ジャガイモのペクチンが疫病菌に役に立たなくなる (Potato pectin falls to Phytophthora)
Phytophthora infestansは、1800年代のジャガイモ飢饉を引き起こした植物感染性卵菌病原体で、今日もジャガイモ畑を悩まし続けている。多糖類のペクチンは、ジャガイモの細胞壁の約3分の1を占めている。Sabbadinたちは、ペクチンを分解し、感染中のP. infestansで増加する、細胞溶解性多糖モノオキシゲナーゼ(LPMO)のファミリーを同定した。関係するLPMO遺伝子のサイレンシングにより、P. infestansの感染がうまく抑制された。これらの知見は、病気介入の標的および生物工学応用の扉を開く。(MY,kj)
- 疫病菌:真核生物に属する原生生物のうちの特定の分類に属する微生物。多くのものは生きた植物に寄生し、植物病害(疫病と呼ばれる)を引き起こす。
- ペクチン:植物の細胞壁を形成する3つの多糖類のうちの1つ(他はセルロースとヘミセルロース)。水和したゲル状の巨大分子を形成し、結晶性のセルロース微繊維とヘミセルロース架橋で作られる網状構造の隙間を充填する。
- 溶解性多糖モノオキシゲナーゼ:セルロースのような細胞壁の難分解性多糖類を酸化的に分解する酵素。