AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約


[インデックス] [前の年] [次の年]

Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.59, No.1


多重解像度表現を使ったグレーレベルテキスチャ画像の有効な形態解析法
An Efficient Topological Characterization of Gray-Levels Textures, Using a Multiresolution Representation

Arie Pikaz, Amir Averbuch

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.1, pp.1-17, January, 1997.

テキスチャ画像に対し、 MRCG(MultiResolution Clusters Graphs)と呼ぶ特徴量{Ns(t)}s∈I を定義する。 Ns(t)は、t で閾値処理した画像のなかの s 画素以上の4連結要素の数を示す。 これを求める計算は、整数演算だけを使い時間は画像の画素数にほぼ比例する。 MRCG は多重解像度表現であり、テキスチャ解析に非常に有効である。 このテキスチャ解析法としての特徴を分析し、実証する。

Ao

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


混成曲線の移動制御点に関する限界
Bounds on the Moving Control Points of Hybrid Curves

GUO-ZHAO WANG AND JIAN-MIN ZHENG

GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING Vol. 59 No. 1, January, pp. 19-25, 1997

混成曲線は、多項式Bezier曲線によって有理Bezier曲線を近似するための 良好な方法を提供している。この論文では、混成曲線の移動制御点の 近似誤差の限界を評価する方法を提案する。 与えられた有理Bezier曲線が、混成曲線の移動制御点のための収束条件を 満足する場合、移動制御点と特異点の距離がエラー限界e以下になるように して混成曲線を選ぶことができる。 したがって有理Bezier曲線を近似する多項式Bezier曲線は、移動制御点を 特異点で置き換えることによって得られる。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


Karhunen-Loeve変換を用いたカラー画像の領域情報に基づいた圧縮
Region-Based Coding of Color Images Using Karhunen-Loeve Transform

Dragana Carevic, Terry Caelli

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.1, pp.27-38, January, 1997.

本論文では,現在のカラー画像用適応圧縮方式の多くの拡張が考察されている. 一つ目は,自己相似画像領域を決定するためにクラスタリングまたはセグメンテ ーション が用いられる.二つ目は,そのような各々の領域に対して重要な色彩情報を得る ために K−L圧縮が用いられる.三つめ,結果となる固有の画像をエンコードするため に線形予測 が用いられる.最後に,従来方法との比較がなされ,特に,航空写真に見られる ようなカラーの テクスチャー画像の低ビットレートコーディングに対して改良が見受けられる.

Sa

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


レンズの球面収差の直線にもとづく補正
Line-Based Correction of Radial Lens Distortion

B.Prescott and G.F.McLean

Graphical Model and Image Processing, vol.59, No.1, Jan., pp.39-47, 1997

カメラの歪曲パラメーターを決定する方法を示す.この方法は,直線の歪曲画 像の解析に基いており,シーンと画像間の点対応を求める必要がない.その方 法は,歪曲パラメーターを評価するのに用いられる,線検出方法と最適化過程 からなる.合成画像と自然画像を用いた量的,質的な実験結果から,この方法 は有効であることがわかった.

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


適合順序ディザ Adaptive Ordered Dither

Yuefeng Zhang

Graphical Model and Image Processing Vol.59, No.1 , January, pp.49-53, 1997

順序ディザ(C.N.Judice,J.F.Jarvis, and W.H.Ninke, in Proceedings of the S.I.D. 15, 4(Fourth Quarter), 1974, pp. 161-169) は有効で幅広く使われ ているハーフトーン生成手段である。 この方式にはボケ画像を生成するという不利点がある。 最近では空間充填曲線順序ディザ生成アプローチが提案されており、画像上の 空間充填曲線に沿ったドットパターン群を生成することで順序ディザの画質改 善に寄与している。 この方法ではハーフトーン生成処理中のクラスタサイズは固定されている。 本論文では適合順序ディザと呼ばれる新しい順序ディザ生成手法を示す。 この手法は、クラスタサイズの適合変化を行った空間充填曲線を用いることに よってハーフトーンを生成する。 実験的結果は、この新手法が空間充填曲線順序ディザの画像の細部を表現する のに著しい効果が見られたことを証明するものである。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


2値画像に対し、最大のディスクで構成される最小の集合の探索
Finding the Minimal Set of Maximam Disks for Binary Objects

