AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約


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IEEE Multimedia (IEEE) Vol.5, No.1


仮想スタジオ概説
Virtual Studios: An Overview

Simon Gibbs Sony Distributed Systems Laboratory Costas Arapis, Christian Breiteneder, Vali Lalioti, Sina Mostafawy, and Josef Speier GMD - Institute for Media Communication

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 1, January/March 1998

仮想スタジオシステムは、実験的なプロトタイプから、正規の放送番組制作 に用いる商品へと変化してきた。本記事は、従来のクロマキー技術の拡張とし ての初期の実験から、グラフィックスを扱うことのできるスーパーコンピュー タに基づいた現在のシステムに至るまで、仮想スタジオの発展の歴史を述べる ものである。取り扱っている話題は、追跡(tracking)、描画(rendering)、生 成(compositing)のために必要とされる重要な要素を含む。照明とカメラ較正 といった領域における基本的な技術について論じ、ビデオテクスチャやZ−キー イング(Z-keying)や仮想役者(virtual actor)といった進歩した特徴について 述べる。さらに、現在の商用システムについて調査を行い、さまざまな拡張や 他のアプローチ方法について論じ、仮想スタジオシステムを導入する放送業者 が直面している問題のいくつかについても列挙を行う。


仮想カメラに基づいた画像生成
Image Compositing Based on Virtual Cameras

Masaki Hayashi NHK Science and Technical Research Laboratories

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 1, January/March 1998

コンピュータグラフィクスや実画像生成技術は、テレビ番組や映画において さまざまな方法で広く用いられている。もともとは、コンピュータグラフィク ス技術はビデオ処理手段に基づいたものであった。この二つの異なる文化(? culture)がいまや新しい技術に統合されてきた。

ここで述べる仮想カメラは、新しいタイプの仮想スタジオを作成するための、 コンピュータグラフィクス技術と実時間ビデオ処理技術とを統合するためのも のである。この仮想カメラに基づき、NHK放送技術研究所はいくつかの画像生 成システムを開発した。本記事は、その課題を明らかにするために画像生成技 術の概要の説明に始まり、続いて仮想カメラについて述べ、さらにコンピュー タグラフィクスとビデオ処理技術を統合するシステムをいくつか紹介する。最 後に、テレビ番組を編集したり制作するための、画像生成についてのみならず、 洗練されたシステムの開発についても、将来の方向性や可能性について述べる。


仮想背景技術の解決すべき問題
Challenges of Virtual Set Technology

Andrew Wojdala Accom, Inc.

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 1, January/March 1998

仮想背景技術は、従来の青背景の「クロマキー」技術から発展したものであ るが、すでに放送局に影響を与え始めるまでになってきている。実時間による、 俳優と一見現実に見えるコンピュータが生成した背景とを合わせることの実現 により、経済学上および創造的デザイン上双方において重要な解決策となる。

今日の仮想背景技術が生番組においてさえうまく用いられていることは疑う べくもないが、多くの問題がまだ解決を待っている状況である。典型的にユー ザは仮想背景からは複雑さを求め、妙なことに実背景からは現実性を求める。 このことは理解できる。なぜならば、仮想背景は想像(イマジネーション)を欲 しいままにさせるものと思われており、それにも関わらず、コンピュータによっ て生成されたシーンの現実性(リアリズム)には限界があるからである。もうひ とつの大きな問題点は、俳優と仮想背景とのインタラクションである。本記事 は、今日の仮想背景が直面するこの主な解決すべき問題点について述べ、仮想 背景がより完成され、信頼できる制作ツールになるために要求されることを定 義することを試みる。


MPEG-2ビデオのATM伝送
Transmission of MPEG-2 Video Streams over ATM

Steven Gringeri, Bhumip Khasnabish, Arianne Lewis, Khaled Shuaib, Roman Egorov, and Bert Basch GTE Laboratories

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 1, January/March 1998

本記事においては、MPEGビデオの品質とATMネットワークの性能との関係に ついて述べる。MPEG-2ビデオに対する、周波数、持続時間(?)、音声やビデオ の許容損失といったアプリケーションレイヤのサービス品質(QoS, Quality-of-Service)の特徴を定義する必要がある。これらのユーザに見える QoS特徴を用いることにより、セル誤り率や、セル損失率や、セル遅延変動と いったATMネットワークレイヤへの要求を近似することができる。

予備実験の結果により、ATM適応レイヤ5(? AAL-5)を用いたATM上で配信され るMPEG-2伝送ストリームのためのビデオ品質上のネットワーク損失の効果につ いて示す。ビデオ品質上のAAL-5カプセル化(?)の効果を検討し、無効な周期的 過剰チェックをともなったAAL-5パケット廃棄に対する復号の効果について論 じる。セル誤り、セル損失、セル遅延変動パラメータの許容範囲について、勧 告化がなされている。スケーラビリティ(順次規模拡大により高品質化可能)や エラー隠蔽といったMPEGの改良技術について、その技術のATMネットワーク上 への応用を含めて論じる。最後に、可変レートのMPEGのATMへのマッピングに おけるいくつかの重要な問題について、帯域の確保とビデオ品質とのトレード オフの関係を含めて論じる。


