ナノ繊維により作られた波形壁 (Wavy walls built by nanofilaments)
モデル植物のシロイヌナズナでは、敷石細胞 (表皮細胞, pavement cell)は、ジグソー・パズルのピースのふくらみ部と湾曲部で嵌合する。植物におけるそのような複雑な形状は、膨圧により引き起こされると広く考えられていた。Haasたちは今回、細胞外にある細胞壁が、膨圧に頼ることなく、細胞壁が包含する細胞を能動的に能力を持つことを示している。細胞壁にあるペクチン・ホモガラクツロナンからなるナノ繊維は、繊維がメチル化されているかどうかに依存して、結晶性相と異方性相の間を推移する。この形態推移が、膨圧には依存していない細胞壁形状の変化を引き起こす。(MY,nk,kh)
- 敷石細胞:気孔を構成する孔辺細胞とともに葉の表皮を形成する細胞。気孔同士は隣接して形成されず、最低でも1つのの敷石細胞を挟む形で形成される。
- ペクチン:細胞壁を形成する3つの多糖類のうちの1つ(他はセルロースとヘミセルロース)。水和したゲル状の巨大分子を形成し、結晶性のセルロース微繊維とヘミセルロース架橋で作られる網状構造の隙間を充填する。
- ホモガラクツロナン:ペクチンを構成する3つの主要なドメインの1つ。