F.Nilsson, P.Danielsson

Graphical Model and Image Processing; vol.59, No. 1, January, pp55-60, 1997

2次元の2値画像はすべて「ディスク」(平面上のデジタル的円盤:以下ディス クとする)の集合で表わすことができる。このことから、いかなる画像も画素に よってというよりもむしろ、これらのディスクによってあらわされるべきなのか もしれない。この報告書では、最大のディスクで構成される最小の集合(以下 MSD とする)と呼ばれているこの表現方式のもっとも効率的な方法の探索の問題 について取り扱う。提案されたアルゴリズムによれば、ユークリッド距離変換に おける局所的な最大のディスク群から候補のディスクを取り出す。これらのディ スクの画素範囲に対し、関連テーブルが構築される。しかし、このテーブルは、 テーブルサイズを妥当な大きさにさせるところの境界の画素に対してのみ構築さ れる。3段階の基本テーブル縮小のステップは不必要なディスクを除去&排除し ている間に必要なディスクを抽出し加えるために実行される。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.59, No.2


エッジ4分木のノード数を検出するニューラルネットワークの用法
Use of Neural Networks ot Estimate the Number of Nodes of an Edge Quadtree

F.A Schreiber and R.Calvo Wolfler

Graphical Model and Image Processing Vol.59, No.2 , March, pp.61-72, 1997

エッジ4分木のノードの数はその空間的な複雑さを表す測度である。 この数は図形の形状,解像度および精度に依存する。 本研究の目的は、エッジ4分木 のノードの数とこれら3つのパラメータとの 間になんらかの依存関係があることを解き明かすことである。 これまでには経験的アプローチによる解決が図られてきた。それらのアプロー チでは解像度と精度の両方を表すある一意的な値が使われている。 我々は画像の形状を測定するためにフラクタル次元を使う。フラクタル次元と フラクタル測度を計算する方法論は提案されている。 これら3つのパラメータが与えられたとき、求める関数を近似するようなニュー ラルネットワークを用いる。 その計算結果は本アプローチの有効性を示すものである。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


頂点数の最小化と格子点の制約にもとづく画像データからの 空間的に効率的な輪郭線表現
Space-Effcient Outlines from Image Data via Vertex Minimization and Grid Constraints

J.D.Hobby

Graphical Models and Image Processing, vol.59, No.2, pp.73-88, March 1997.

デジタルスキャナーのようなノイズの多い入力画像から形状情報を処理する とき、しばしば役に立つのは、入力に対して所定の許容誤差におさまり、直 覚的な観点である滑らかさ、単純さ、適合度を最大にするような、折れ線や 曲線の輪郭をつくることである。輪郭による記述はまた、二値画像の圧縮方 法としても十分利用できるほど簡潔であるべきである。さもないと、二値画 像形式に逆に変換し輪郭表現の有利さを失ってしまうことになるであろう。 本論文で提案するのは、滑らかさと簡潔さの二つの目的に対して別々に制御 できるような二段階のパイプライン処理である。一つめでは、決められた誤 差の範囲内で折れ曲りの数を最小にする一組の閉曲線に関するスペックを作 成される。二つめでは、与えられた格子点上に頂点を持ち、その頂点の数を ほぼ可能な限り最小にするような、先のスペックに従う折れ線が作成される。 どちらのアルゴリズムも実用に耐えられるほどの速さであり、ほとんどが低 精度の整数演算で実行できる。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


3回の「ずらし」による3次元の回転
Three-Dimensional Rotations by Three Shears

Tommaso Toffoli, Jason Quick

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.2, pp.89-95, March, 1997.

3次元の回転が3回の「ずらし」によって実現できることを示す。 最初と最後のずらしは指定された軸に沿い、 中間のものは最初の軸と直行する別の軸に沿うもので、 この変換は可逆である。 得られる回転アルゴリズムは高解像度のデジタル画像処理に向き、 またダイナミック RAM や磁気ディスクのような通常の記憶媒体の アクセス制約にもうまく適応している。 2次元画像においては、3回のずらしによる回転は良く知られており、 3次元では9回のずらしへの分解が報告されている。 これに対し我々の3回への分解は大きな進歩であり、 最終的なもの(つまり2回では不可能)である。 さらに提案する3回のずらしへの分解が、 任意次元の単位行列式の線形変換へも一般化できることを示す。 Ao

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


離散ダイバージェンス定理を用いた3次元幾何学的モーメントの高速計算方法 と高次元への一般化
Fast Computation of Three-Dimensional Geometric Moments Using a Discrete Divergence Theorem and a Generalization to Higher Dimensions

LUREN YANG, FRITZ ALBREGTSEN,AND TORFINN TAXT

GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING Vol. 59, No. 2, March, pp. 97-108, 1997