エデュケーション・オン・デマンドのためのビデオベースのハイパーメディア
Video-Based Hypermedia for Education-on-Demand

Wei-hsiu Ma, Yen-Jen Lee, David H.C. Du, and Mark P. McCahill University of Minnesota

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 1, January/March 1998

ネットワーク・ハイパー・クイックタイム(NHQT)は、低コストのデスクトッ プPCのための、インターネット上の注釈つきハイパーメディアビデオ映像を配 信するように設計されたエデュケーション・オン・デマンド(EOD)のプロトタ イプである。NHQTは、また、ビデオ映像に、注釈やハイパーリンクを埋め込ん だりするという使いやすい編集機能を提供するものでもある。これらの便利な 操作により、ビデオ編集の経験のない忙しい教師にとって、オーサリングが時 間的に効率化されたりあるいは単純化されることにより、発展性を持つように なる。NHQTは、補助的なドキュメントやビデオストリームをポイントする拡張 URL(Uniform Resource Locators)を用いてビデオストリームを配信するために、 WWW, Gopher, クイックタイムの技術を用いる。ビデオによるプレゼンテーショ ンにURLを採り入れることにより、ユーザは現在再生されているビデオセクショ ンに関連するドキュメントやビデオセグメントへのハイパーリンクをたどるこ とができる。

NHQTのビデオベースのユーザインタフェースは、VCRで行うような再生制御 や、ランダムアクセスや、内容による検索や、インターネットアクセスのため のハイパーリンクの自動解析(?)を含んだ、ユーザとの対話操作のすべてをサ ポートする。NHQTを用いた将来の高速ネットワークインフラを研究するために、 MacintoshおよびワークステーションのプラットフォームのためのATMネットワー クの試験装置を構築した。


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IEEE Multimedia (IEEE) Vol.5, No.2


並列ビデオサーバ手引
Parallel Video Servers - A Tutorial

Jack Y. B. Lee (The Chinese University of Hong Kong)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 2, April/June 1998

従来のビデオオンデマンド(VoD)システムにおいては、圧縮されたディジタル ビデオストリームは通信ネットワークを通って視聴者の端末に配送されるため に、ビデオサーバに蓄積される。本記事は、並列ビデオサーバのアーキテクチャ をデザインするための枠組について紹介し、三つの中心的なアーキテクチャ上 の問題について言及する。その問題とは、(1)ビデオの分散アーキテクチャ(2) サーバのストライピングの方針(3)ビデオ配送のプロトコル、である。


地理データの3Dナビゲーション
3D Navigation of Geographic Data Sets

Ricardo Camiciottoli, Jacopo M. Corridoni, Alberto Del Bimbo, and Enrico Vicario (University of Florence Dario Lucarella ENEL Research Center)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 2, April/June 1998

広域の交通ネットワークの管理・制御(管制)は、大量のデータセットを絶え間 なくモニターする必要がある。二つの要因がそのプロセスを複雑にする。(1) 個々のデータは地理的に広域の領域に広がっているが、しかしネットワークの リンクを通じて相互に影響し合っている。(2)ネットワークのノードに付随す るデータの種類は、異なるカテゴリに属している。この二つの要因を述べるた めの、3Dグラフィックスや、カラーや、ウインドウといった複数のプレゼンテー ションモードの結合利用をテストする可視化環境について説明する。


バーチャルステージ:ロケーションベースのカラオケシステム
Virtual Stage: A Location-Based Karaoke System

ChangWhan Sul, KeeChang Lee, and Kwangyun Wohn (KAIST)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 2, April/June 1998

「バーチャルステージ」は、仮想現実感技術に基づいた拡張されたカラオケシ ステムである。利用者は、インタラクティブな音楽ビデオにおける主人公にな る。利用者は、「バーチャルステージ」によって演奏される歌に沿って歌いな がら、仮想的な「出演者」とインラタクションを行うために体を動かす。その 「出演者」らは仮想的な環境に住むものであり、知的に振舞うことができる。


商標画像の類似検索
Similarity Retrieval of Trademark Images

John P Eakins, Jago M Boardman, and Margaret E Graham (University of Northumbria at Newcastle)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 2, April/June 1998

「職人(Artisan)」システムは、形状の類似性を用いて商標の略画を検索する ものである。それぞれの画像を解析してキーとなる形状コンポーネントを特徴 抽出し、画像領域を潜在的に人間の画像に対する知覚を反映するように複数の ファミリ(類?族?)にグルーピングし、そのファミリと画像全体とから特有な 索引特徴を抽出する。イギリスの登録商標の10000以上の画像を用いたプロト タイプシステムの検索効果についての評価を行った。


