AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約 |
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Daniel Schwabe and Luiselena Esmeraldo Catholic University of Rio de Janeiro (PUC) Gustavo Rossi and Fernando Lyardet La Plata University
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 1, January-March 2001
汎用的で概念的なスキーム、ナビゲーションベースのスキーム、そしてコンテキストベースのスキームを組み合わせたWebデザインフレームワークについて論じている。そのようなフレームワークはWebアプリケーションにおいて、コードの再利用でなく設計の再利用を最大化する概念的アプローチを提供する。著者らは主たるアーキテクキャコンポーネントと設計構造を決定するために、それ自身再利用に適する、オブジェクト指向ハイパーメディア設計ルール拡張拡張版のOOHDM(object-oriented hypermedia design extension)フレームを適用している。
Karl M. Goeschka Vienna University of Technology, Austria Markus W. Schranz Pressestext Austria
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 1, January-March 2001
EコマースとWeb情報システムの成功は、システム的な分析と設計プロセスに依存する。更に重要なことは、UML、XMLやCorbaといった標準的なテクニックに基づいている著者の手法は、HTML上のJavaからWAPなどといった分散環境における異なるクライアントの統合を可能にしている。著者のオブジェクト指向Web設計手法は、非常に不均質なレガシーソフトウエアとデータベースをスムーズな統合、というゴールを達成可能とする。
Pierre Bourque, Robert Dupuis, Alain Abran, James W. Moore, and Juan de Lara and Manuel Alfonseca Universidad Aut?noma of Madrid
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 1, January-March 2001
著者はビジュアルでインタラクティブなシミュレーションと他のハイパーメディア要素、という特徴を持つWebドキュメント構築システムを提案している。そのシステムはシミュレーションモデルの振る舞い、ページやスライド、コース、論文、又はプレゼンテーションを記述する抽象化レイヤーにより構成させる連続シミュレーション言語を用いている。提案されている手法とツールは、Webベースアプリケーション開発における保守性、再利用統合性とテストの簡便化などのいくつかの特徴を強調している。
Emilia Mendes University of Auckland Nile Mosley Auckland University of Technology
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 1, January-March 2001
他の種々なソフトウエアプロセスと同様にWebアプリケーション開発でも初期段階の見積もりプロセスが役にたつ。著者達は、大学の学部課程をケーススタディとして用い、Webアプリケーション、開発者とツールに関するメトリックスを調査し、これらのメトリックスを用いて、将来のWebアプリケーションの設計とオーサリングにおける予測モデルを開発した。
Engin Kirda, Mehdi Jazayeri, and Clemens Kerer Technical University of Vienna Markus Schranz Pressetext, Austria
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 1, January-March 2001
Webサービスのライフサイクルは分析、設計、実装と保守の段階を含んでいる。既存のWebツールの大半は実装フェーズのみを対象としており、他のステージについてサポートしていない。著者達は、ウイーン国際フェスティバルのWebサイト構築と保守の経験を通して、このライフサイクルすべてをカバーするエンジニアリングツールを開発した。
Jaime Gomez and Cristina Cachero University of Alicante
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 2, April-June 2001
複雑なWebサイトの構築と運用のための既存のツール類は基礎となるロジックを統一的かつシステマチックに結合するソフトウエア生産プロセスを扱うには不十分である。解決策として、著者らはWebアプリケーションインターフェイスのモデリングと実装に関連するプロパティを取得するオブジェクト指向ソフトウエアアプローチのOO-Hメソッドを提案している。
Filippo Ricca and Paolo Tonella Center for Scientific and Technological Research, Italy
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 2, April-June 2001
著者等は彼らの開発したReWebツールを用いて、Webサイトのアーキテクチャと改良に着目した自動、および半自動のWebサイト解析手法を調査した。彼らの行ったケーススタディで、Webサイトの品質を維持ないし向上させながらWebサイトのメンテナンスと改良を行うための課題にReWebがどのように対応できるかを実証している。
Chris Barry and Michael Lang National University of Ireland, Galway
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 2, April-June 2001
著者等の調査によると、マルチメディアシステム開発に関して普遍的なアプローチがないことを示唆している、それゆえ、実用主義者達は文献で引用されるマルチメディアモデルを用いない。著者らは、開発者達は要求仕様を獲得し、その要求仕様をシステム開発フレームワークの中に統合することの出来る新しい開発技術を必要としている、と結論つけた。
Reinhold Klapsing University of Essen, Germany Gustaf Neumann Vienna University of Economics and Business Administration, Austria Wolfram Conen Xonar GmbH, Germany
