銅含有抗生物質 (A copper-containing antibiotic)
細菌は、生合成過程に対して遷移金属イオンを必要としており、また、有毒である過剰金属から自身を守らなければならない。Pattesonたちは、環境由来細菌の緑膿菌が、どのようにして5つの酵素からなる経路を使って、システインをもとに作られ銅イオンを含有する小分子錯体のフルオプシンCを合成するのかを調べた。この生合成には、システインがチオヒドロキサム酸塩に転換し、その2個が最終天然産物中で銅イオンに配位するまれな酵素変換反応が関与している。フルオプシンCは、緑膿菌を過剰な銅から守り、また、他の細菌に対する広域性抗生物質としても機能する。(MY,kh)
- フルオプシンC:病原性細菌に対して高い活性を示す抗生物質の1つ。銅原子にチオヒドロキサム酸塩からなる2つの配位子がSとOで配位している構造を持つ。
- システイン:側鎖がCH2SHであるアミノ酸。2-アミノ-3-スルファニルプロピオン酸とも言う。