トウモロコシの素晴らしいゲノム群 (An a-maize-ing set of genomes)
トウモロコシは世界中で栽培されている重要な作物である。トウモロコシが世界各地に広がるにつれて、地域環境に適する淘汰が多様性をもたらしたが、ゲノム間の違いに及ぼす淘汰の影響は定量化されていなかった。Huffordたちは、トウモロコシの入れ子型関連マッピング(nested association mapping)目録に用いられた26の系統に対して高品質ゲノム配列を作成することで、重要な形質を対応付けし、トウモロコシの多様性を実証している。著者たちは、目録の各系統でRNAと遺伝子メチル化を調べ、トウモロコシのコア遺伝子群を突きとめた。このコア遺伝子群のほかに、各系統間の比較解析により、トウモロコシの全遺伝子群であるパンゲノムで高水準の変異が確認された。この情報源の価値は、病原体への抵抗性に関係する形質などの、関心の高い量的形質を対応付けすることにより、さらに例証された。(MY,kh)
- トウモロコシの入れ子型関連マッピング:Bucklerたちによりなされた、トウモロコシの量的形質(表現型)がどの遺伝子群のどんな配列(遺伝子型)と関係するかを解析した結果のこと。
- 26の系統:上記解析に用いられたトウモロコシの系統で、世界各地から選別された。
- コア遺伝子:全ての対象種に共通して存在する遺伝子。
- 量的形質:収量など、数値によって評価できる形質。