Appletベースのマルチメディアテレコラボレーション:ネットワーク中心の アプローチ
Applet-Based Multimedia Telecollaboration: A Network-Centric Approach

Shervin Shirmohammadi, Jauvane C. de Oliveira, and Nicolas D. Georganas (University of Ottawa, Canada)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 2, April/June 1998

実時間コラボレーションシステムは、参加者がマルチメディアのドキュメント やアプリケーションを共有するものであるが、この数年ずっと興味を引いてき た。JETSシステムは、インターネットを通してJavaアプレットの共有を可能に する一般的なマルチメディアコラボレーションの枠組を与えるものである。 JETSを用いた実験により、このようなシステムへの本質的な要求のみならず、 実用的な設計や実装の問題が明らかになった。


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IEEE Multimedia (IEEE) Vol.5, No.3


音楽や音声の検出に基づくビデオハンドリング
Video Handling based on Music and Speech Detection

Kenichi Minami, Akihito Akutsu, Hiroshi Hamada, and Yoshinobu Tonomura (Nippon Telegraph and Telephone Corporation)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 3, July-September 1998

ここで述べるビデオへのインデキシングへの音声ベースのアプローチは、音楽 と音声とが同期して発声する時にその両者を独立に検出するというものである。 索引付けされたビデオのセグメントは、ビデオサウンドブラウザに表示されて いるときには、ユーザがビデオにランダムアクセスすることができる。ビデオ インタイムシステムは、ビデオセグメントとディレクターの意図とを結びつけ ることのできるようなビデオ構造に基づいた、複数の異なったレベルのビデオ 要約(condensation)を与えるものである。


ミュージカルスコープ:グラフィカルな楽器
MusiKalscope: A Graphical Musical Instrument

Sidney Fels (The University of British Columbia) Kazushi Nishimoto and Kenji Mase (ATR Media Integration & Communications Research Laboratories)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 3, July-September 1998

ミュージカルスコープと名付けた、音楽および図形表現のための新しいマルチ メディアシステムは、コンピュータ支援ジャズ即興演奏をサポートするサブシ ステム(RhyMe)や、万華鏡像を支援するサブシステム(Iamascope)を有する。グ ラフィカルな楽器インタフェース(Graphycal Musical Instrument Interface, GMII)は、三つのサブシステムを結び、『演奏者』が、あたかも仮想的なドラ ムを叩いているかのように画像や音楽を作成することを可能にする。機能マッ プは、画像の雰囲気を演奏されている音楽にマッチさせる。


インタラクティブな音楽システムのためのデザインパターン
Design Patterns for Interactive Musical Systems

Jan Borchers and Max Mu"hlha"user (Linz University, Austria)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 3, July-September 1998

最新のメディアコンテンツとしての利用のための、インタラクティブで音楽指 向のシステムを開発するためのひとつのアプローチとして、音楽デザインパター ン(Musical Design Pattern)を提案する。この開発は、三つの鍵となる側面、 すなわち、(1)ユーザインタフェースデザイン(2)メディアのセマンティクスの モデル化(3)アプリケーションソフトウェア工学(コンテンツ開発)、を統合す るものである。WorldBeatという、多くの技術博物館において陳列されている、 賞をとったことのあるインタラクティブな音楽展示からの例によって、この主 張を立証する。


ネットビュー:大規模分散ビジュアルデータベース統合
NetView: Integrating Large-Scale Distributed Visual Databases

Aidong Zhang, Wendy Chang, and Gholamhosein Sheikholeslami (State University of New York at Buffalo) Tanveer F. Syeda-Mahmood (Xerox Research Center)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 3, July-September 1998

ネットビュー(NetView)は、インターネット上のさまざまなビジュアルデータ ベースへのグローバルな内容ベースの検索アクセスを支援するものである。メ タデータベース、メタ検索エージェント、および検索マネージャからなる統合 メタサーバは、そのようなアクセスを容易にする。NetViewは、ユーザが興味 ある情報を探すために費やす時間や手間をめざましく削減する。また、 Netviewは、ユーザのフィードバックに基づいてメタサーバの性能 (performance)を改善することも可能である。


マルチメディアミクロ大学
A Multimedia Micro-University

Shi-Kuo Chang, Ehab Hassanein, and Chung-Yuan Hsieh (Knowledge Systems Institute)

IEEE MultiMedia, Vol. 5, No. 3, July-September 1998

マルチメディアミクロ大学は、小さな学術団体の教育プログラムや管理経営を 支援するものである。仮想図書館、知的遠隔学習システム、管理経営のための 可視化および計画ツールといったこのマルチメディアミクロ大学の重要な構成 要素について述べ、このミクロ大学の有効性を評価するために設計された評価 計画について議論する。


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IEEE Multimedia (IEEE) Vol.5, No.4


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