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 2, April-June 2001
著者等はリソース記述フレームワーク(RDF: Resource Description Framework)をWebエンジニアリングに適用するための、相互利用可能な交換フォーマットを提供する拡張性のあるWebモデリングフレームワーク(XWMF: eXtensible Web Modeling Framework)を紹介している。彼らのフレームワークはWebアプリケーションの構造とコンテンツを特定するものと同じ(メタ)データモデルを用い、Webアプリケーションのリソースを記述し、コンピュータが理解出来るコンテンツとメタデータを生成する。
Katashi Nagao IBM Research Yoshinari Shirai NTT Communication Science Labs Kevin Squire University of Illinois
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 2, April-June 2001
著者らは、XMLとWebドキュメントへの外部注釈を用いWeb上に上部構造を構築する手法を提案している。彼らは、Webドキュメントへの注釈に、言語学的なもの、注釈によるものとマルチメディアによる3つのアプローチを提案している。その結果、コンピュータにより理解され、より簡単に処理できる注釈をつけられたWebドキュメントは、少ない負荷で、様々な形態のフォーマットへのトランスコードが可能となり、(携帯電話用にテキストから音声サマリーを作成したり、英語から日本語に変換することなどで)より広いユーザーへ届けられるようになる。
Yogesh Deshpande and Steve Hansen University of Western Sydney, Australia
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 2, April-June 2001
Web工学とはいくつもの学問分野の中の学問分野である、コンピュータサイエンス、情報システム、ソフトウエア工学をまたぎ、さらにいくつかの情報技術分野以外の専門分野からの貢献も受けている。それほど多くの学問分野が絡み合ったことで、組織や開発にユニークな問題を投げかけている。ここで、著者らは、Web工学の分類方法、その特徴の定義付けにつき議論し、更に、情報技術における過去の諸問題と比較して、その現在の問題について議論している。
David A. Turner and Keith W. Ross Eurecom Institute, France
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 2, April-June 2001
コンティニュアスメディア(ビデオやオーディオといったストリーミングなメディア)emailはシンプルテキストによるemaiに対し数々の長所を持っている。視覚障害を持つ人たちやキーボードを持たない携帯端末では音声が付加されることのメリットは高い。著者らは、コンティニュアスメディアemailの実装を困難にしている送信者蓄積方式によるコンティニュアスメディアemail配信の主要な問題に対する解決策を提案している。サービスの質(QoS)、メッセージの削除、転送と返信に対する問題などに対応するために、送信者蓄積と受取者蓄積アプローチの統合方式を提唱している。
Fabien Costantini and Christian Toinard
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 3, July-September 2001
著者等は産業界向け教育環境におけるインタラクティブで協調的なラーニングシステムの新しいアプローチにつき記述している。受講者は複数の教師がリアルタイムに見守り、アドバイスを行い、訂正することの出来る3D世界の中で勉強する。分散したオフィスビルのメタファで仮想世界を共有し、様々な協調スタイルを可能とする配信サービスを提供する。
Abdulmotaleb El Saddik, Stefan Fischer and Ralf Steinmetz
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 3, July-September 2001
著者等はWebベースのラーニングシステムにおけるインタラクティブなマルチメディアコンテンツの再利用性につき議論している。既存のアプローチと異なり、彼らはコンポーネントベースのアーキテクチャを拡張し、再利用のためのメタデータを用いてインタラクティブなマルチメディア表現を作り上げる。彼らは実験により、一つのマルチメディア表現を異なる教育目的へ再利用する方法を示している。
Young Francis Day, Peiya Liu, and Liang H. Hsu
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 3, July-September 2001
既存のツールによるオーサリングは人手に頼る部分が多く、かつ時間のかかるプロセスであるために大規模な製品トレーニングドキュメントを効率よく作るには限界がある。著者等はダイナミックにISO DSSSLドキュメントスタイルを生成する正式な仕様に基づいた自動オーサリング手法を紹介している。自動生成されたスタイルを用いると、既に作成済みの製品ドキュメントから大規模なプレゼンテーション目的の製品トレーニングマニュアルに変換出来る。
Naoyuki Tokuda and Liang Chen
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 3, July-September 2001
著者等のインタラクティブでインテリジェントな語学教育システムは日本語から英語への技術翻訳をインターネット経由で行える。このシステムは数多くのネットワークベースのテンプレート、テンプレート構造に埋め込まれたグローバルなマッチングアルゴリズム、話言葉の断片にタグをつけたパーサー、仮想的なインターフェースを持つオーサリングツールにより構成される。英語のキーパターンを獲得することでテンプレートの構造を大幅に簡略化でき、自然言語用途で必須である指数関数的に増加する可能な組合せを抑えることが出来る。
Nikolaos Sarris and Michael G. Strintzis
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 3, July-September 2001
著者等はオーディオ・ビジュアル標準であるMPEG-4で提供されるツール類を使い特別なビデオ会議システムであるLip電話を開発した。このビデオ電話は話者の口元の画像を高品位で再現するため聴覚障害者が読唇法により通常の電話線、またはインターネット経由でコミュニケーションを行える。