3次元デカルト幾何学におけるモーメント(略して3-Dモーメント)は、 3次元物体認識および形状記述にとって重要な特徴である。3次元画像中の 物体のモーメントを計算するには、単純な方法では多くの計算量を必要と するため、高速化のアルゴリズムがいくつか提案されている。ところが、 計算量の問題に関しては、多くの従来方法では、物体は、N x N x N 画素で 表現されると仮定しており、Nの3乗のオーダーを必要としているため、 解決されていない。 この論文では、領域を囲む離散表面を加算することでn次元離散領域における 関数計算に使うことができる離散ダイバージェンス定理を提案し、その結果 として、3次元離散物体のための離散ガウス定理と2次元物体のための離散 グリーン定理を提案している。 高速表面追跡アルゴリズムと離散ガウス定理を用いて、3次元離散画像を観察 したように、2つの3次元物体の幾何学的モーメントを計算する新しい方法を 試みる。この方法では、計算量がNの2乗のオーダーとなり、大幅に削減する ことができる。計算量の削減は2つの3次元物体により、実験的に証明される。 また、高次元の画像を扱う方法にも一般化させ、3次元モーメント不変量や 形状特徴についても論じられている。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


形態学論における一組の有効な可変縦続フィルタ
An Efficient Class of Alternating Sequential Filters in Morphology

Soo-Chang Pei, Chin-Lun Lai

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.2, pp.109-116, March, 1997.

本報告では,数学的形態学論における一組の有効な可変縦続フィルタ(ASFs) が示されている.従来のASFsと比較して計算量は半分に減少する. 新フィルタの性能限界曲線が与えられる.この新ASFsをテクスチャー分類と 画像(多値および二値)フィルタリングに応用した実験の結果,計算量が 大きく減少したにも関わらず匹敵する性能が得られた.

Sa

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.59, No.3


高速ガボール変換の性能分析
A Performance Analysis of Fast Gabor Transform Methods

Troy T. Chinen, Todd R. Reed

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.3, pp.117-127, May, 1997.

有限離散ガボール変換の計算には様々な実現方法がある。 ここでは、3つの手法(行列逆変換、ザク変換、弛緩ネットワーク法)について、 実行速度、精度および安定性の観点から評価した。 弛緩ネットワーク法はこの中で最も低速である。 この方法の長所は、基底関数についての明示的な仮定を必要としないことにあるが、 実際には収束性が基底の選び方に依存することがわかった。 行列法は可分なガボール基底(つまり、1次元関数の直積から生成されるもの) を必要とするが、弛緩法より数桁高速である。 また、これは安定で非常に高精度であることも証明される。 ザク—ガボールアルゴリズムは全ての基底関数が同じエンベロープを持つ必要があり 、 変調関数の選択にも自由度はない。 しかし、その実行は非常に安定、高精度で、3つの手法の中でも特に高速である。

Ao

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


ビデオ符合化のためのスケーラブルで適用性のある時分割アルゴリズム
A Scalable and Adaptive Temporal Segmentation Algorithm for Video Coding

S. H. Kwok, W. C. Siu, and A. G. Constantinides

Graphical Models and Image Processing Vol.59, No.3, May, pp.128-138, 1997

低ビットレート転送を行うため、多くのビデオ符号化の論文では、静止物体と 背景の抽出や移動物体のみの符号化を提案しているが、これらの技術は、出力 がかなり歪むものであり、限られた分野に対して適用されているものが多い。 この論文において、ビデオ符号化のための新しいスケーラブルで適用性のある 時分割アルゴリズムを提案する。 本アルゴリズムは、圧縮、品質、その他の特定の特徴に関してスケーラブルで あり、出力の多機能制御は、コスト関数として定式化され、チャネル容量や復 元品質といった要求される基準を満たすのに十分な柔軟性を持っている。 本アルゴリズムでは、計算量の多い不連続検出を用いる代わりに、単純だが 有効な量子化過程を用いている。 このアプローチは、適用性のある時間のdecimationと分割されたビデオ符号化 の組み合わせとみなすこともできる。 総合的なビットレートはユーザーの仕様によって規定されるが、実験結果では、 ビデオ符号化の総合的なビットレートは、我々の方法を用いることで簡単に制 御できることを示している。 出力品質は主観評価と客観評価の両方とも良好であり、また、我々の提案する アルゴリズムが適用性のある時間 decimation アルゴリズムよりすぐれている 一方、time windowの大きさ(N)が復元の品質に関して重要な影響を持つ、とい うことも判明した。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


不均一な照明や大きな信号依存性ノイズを持ったCCD画像中の局所微小 変化の検出
Detection of Small Local Intensity Changes in CCD Images with Nonuniform Illumination and Large Signal Dependent Noise

