休眠中の火山のうなり (Rumblings of a dormant volcano)
火山の近くで起こる地震は、しばしば噴火の前兆である。しかし、深部低周波地震(深部長周期地震ともいう)は殆どの場合、休眠中の(活)火山に特徴的な、特殊な地震活動である。Wech たちは、活動休止中のハワイのマウナケア火山の地下で、過去19年間にわたって 100万を超える新縁周波地震が発生していたことを突き止めた(Matoza による展望記事参照)。この多数の観測データを解析した結果、彼らは、深部低周波地震が地下深部の冷えつつあるマグマだまりに関連していると結論することができた。深部マグマだまりの結晶化で生じる「二次沸騰」によって放出されたガスが亀裂を開き、深部低周波地震を引き起こすのだと思われる。 (Wt,tf)
- 二次沸騰:結晶化によって液体部分の量が減り、結果として液体中の揮発性成分が溶解度を超えるため発泡すること。