるTOM(translocase of the outer membrane)複合体を構成し、ミトコンドリアへの入り口の受容体として機能する膜タンパク質。
Science, abi4343, this issue p. 159

マスクを着用するよう人々を説得する (Persuading people to mask)

マスクが義務付けられている場所でさえ、人々はその着用の順守状況を楽観的に誇張する傾向がある。では、どうすれば、より多くの一般の人々を説得して、大義のために行動させることができるだろうか? Abaluckたちは、バングラデシュで、2か月間に数十万人(ほとんどが男性)を対象とした大規模なクラスター・ランダム化試験を実施した。さまざまな構造の色付きマスクが無料で配布され、市場調査から発想を得たさまざまなマスク着用の促進活動が行われた。この調査の実施とデータ収集を支援するボランティアの草の根ネットワークを用いて、著者たちは、介入が行われなかった村ではマスク着用が平均13.3%であったが、対面介入が導入された村では42.3%に増加したことを見出した。マスク着用の対面促進がなされた村では、特に危険性の高い人々において、COVIDのような病気の報告の減少も示された。(Sk,ok,nk,kh)

【訳注】
  • クラスター・ランダム化試験:クラスター(地域や施設)単位で、無作為割付を実施する試験法。
Science, abi9069, this issue p. 160

抗ウイルス防御の準備 (Preparing antiviral defenses)

抗ウイルス薬は、COVID-19との戦いにおける重要な手段の1つである。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)ポリメラーゼを標的とするレムデシビルとモルヌピラビルの両方は最初、他のRNAウイルスに対して開発された。このことは、関連する新たな病原体に対して迅速に配備できる広範囲に作用する抗ウイルス薬の重要性を浮き彫りにしている。Sourimantたちは、RNAウイルスのポリメラーゼ酵素を標的とするさらなる薬剤を同定する際の主要な指標として呼吸器合胞体ウイルス(RSV)を使用した。著者たちは、モルヌピラビルの誘導体を探索し、RSVおよびSARS-CoV-2のポリメラーゼの阻害剤として4'フルオロウリジン(EIDD-2749)を同定した。この薬は経口投与が可能で、マウスにおけるRSVおよびフェレットにおけるSARS-CoV-2に対して有効であった。(KU,nk,kj,kh)

【訳注】
  • レムデシビル:ヌクレオチドに類似した構造。2015年にエボラ・ウイルス治療薬として開発された。RNAウイルスに対して広範囲な活性を示す。
  • モルヌピラビル:ヌクレオシドに類似した構造。インフルエンザ・ウイルス治療薬として開発された。
Science, abj5508, this issue p. 161

ヒトAβ42線維の高解像度像 (Hi-res view of human Aβ42 filaments)

アルツハイマー病は、記憶およびその他の認知機能の喪失と、脳内でのアミロイド-β(Aβ)とタウの線維状会合によって特徴づけられる。残基42で終端するAβペプチドの線維への会合は、中心的な事象である。Yangたちは、低温顕微鏡を用いて、ヒトの脳由来のAβ42線維の構造を決定した(WillemとFändrichによる展望記事参照)。彼らは構造的に関連するS字型線維を突き止めたが、どれも2つの同じ原線維から成っていた。これらの構造は、より優れた生体外モデルと動物モデルの開発、Aβ42会合への抑制剤の開発、特異性と感度が向上した造影剤の開発に情報を提供するだろう。(MY,nk,kj,kh)

【訳注】
  • Aβペプチド:脳内のAβ前駆タンパク質から切り出されたペプチド化合物。アミノ酸数により会合の作りやすさが異なり、42個のアミノ酸からなるAβ42とAβ43が特に凝集化しやすいことが知られている。
  • 残基42:上記のAβ42で、C末端がアラニン。
Science, abm7285, this issue p. 167; see also abn5428, p. 147

テラパスカルにおける鉄融解温度 (Terapascal iron-melting temperature)

鉄が融解する圧力および温度の条件は、岩石型惑星にとって重要である。なぜならば、それらは、放射線を遮蔽する磁場生成の可能性を判断する上で重要な因子である液体金属核の大きさを決定するからである。Krausたちは、レーザー駆動衝撃を利用して、1000ギガパスカルの圧力までの鉄の融解曲線を決定した(ZhangとLinによる展望記事参照)。この値は、地球の内核の境界の約3倍である。著者たちは、地球より4~6倍大きな質量の地球型惑星で、液体金属コアが最も持ちこたえることを見出した。(Wt,MY,kj,kh)

