生態系は戦争の影響を感じている (Ecosystems feel war's effects)
戦争は、人間の生活と状況を破壊するが、人間以外の被害者も影響が小さいわけではない。モザンビーク内戦は、ゴロンザーラ国立公園における捕食動物の急速な減少を引き起こし、被捕食動物の行動と植物群落を変化させる栄養連鎖状態に導いた。Atkinsたちはこの変化を観察し、野生の犬科動物(リカオン)とヒョウの不在が、ブッシュバック(森林にすむレイヨウ)による生息地利用と植物に対する食性における変化をもたらしたことを見出した。さらなる実験結果は、捕食動物の行動痕跡が導入された場合に、被捕食動物の行動における変化が可逆的であることを示しており、このことは捕食動物の喪失の影響を示唆した。これらの結果は他所でも見られる行動変化のパターンを確認し、さらに一段と踏み込んで、被捕食動物によって知覚される「恐怖の状況」の重要性に関する機構的詳細を提示している。(Uc,KU,kj,nk,kh)
- レイヨウ(羚羊):ウシ科の大部分の種を含むグループ