Shulinによって閉じ込められた繊毛モーター (Ciliary motors locked closed by Shulin)
運動性の繊毛と鞭毛は、左右の体軸を設定し、気道から粘液を除去し、そして単一細胞の動きを駆動するなどの機能を備えた重要な細胞小器官である。繊毛の拍動は、ダイニン・モーターの配列によって動力供給されるのだが、その主要な力の発生器は、外側のダイニン・アーム(outer dynein arm:ODA)複合体である。原生生物テトラヒメナを用いて、Maliたちは、新たに合成されたODAに結合するShulinという名前の因子を同定した。低温電子顕微鏡法は、Shulinがどのようにダイニン・モーターの活動を止め、細胞質から繊毛におけるその最終位置へODAの送達を促進するように、ダイニン・モーターをしっかりと組み合わせるかを明らかにした。(KU,kh)
- ダイニン:ATPに依存して微小管のうえを滑り運動するモーター・タンパク質
- テトラヒメナ:水中に生息する繊毛虫で、多数の繊毛が生えており、これによって運動する