イランからの古代オリエントのゲノム (Near Eastern genomes from Iran)
ヨーロッパの人びとの遺伝子構成は,狩猟採集から農耕への新石器時代の移行期に変化した.Broushakiたちは,現代の人びとの起源をもっとよく理解するために,初期新石器時代の肥沃な三日月地帯を代表する現代イランのザグロス地方出土の人骨4体から,古代DNAの配列を決定した.これらの人たちは,意外なことに,初期のヨーロッパ農耕民の祖先でなく,その遺伝子構造は今日のヨーロッパ人の遺伝子構造に有意な寄与をしなかった.これらのデータは,新石器時代における並行的な農耕への移行が,恐らく,南西アジアの各地で遺伝子的に別々に分化した混成農耕集団に由来することを示している.(MY,nk,kh)