Science, abm1472, this issue p. 202; see also abn2051, p. 146

重力の干渉 (Gravitational interference)

アハラノフ・ボーム効果は、電子波が電線に沿って伝播するときに、磁場が電子波の位相に影響を与える量子力学的効果である。原子干渉計は、原子の波動としての特性を利用して、それらが干渉計の腕を通るさまざまな経路をたどるときの位相の小さな違いを測定する。Overstreetたちは、冷たいルビジウム原子の雲を約25センチメートル離れた2つの原子波束に分割し、波束の1つを大きな質量との重力相互作用にさらした(Rouraによる展望記事参照)。著者たちは、観測された位相変化が重力アハラノフ・ボーム効果と一致していると述べている。(Sk,kh)

Science, abl7152, this issue p. 226; see also abm6854, p. 142

免疫の刷り込み (Immune imprinting)

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に関して、異形の変異株への免疫応答は、個人の感染歴によって影響される。医療従事者(HCW:Healthcare worker)は、自然感染またはワクチン接種のいずれかによって、或る量と型の抗原にさらされる可能性がある。Reynoldsたちは、2020年3月以降に追跡された英国のHCWのコホートを研究した。これらの人々の免疫学的プロファイルは、被験者が抗原に遭遇した頻度とどの変異株と関係したかに依存していた。感染が変異株ウイルスからの異形のスパイクを伴う場合、感染後のワクチン応答は効果がより低いことが分かった。残念ながら、多くの変異株に見られるN501Yスパイク変異は、制御性T細胞転写因子FOXP3を誘導するらしく、このことはウイルスが効果的なT細胞機能を破壊する可能性があることを示している。変異株の間の抗体結合の変化は、また武漢Hu-1 S1受容体結合ドメイン配列を使用した血清学データが、信頼できる防護の尺度ではない可能性があることを意味している。(KU,kh)

【訳注】
  • 免疫の刷り込み:過去にかかったウイルスが将来にわたって各人の感染に影響を及ぼす、という考え方。
Science, abm0811, this issue p. 183

衰退する種子散布 (Seed dispersal in decline)

ほとんどの植物種は動物に依存して種子を散布しているが、この重大機能は動物の個体数の減少によって脅かされており、植物が生息域を変えることによって気候変動に適応する可能性を制限している。Frickeたちは、種子散布相互作用に関する400以上の情報網からのデータを用いて、動物の減少によって世界的にもたらされた種子配置機能の変化を定量化した。彼らの分析は、過去の動物の減少が長距離の種子散布を大幅に減らし、気候変動によって引き起こされる範囲(生息可能域)の変化に対応するのに十分な距離まで散布される種子の数を半分以上減らしてしまったことを示している。さらに、彼らの手法は、種の特徴を用いた種子散布の相互作用の予測と、どのようにこれらの相互作用が生態系の機能につながっているかを推定することを可能にし、結果として生態学的予測と動物減少の重大性を知らせてくれる。(Sk,nk,kh)

Science, abk3510, this issue p. 210

アテローム性動脈硬化を嗅ぎ分ける (Sniffing out atherosclerosis)

嗅覚受容体は、鼻におけるその存在において、嗅い検出におけるその役割に対して最もよく知られているが、他の組織にも存在し、追加の生物学的機能を果たしている。例えば、アテローム性動脈硬化の病因に関与する血管マクロファージは、嗅覚受容体の複数のサブタイプを発現する。Orecchioniたちは、嗅覚受容体2(化合物オクタナールに対する受容体)に焦点を当て、アテローム性動脈硬化の病因とアテローム性動脈硬化のプラーク形成へのその寄与を明らかにした(RaynerとRasheedによる展望記事参照)。著者たちは、オクタナールのほとんどが食事から直接得られたのではなく、脂質過酸化の副産物として生成されたことを示しており、このことは治療介入に対する可能な経路を示唆している。(KU)

【訳注】
  • アテローム性動脈硬化:動脈壁の内側に脂肪質(アテローム)が沈着し、そのため動脈を狭くしている動脈硬化の段階。
  • オクタナール:化学式C8H16Oで表される鎖状有機化合物で、アルデヒドの一種。
Science, abg3067, this issue p. 214; see also abn4708, p. 145