マウスのシナプスにおける睡眠覚醒サイクル (Sleep-wake cycles at mouse synapses)
毎日の睡眠と覚醒のサイクルにわたって、マウスの脳におけるトランスクリプトーム、プロテオーム、リン酸化プロテオームの分析は、大きな動的変化を明らかにする(CirelliとTononiによる展望記事参照)。Noyaたちは、転写物のほぼ70%が概日サイクルの間で存在量の変化を示すことを見出した。シナプスのシグナル伝達と関連する転写物とタンパク質は、活動期の前(夜行性動物にとっては夕暮れ時)に蓄積し、一方、代謝と翻訳に関連するメッセンジャーRNAとタンパク質は、休止期の前に蓄積した。Bruningたちは、定量化されたシナプスのリン酸化タンパク質の2000のうちの半数が日周の活動-休止サイクルとともに変化を示すことを見出した。 睡眠遮断はシナプスにおけるこれらのリン酸化サイクルのほぼ全て(98%)を消失させた。(MY,ok,nk,kj,kh)
- トランスクリプトーム:特定の状況で細胞中に存在する全ての転写産物(全RNA)のこと。1
- プロテオーム:特定の状況で細胞中に存在する全タンパク質のこと。