Yasmina Chitti

Graphical Model and Image Processing Vol.59, No.3 , May, pp.139-148, 1997

我々は、不均一な照明下で、かつ信号依存性ノイズによって損なわれた2つの CCD画像の局所微小な強度変化を検知する2つの効率的な方法を示す。

最初の画像の強度変化を検出するために、画素同士間の相対的な偏差が計算さ れた。 不均一な照明のため、この方法は計算された画像中のノイズを増加させた。

しかしながら、このノイズが信号に依存していると言う性質を用いることによ り除去可能である。 我々は2つのフィルタリングアルゴリズムを提案する。 最初の方法は適応型閾値化に基づく低レベルの新しい方法である。 第2の方法はウェイブレットを利用するもので、光強度が大きく変化する部分 の多重スケールを見せてくれる。 両方ともノイズ画素の局所性質に基づくものである。

培養中で単一の神経細胞を刺激している間の脱極した膜のパッチの空間分 布を検出すると言う神経生物学の分野にうまく応用された。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


強化されたカラー画像量子化のためのテクスチャ解析
Texture Analysis for Enhanced Color Image Quantization

Jefferey A. Shufelt School of Computer Science, Carnegie Mellon Uniuersity. Pittsburgh, Pennsylvania 15213-3891

GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING VOl. 59, NO. 3, May, pp. 149-163, 1997 ARTICLE NO. IP970428

カラー画像量子化技術に関する伝統的な問題は、濃度と色彩の変化が、滑らかな 場合は、うまく量子化出来ないこと、つまり、量子化ノイズで、バンド構造がで きることである。この問題を扱うために、本報告では、発展性のあるカラー画像 量子化アルゴリズム、すなわちメディアンカット量子化の動作を議論することに より、新しい技術について述べている。k-d tree の新しい変形を使ったメディ アンカットアルゴリズムとの結合によるコンピュータビジョンから単純なテクス チャ解析手法を適応させることによって、ディザ手法に頼ったり、S/Nを減少 させることなく、かつ、疑似輪郭の影響を回避して適用できることが可能なこと を示す。このアプローチの利点は、リモートセンスした航空写真画像や合成され て生成された光景を使うことによって評価される。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


3次元の良く構成された画像
3D Well-Composed Pictures

Longin Jan Latecki

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.3, May,pp.164-172, 1997.

各点が属する物体を指し示すユニークなラベルが各点に割り当てられているディ ジタル画像を「分割」画像と呼ぶ.その特性を解析したい物体を分割画像の前 景(物体)と呼び,ディジタル画像のその他すべての物体を背景と呼ぶ.一つ の近傍関係(たとえば6近傍)が3次元分割画像の前景に使用され,異なる関係 (たとえば26近傍)が背景に使用されるならば,前景と背景の交替によってディ ジタル画像の接続要素を変えることができる.したがって,前景と背景の選択 は物体のグルーピングのような後の解析の結果に大きな影響を及ぼす.前景と 背景を構成するものが解析の最初ではっきりしていない場合は特にである.し たがって,この選択が直ちにディジタル画像の接続要素を決定する.「良く構 成された画像」と呼ぶ分割ディジタル3次元画像の一つの特別なクラスが定義 される.良く構成された画像は非常に良い局所的幾何学的特性を持っている. それは特に,6,14,18,26接続要素は等しいので,すべての接続要素の境界 がJordan平面であることや,良く構成された画像にただ一つの種類の接続要素 しかないことである.これは,良く構成されたディジタル画像にとって前景と 背景の選択が後の解析の結果に大きな影響を及ぼさないということを意味する. さらに,良く構成されたディジタル画像に対する連続的なアナログ画像の非常 に自然な定義をすれば,一定の平面特性が得られる.これによって,3次元 Jordan-Brouwer分離定理のディジタル版の簡単な証明ができる.

Sa

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


円のパラメーターの近似最尤線形推定法
An Approximate Maximum Likelihood Linear Estimator of Circle Parameters

Y.T.Chan, and S.M.Thomas

Graphical Models and Image Processing, vol.59, No.3, pp.173-178, May 1997.

与えられたノイズの多い座標測定値の組から円の中心と半径を推定する 問題は、広く応用できる。たとえ推定プロセスが本質的に非線形であっ ても、その単純さが魅力の線形の推定法を得ることは可能である。本論 文では、円のパラメーターの近似最尤推定法について述べる。それは線 形のものである。シミュレーション結果により、小さな弧と多いノイズ というしばしば実際に生じるような条件下で、新しい推定法は従来の S.M.Thomas と Y.T.Chan の線形推定法 (Comput. Vision Graph.Image Process. 45 (1989), 362-370) を凌駕した。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


側波帯符合化とJPEG離散コサイン変換符合化の二つの 連続した処理を用いた新しい画像圧縮手法
A New Two Successive Process Image Compression Technique Using Subband Coding and JPEG Discrete Cosine Transform Coding

C.P.Liu

Graphical Models and Image Processing, vol.59, No.3, pp.179-191, May 1997.