David Fernandez and Ana B. Garcia Technical University of Madrid David Larrabeiti and Arturo Azcorra Carlos III Univerisity of Madrid Piotr Pacyna and Zdzislaw Papir AGH University of Technology
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 3, July-September 2001
著者等はIPv6/ATMベースの広帯域アクセスネットワーク上で動作するマルチメディア遠隔教育アプリケーションを開発し、テストと評価を行った。彼らはサービス品質(QoS)を改良し、IPv6上で動作するデジタルビデオライブラリ、仮想作業空間、ビデオ会議ツール等の一連の遠隔教育アプリケーションを採用し、さらにユーザーにがQoSをコントロール出来る。
Fernando Gamboa Rodriguez, Jose Luis Perez Silva, Felipe Lara Rosano, Francisco Caviedes Contreras, and Andrea Miranda Vitela
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 3, July-September 2001
著者等は高校の物理課程を組み込んだハイパーテキストシステムによるビデオベースの物理実験室を構築した。彼らは物理コースの理論的、実験的な側面を持つ教育ツールの開発を狙っている。この論文では、開発手法、最終的なソフトウエア構造、実験結果の分析と彼らの獲得した結果について報告している。
Jessica Fridrich, Miroslav Goljan, Rui Du
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 4, October-December 2001
本稿は自然画像の中に秘密のメッセージを安全に埋め込むStenographyについて議論している。その中で、著者等は、ノンシーケンシャルなデジタル画像に埋め込まれたLSB(最小桁ビット)を検出する高信頼で精度の高い手法について記述している。LSBとシフトLSBプレーン内のロスレス容量を検査することで秘密のメッセージ長が引き出される。実験的に決定されたLSBを確実に埋め込むための上限はピクセル当たり0.005ビットである。Stenographyがテロリストにより秘密の情報交換に使われている、という記事がUSA Todayに掲載された。USA Todayの記事は以下のURLで見ることが出来る。 http://www.usatoday.com/life/cyber/tech/2001-02-05-binladen.htm
Andrew Z. Tirkel, Thomas E. Hall
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 4, October-December 2001
著者等は、画像セキュリティに関する課題をとりあげて、カメラ本体により画像又はビデオに透かしを埋め込む手法を提案している。個々の透かしはユニークであり、所有者、カメラ、フレーム番号を特定する。応用分野としてセキュリティ産業(改竄の証拠として)やコマーシャルフォト(著作権保護として)などがある。
Heather Yu, Xiangyang Kong, Wayne Wolf
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 4, October-December 2001
文書はイメージやテキスト以外にグラフやイラストが用いられている。グレイスケールイメージに比べて二値画像であるグラフに対し透かしを埋め込むことはより困難である。デジタルグラフ認証のため改竄をオブジェクトレベルとピクセルレベルで検出し、位置を特定する2つの手法を提案している。
Deepa Kundur
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 4, October-December 2001
従来、電子透かしはスペクトラム拡散通信方式にたとえられていた。低エネルギーの透かし情報を拡散することで透かしの認知性を下げ、狭帯域ノイズの影響に強い。しかし、切り抜きやフィルタリングなどの修正は狭帯域ノイズでは無く、埋め込まれた透かし信号の減衰である、と考えた。本稿ではダイバーシティとチャンネル予測に基づく通信理論とツールセットを用いることでデジタル透かし技術の頑強性を向上することが出来ることを示している。透かしに冗長性を与える(ダイバーシティ)ことでそのアルゴリズムの性能が顕著に向上することを示している。また、提案したフレームワークが持つ効率的なデータ隠蔽の方法について議論し、参照透かしの頑強性についても報告している。著者等の考案した電子透かしは既存の技術を置き換えるものでなく、併用することで頑強性の向上を狙っている。
Jana Dittmann, Petra Wohlmacher, Klara Nahrstedt
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 4, October-December 2001
マルチメディアの構造特徴と複雑さにより、マルチメディアデータに対するセキュリティメカニズムはアプリケーションごとに異なるものとなる。著者等は全てのタイプのマルチメディアシステムに対する最も重要なセキュリティリクワイアメントを紹介している。デジタル認証の廃止手法についても調査し、メディアに依存しないセキュリティメカニズムの分類についても紹介している。
K. Gopalakrishnan, Nasir Memon, Poorvi L. Vora
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 4, October-December 2001
今日、マルチメディアコンテンツを海賊行為から守るために用いられる電子透かしでは、もっぱら、コンテンツの所有者が海賊行為を証明するために電子透かしを解読する。一旦解読されれば電子透かしは取り除くことが出来る。著者等は、暗号化されたプロトコルにより、電子透かしを解読せずに、その存在を実証する方法を示している。
Kostas Karatzas, Nicolas Moussiopoulos, Kurt Fedra, Achim Lohmeyer, Christos Kouroumlis
IEEE MultiMedia, Vol. 8, No. 4, October-December 2001
大気汚染が環境に与える影響調査(air-quality environmental impact assessments)の目的のためのCD-ROMとWebを組み合わせたマルチメディアフレームワークについて記述している。このアプリケーションは、大気汚染が環境に与える影響調査研究で活用するための、統合的で先進的な参照データを構築するための技術的要求について取り上げている。このデータベースは国民の持つ関連情報開示の要求も満たす。