タンパク質 Survivin の好中球監督サービス (Survivin' neutrophil surveillance)
人間は常に真菌胞子を吸い込んでいる。我々は何故に、Aspergillus fumigatu のような至る所に存在する真菌カビからの侵襲性の感染にもっと罹らずにすんでいるのだろう? マウスでの研究から、Shlezinger たちは、好中球が肺深部で発芽する真菌胞子を貪食することを見出した(Wiesner と Klein による展望記事参照)。 いったん飲み込まれると、真菌細胞は、おそらく貪食細胞 NADPH オキシダーゼにより誘導されるプログラム細胞死をこうむった。 真菌 survivin 相同体を過剰発現するように遺伝子操作した真菌株は、カスパーゼ-3 と-7 を阻害することで細胞死に抵抗した。 Survivin 拮抗物質を適用すると、より多くの真菌細胞が死んだ。 これらの知見は、侵襲性真菌肺感染によって脅かされる免疫不全の患者のための療法につながるかもしれない。(KU,MY,kj,nk,kh)
- survivin:カスパーゼの活性化を阻害し、アポトーシスを抑制するタンパク質。
- カスパーゼ(caspase:Cysteine-ASPartic-acid-proteASEの略):細胞にアポトーシスを起こさせるシステイン・プロテアーゼで、1から14の種類ある。
- NADPH:nicotinamide adenine dinucleotide phosphateの還元型。