本論文では、二次元の単側波帯分解/合成システムとJPEG離散コサイン 変換という損失のある変換符合化にもとづく、新しい画像圧縮手法を提案す る。二次元の分離可能な単側波帯分解/合成システムが最初に空間領域で画 像サイズを削減するために用いられる。そのシステムは、二次元の分離可能 な分解/合成の重なりをもたせた重み付き和で表され、空間領域で隣り合っ たウィンドウ間に重なりがある。次に、JPEG離散コサイン変換が画像サ イズを削減するために周波数領域で用いられる。これらの連続した処理を結 び付けることで、強力な画像圧縮器がつくられる。この手法による画像全体 の圧縮率は、画像の品質の大幅な低下をもたらすことなく、原画像に対して 97%にまで達することが可能となった。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.59, No.4


ウエーブレット係数のD型格子量子化による画像符号化
Image Coding through D Lattice Quantization of Wavelet Coefficients

Mikhail Shnaider, Andrew P. Paplinski

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.4, pp.193-204, July, 1997.

ウエーブレット変換とベクトル量子化の組合せは、 画像圧縮のための強力な手法であることが知られている。 本論文では、双直交ウエーブレット変換と格子ベクトル量子化に基づく 画像圧縮法について述べる。 特にD型格子に注目し、これがウエーブレット係数の符号化に適していることを示す 。 実験の章では自然画像とともに指紋画像を使って提案する画像符号法をテストする。 提案する手法は、FBIの標準画像圧縮法と比較して、 信号雑音比と圧縮率の関係をほぼ同じに保ったまま、 より高速な符号化を実現することを示す。

Ao

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


隠れファジーマルコフランダム領域におけるパラメータ評価と画像分割
Parameter Estimation in Hidden Fuzzy Markov Random Fields and Image Segmentation

Fabien Salzenstein and Wojciech Pieczynski

Graphical Models and Image Processing Vol.59, No.4, July, pp.205-220, 1997

この論文では、隠れファジーマルコフ領域のモデルを用いた新しいファジーベ イズ画像分割方法を提案する。 このモデルの独自性は、同一画像中にコントラストの強い画素とぼやけた画素 の共存を許したクラス領域レベルにおいて、ディラックとルベーグの方法を同 時に用いるところにある。 我々は、反復的条件評価(ICE)と呼ばれる隠れたデータの場合に対する一般的 な評価方法を用いることによって、パラメータ評価の主要な問題を解決するこ とを提案し、隠れマルコフ領域に基づく古典的な分割法に適用することに成功 した。 まず初めに、ノイズのないぼやけた画像のマルコフ分布を決定するパラメータ を評価し、次に、ノイズのあるぼやけた画像に対するパラメータをすべて評価 するために、このアルゴリズムとICE法を組み合わせる。最後にパラメータ評 価手順と2つの分割方法を組み合わせ、結果として2つの卓絶した統計的なファ ジー分割方法を産み出した。 提案した方法の有効性は、合成画像によって定量的に確かめられ、雲の実画像 のファジー分割について検証した。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


多次元線形サンプルを用いた2次元のデスクリートでランダムなブール集合と 関数モデルに対する最大尤度予測
Maximum-Likelihood Estimation for the Two-Dimensional Discrete Boolean Random Set and Function Models Using Multidimesional Linear Samples

John C. Handley

Graphical Model and Image Processing Vol.59, No.4, July, pp.221-231, 1997

独立な点の結果から構成されているランダムな形状が置かれているランダム集 合がブールモデルとして定義されている。 これのデスクリートな場合がベルヌーイモデルである。 広範囲に配置された点でのgerm-grainモデルをサンプリングすることによって、 2次元のデスクリートなブールモデルの尤度予測はなされている。 その手順を踏んだ知見は、連結的に分布した縦横ランレングスから成る。 縦横それぞれの知見のおおよその尤度は計算されている。 広範囲に存在する点での知見が得られることから、それらは独立だとみなされ ている。さらにその知見はすべてのサンプル系のための尤度関数を構成するた めに蓄積される。 2次元系の尤度予測は、パラメータ空間上の重要な尤度を最大化することによっ てなされている。 ランダム矩形ブールモデル上のシュミレーションから、それぞれ独立に選択さ れた点から得られる縦横線形サンプルを用いた手法の不一致が著しく減少して いることが示される。 また最大尤度予測は、モデルを真のテクスチャに一致させることにも用いる ことができる。 この手法はブールランダム関数のクラスのパラメータ評価へと一般化される。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


幾何学的プリミティブの構成的適合と抽出
Constructive Fitting and Extraction of Geometric Primitives

Peter Veelaert Department of Electronics and Information Systems, University of Ghent, Sint-Pietersnieuwstraat 41, B-9000 Ghent, Belgium

GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING Vol. 59, No. 4, July, pp. 233-251, 1997 ARTICLE NO. IP970433

幾何学的なプリミティブの適合と抽出に関する構成的な方法を提案する。この方 法は、幾何学的立体の合併するプロセスを形成し、コンピュータビジョンの中で よく使われる。構成的な適合は、まず小さくて、均一なデータの適合からスター トするが、これをエレメント適合と呼び、これを、さらに大きな均一な適合を構 成するために使っていく。適合コストの計算、基本的適合が選ばれなければなら ない方法、それらが大きな適合を構成するために結合されなければならない方法 を含む正式な結果を提示する。基本的適合を結合するために利用する規則、これ は、建築において、しっかりした棒や繼手によってしっかりした構造物を建設す る工学的手法とよく似ている。事実、大局的な適合品質を「厳密度合い」によっ て特徴つけることができる。このようなボトムアップ手法であるため、フレキシ ブルなシステムが必要な場合には構成的な適合法は特に適している。構成適適合 法の主要な点を示すために次のようなアプリケーションについて議論する;最小 メディアンスクエアーフィッティング、最小数の基本点適合による線形回帰、画 像の局所適平面を計算するための平面予測手法の設計、孤を線分に分割近似する ための予測手法、円弧セグメントの合併の予測。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


効率的なレイトレーシングのための指向性距離変換と高さ領域の前処理
Directional Distance Transforms and Height Field Preprocessing for Efficient Ray Tracing

David W. Paglieroni

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.4, July,pp.253-264, 1997.

高さ領域平面上の虚無空間が,その垂直軸が一定の間隔に配置された虚無空間 の逆さ円錐の頂点の高さと開口角度の点から,最初にパラメータ化されるなら ば,高さ領域レイトレーシングの効率の改善が可能であることが知られている. 一旦,そのようなパラメータ化が実行されると,レイは連続した高さ領域の格 子よりは虚無空間の逆さ円錐とステップ状に交差することができる.円錐の開 口角度が増加するにつれて逆さ円錐と交差するレイに沿ったステップが長くな るので,レイトレーシングの効率は改善される傾向にある.逆さ円錐の底面は 連続したオーバーラップしない扇形に分割され得る.逆さ円錐が虚無空間以外 の何も含むことがないとするならば,そのようなすべての扇形の最大可能開口 角度は逆さ円錐の開口角度を大きく越える.レイトレーシングの効率は,虚無 空間の逆さ円錐を狭い扇形をした円錐に置き換えることにより,著しく向上す ることが示される.また,逆さ円錐のパラメータは高さ領域の連続した底面の 距離変換(DT)から導き出すことができることも知られている.各々の底面を二 次元二値配列として表現することができ,そのDTにより各要素から値1の最近 傍要素への距離が得られる.DTは扇形の中にある与えられた要素(その要素か ら扇形は発する)に最も近い値1の要素を必要とすることによって方向づけする ことができる.特定の扇形の中にある逆さ円錐のパラメータはそのような指向 性のあるDTによって導かれる.指向性のあるDTを生成するための効率的な新ア ルゴリズムが示される.

Sa

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.59, No.5


組合せと画像処理
Combinatorics and Image Processing

A.Bretto, J. Azema, H. Cherifi, and B. Laget

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.5, September, pp.265-277, 1997.

本論文ではハイパーグラフ理論に基づく画像の組合せモデルを紹介する。 ハイパーグラフ理論は領域分割のような画像処理アプリケーションの開発に 有効な枠組である。 ハイパーグラフがヘリー特性を満たすという仮定のもとで、 画素群の検査により画像を分割する領域分割アルゴリズムを開発した。 この処理は同次性条件により制御される。 また我々は任意の画像に対応づけたハイパーグラフが ヘリー条件を満たすことを保証する、 収束性のある前処理アルゴリズムを提案する。 この組合せモデル、および領域分割アルゴリズムの性能を解析した。

Ao

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


サブピクセル補間、計算、曲線展開のための幾何学的衝撃捕獲ENOスキーム
Geometric Shock-Capturing ENO Schemes for Subpixel Interpolation, Computation and Curve Evolution

Kaleem Siddiqi, Benjamin B. Kimia and Chi-Wang Shu

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.5, September, pp.278-301, 1997

