二層グラフェン中の圧力を上げる (Upping the pressure in bilayer graphene)
ねじれ二層グラフェンにおける、超伝導とエキゾティック絶縁相の発見が、この物質を強相関電子系のモデル系として確立してきた。 超伝導を達成するためには、グラフェンの2つの層は、互いがなす角度が非常に正確な必要がある。 Yankowitz たちは今回、静水圧という、もう一つの実験用手掛かりが、ねじれ二層グラフェンの状態図を調整するために使用できることを示している(Feldman による展望記事参照)。 印加する圧力が層間の結合を強め、それが超伝導転移をより大きな角度とやや高い温度にずらした。(Sk,nk,kj,kh)
- エキゾティック絶縁相:強磁性や超伝導のような普通の相転移とは違った相転移から生じる絶縁相。
- 強相関電子系:遷移金属や希土類を含む物質におけるように、電子どうしの間に働く有効なクーロン相互作用が強くて、自由電子近似が使えない系。