本来の気孔以上のものを作る (Making more of your stomata)
イネ科型植物の気孔は,それぞれ2つの孔辺細胞と副細胞で構成されていて,2つの孔辺細胞だけからなる広葉型植物の気孔より開口機能が高い。Raissigたちは,小麦に似たイネ科型植物であるBrachypodiumのMUTE転写因子が,広葉型のモデル植物であるシロイヌナズナの等価タンパク質よりも少し大きいことを見つけた。BrachypodiumでのMUTEタンパク質の伸長は,これが隣接細胞へと移動することを促進し,隣接細胞が副細胞化することを促す。MUTEタンパク質が細胞間を移動できない突然変異型Brachypodiumは,気孔の副細胞を欠き,成長が不十分だった。(MY,ok,nk,kh)
- 孔辺細胞:植物の気孔を形成する,互いに向かい合う一対の唇型の細胞。
- MUTE転写因子:気孔形成機能を持つ幹細胞が孔辺細胞へと分化するのに必要な転写因子。