欧州の自然を守るための優先事項 (Priorities to protect nature in Europe)
環境保護科学者の間では、生物多様性と生態系サービスを守るために保護地域を拡大すべきとの共通認識があるが、環境保護に向けて地域に優先順位を付けるのは往々にして難しい。欧州各地の環境保護を動機づける要因を考慮して、O'Connorたちは、800を超える脊椎動物種の分布で表される種の価値、自然観光のような活動で表される景観の文化的価値、そして炭素隔離と洪水防止のような生態系サービスの価値を包含する分析を行っている。これら3つの主要な価値が1つの景観において、みな一致することはあまりないが、著者たちは、区域保護を立案する上で生物多様性に焦点を合わせることが、さまざまな自然の価値を取り込む最も効果的な方法であることを見出した。(Uc,MY,kh)
- 生態系サービス:生物・生態系に由来し、人類の利益になる機能を指す用語であるが、現在は「自然がもたらすもの:nature’s contributions to people (NCP)」が使われるようになってきている。