曲線とその特異点の位置を定め、方向と湾曲のような幾何学量を正確に測定す るサブピクセル法は、コンピュータビジョンやコンピュータグラフィックスで は非常に重要である。この方法では、補間された曲線を得るために、局所的な 面合わせや曲線の局所的隣接部に構造モデルを用いることが多い。曲線のなめ らかな領域に対しては良好であるが、特異点近傍では性能の劣化が顕著に見ら れる。 同様に、幾何学量の計算に、離散的なデータ中でのノイズの出現を正当なもの として扱ってしまうことも多く、不連続点がぼやけさせられ、その結果不連続 点やその近傍では劣化が起こる。 この論文では、曲線の位置を定め、(1)不連続点でぼやけることなく(2)明白で 正確な配置という幾何学的評価を得ることによって、これらの限界を克服する 幾何学的補間技術を提案する。 本質的なアイデアは、特異点の情報の伝播を避けることである。情報がその面 の側から、よりなめらかな側からのみ伝播するという片側のスムージング技術 によっている。両側ともなめらかでないときには、2つの現存する不連続性は、 一つの不連続点か衝撃を配置することによって除去される。衝撃の配置は幾何 学的な連続性の束縛条件によって導かれ、結果として、正確な幾何学的評価を 持ったサブピクセル補間が行われる。 この技術は、曲線展開のアプリケーションによって、もともと動機付けられて いるので、なめらかな曲線展開だけでなく、方向不連続な曲線を捕獲すること で、その有効性が論証できる。特に、非常に小さい近傍に複数のあるいは全体 的な曲線が存在しているとき、本技術は、従来方法よりもはるかに良い結果を 示している。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


ディスクリートな解析的超平面
Discrete Analytical Hyperplaines

Eric Andress, Raj Acharya, and Claudio Sibata

Graphical Model and Image Processing Vol.59, No.5 , Sep, pp.302-309, 1997

本論文ではディスクリートな解析的超平面の性質について述べる。 解析的超平面の性質は、不連続領域においてディオファンタス方程式によって 解析的に定義されている。 我々は、ディスクリートな平面は古典的なデジタル平面から構成されているこ とを示し、正確な点の位置の特定や空間タイリングのような、オリジナルな性 質を述べる。 その結果、超平面の算術的濃度とそのトポロジーとの関連性が明らかになった。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


手ぶれ画像からぶれパラメータの特定
Identification of Blur Parameters from Motion Blurred Images

Y.Yitzhaky and N.S.Kopeika

Graphical Models and Image Processing, vol.59, No.5, pp.310-320, September 1997.

「カメラ」と「対象となる光景(scene)」の間の相対的な動きにより、ぶれ(手 ぶれ)が生じた画像の補正の問題は多くのアプリケーションにおいて重要である。 ここで提案されている解決法は、ぶれ画像そのもののみにより与えられた、ぶれ の点広がり関数(point spread function: 以下 PSF)を特徴づける重要なパラメー タを特定することである。この特定方法は、動きに沿った画像の特徴は、他の方 向の特徴とは異なるという概念に基づいている。PSF 形式によると、動き方向の ぶれ画像の同次性となめらかさは、ほかの方向より大きい。さらに、この方向に は、もとの、ぶれていない対象のぶれを形成する画素の間に相関が存在する。ぶ れた画像にフィルタをかけることにより、画像の特徴を犠牲にしてPSF 特徴を強 調する。ここで提案された方法は、ぶれの PSF の方向と広がりを特定し、露出 の間の動きの種類に依存するぶれの形を評価することである。PSF パラメータを 正しく特定することにより、高速で高解像度なぶれ画像の補正が実現される。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


画像解析における固有値空間の更新アルゴリズム
An Eignenspace Update Algorithm for Image Analysis

S.Chandrasekaran, B.S.Manjunath, Y.F.Wang, J.Winkeler, H. Zhang

Graphical Models and Image Processing Vol.59, No.5, pp.321-332, September, 1997

過去数年にわたり、画像の固有値表現方法が注目を集めている。これは、 画像を互いに独立な特徴量空間に変換し、これを基底として、各画像を表 現する方法であり、このためには、多数の画像集合を特異値分解する必要 がある。別の同値な表現を使えば、Karhunen-Loeve(KL)変換と言う ことになる。ところが、環境がどんどん変化するような状況では、過去か ら現在に至るすべての画像を保存して、全体を特異値分解することは、あ まりに計算量が大きすぎる。ここでは、過去において、知られてはいたが 、うまく利用されていなかった固有値空間の随時更新方法を提案する。こ のための基準となる手順は、新しく画像が得られる度に、その画像が従来 の基底でどの程度うまく表現できるか否かを評価し、もし、従来の特徴空 間と離れていると判断されれば、従来の基底と新しい画像とから、新たな 基底を定義すると言うものである。この方法は、従来の固有値空間と同様 に、ノイズに対してロバストであり、なによりも計算コストが格段に小さ くて済む。これを移動するロボットが移動する度に獲得する新たな画像の 認識問題に適用して、有効性を示す。

Ej

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


多重解像度表面再構成のための階層モデル
A Hierachical Model for Multiresolution Surface Reconstruction

A.Voigtmann, L.Bechker, and K.Hinrichis

Graphical Models and Image Processing, vol.59, No.5, pp.333-348, September 1997.

