なぜ油と水は混ざらないのか (Why oil and water do not mix)
油は、水に分散すると、負の電気泳動移動度(および負の電荷)を帯びた安定した液滴を形成することがよく知られている。しかしながら、その基礎となる機構は長い間議論されてきた話題である。Pullancheryたちは、振動和周波散乱分光法を用いて、ヘキサデカン-水界面の酸素-重水素および炭素-水素の伸縮領域の界面振動スペクトルを記録した。分子動力学シミュレーションを伴うそれらのスペクトル分析は、水分子がアルキルの水素と「変則的な」界面での水素結合を形成し、油滴を安定化させる水から油への電荷移動をもたらすことを示した。この研究は、和周波散乱分光法が、水が介在する化学的および生物学的な系における疎水性の理解を向上させ得る、強力な技術であることを実証している。(Sk,kh)
- 振動和周波散乱分光法:赤外プローブ光と紫外または可視プローブ光を、時間的空間的に重ね合わせて界面に照射し、表面界面の分子種の振動スペクトルを得る非線形分光法