相変化 - 細胞核における品質管理 (Phasing-in quality control in the nucleus)
細胞核でのタンパク質の品質制御の基本的な過程はよくわかっていない。 細胞核には、液体様凝縮物を形成する幾つかの非膜結合型の小区画が含まれている。 このうちの最も大きいのは、リボソームが生合成される部位である核小体である。 Frottin たちは、熱ストレス状態で不正に折り畳まれる準安定な核タンパク質が核小体に入ることを見出した。 核小体において、これらのタンパク質は不可逆凝集せず、また、ストレスからの回復で、熱ショック・タンパク質70依存的再折り畳み能力を維持する。 長時間のストレス、あるいは神経変性疾患が関係する核小体へのタンパク質取り込みは、この可逆性を妨げた。 このようにして、相分離して存在する小区画の性状が、タンパク質の品質管理を助けることが出来る。(MY,ok,kh)
- 熱ショック・タンパク質70:生体膜をタンパク質が通過するのに関与し、また、不正に折り畳まれたタンパク質を正しい折り畳みに回復させるのに関与するタンパク質。