Dawnは準惑星ケレスを探査する (Dawn explores the dwarf planet Ceres)
2015年3月、Dawn宇宙船がケレス(セレス)を回る軌道に到着した。このケレスは、準惑星であり、小惑星帯の中では最大の天体である。続く何か月かにわたって、Dawnのチームは、ケレス表面の広範囲な地図を作製し、その特性を探査した。Russell たちは、ケレス全体の特性の概観と, 短寿命の大気によるものと解釈するプラズマの弧状衝撃波の発見を報告している。Hiesinger たちは、地表のクレーターについて調べ、その形態と分布が, 地表の年代同定を可能にしたのに加えて, 地殻が岩石と氷の混合物であると示した。Buczkowski たちは、ドームや線状構造のような地表の地質学的な特徴と形態を記述して, 氷マグマ活動と地表下での氷の存在を示唆するものとしている。Ruesch たちは、Ahuna Mons 山の詳細な研究を提出し、この山が塩と氷の粘性混合物の噴出によって形成された氷火山であると結論づけている。Ammannito たちは、地表の鉱物組成の地図を作製したが, それでは粘土に似たフィロケイ酸塩が主要だ。Combe たちは、Oxo クレーターにある水氷の露頭について報告したが、それは比較的最近地表に運ばれたに違いない。まとめて言えば、これらの論文は、岩石と氷からなる複雑な世界を示しており、これはこれまで研究されてきた小惑星とは大きく異なっていることを示している。そして、これらはまた、これから数年に渡る Dawn のデータの分析を支えるものとなろう。(Wt,MY,nk,kj,ok,kh)
Science, this issue pp. 1008, 1003, 1004, 1005, 1006, and 1007