トポグラフィー面の近似法は、様々な研究分野、たとえばコンピューター ビジョンや地形情報システム(geographical information systems:GIS) において求められている。条件付きドゥローネー(Delaunay)ピラミッド は、前もって与えられたいろいろな解像度において、二次元半の表面を近 似する階層モデルである。基本的に、トポグラフィーデータは三次元の点 の集合で与えられるが、表示範囲を制限するために必要となる、渓谷や尾 根や海岸線のような線状の表面特徴を記述する互いに交わらない線の集合 が付加される。近似は、各々の解像度において条件付きドゥローネー三角 形分割図を計算することによって得られる。そのモデルによって、粗い解 像度から条件が一般化される。その構造のため、条件付きドゥローネーピ ラミッドは、GIS のデータベースシステムにある大量のデータの一覧表示 や拡大縮小を効率的にサポートする。大量のデータに対して、分割統治法 を用いることで、二次記憶上の条件付きドゥローネーピラミッドの計算が 可能となる。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


多段階解像ウェーブレット解析によるマモグラムのデジタルセグメンテー ションと微細石灰沈着部位検出について
On Digital Mammogram Segmentation and Microcalcification Detection Us ing Multiresolution Wavelet Analysis

C.H.Chen, G.G.Lee

Graphical Models and Image Processing Vol.59, No.5, pp.349-364, September, 1997

この論文においては、高精度で微細な石灰沈着部位を検出する技術である 多段階ウェーブレット解析(MWA)と非定常ガウシアンマルコフランダ ム場(Gaussian Markov random field=GMRF)を紹介する。GRMFか ら抽出された画像に対する階層的多段階ウェーブレット解析の情報と画像 相互の関係からの情報を関連づけることによって、微細な石灰沈着部位の 検出に十分な手法が得られた。期待値最大化法(Expectation Maximiza tion=EM)によるベイズ学習のパラダイムがエッジ検出とマモグラムに記録 された立体領域(mass region)のセグメンテーションに利用出来るこ とが示された。この手法の特長は対象画像中の豊富な構造的情報の利用に ある。この手法は多数のマモグラム画像に適応され、その結果、検出率( 真の部位の正解検出率)94%、特定率(対象外部位の正解検出率)88 %の有効性が検証された。セグメンテーションアルゴリズムについても大 変良い結果が得られた。更に、検出された微細石灰沈着部位とセグメンテ ーションされた立体領域は、この手法にとって興味ある場合について重ね 合わせて表示された。

Ej

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


曲面上の画像のための内在的スケールスペース: 測地曲率流
Intrinsic Scale Space for Images on Surfaces: The Geodesic Curvature Flows

Ron Kimmel

Graphical Model and Image Processing Vol.59, No.5 , Sep, pp.365-372, 1997

曲面上に描かれた画像のためのスケールスペースは紹介されている。 与えられた曲面上に描かれた画像における同じグレイレベル輪郭の測地曲率流 に基づいてその画像は展開されて、自然な幾何学的曲率流を形成する。 その幾何学的な性質は、提案されたフローの本質的な特質と同様によく議論さ れている。すなわち、フローは曲面の屈曲に対して不変である。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.59, No.6


ユークリッド距離変換による多次元データの位置合わせ
Multidimensional Alignment Using the Euclidean Distance Transform

Dorota Kozinska

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.6, November, pp.373-387, 1997.

ユークリッド距離変換と Marquardt-Levenberg 最適化アルゴリズムに 基づいた多次元データ位置合わせの方法論を提案する。 これはピクセルまたはボクセルを対象に合った最適な配置となるよう 位置変換パラメータを推定するものである。 この方法により開発したアルゴリズムの計算コストを見積もる。 3次元データの剛体変換位置合わせアルゴリズムを開発することによって 本方法論を評価した。 合成データと現実の対象物を使った実験により 本手法の正確性、信頼性、および頑健性を示す。

Ao

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


ビデオ符号化における高速動き推定のための適応的で早期に抜け出る技術
Adaptive Early Jump-Out Technique for Fast Motion Estimation in Video Coding

Ho-Chao Huang and Yi-Ping Hung

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.6, November, pp.388-394, 1997

ブロックベースの動き推定を高速化するための適応的で早期に抜け出る技術を 提案する。この技術を使うことによって、数回のフルレンジ探索が重大な画質 の損失なく高速化することができる。提案した技術は、さらに高速化されるた めに、現存するほとんどすべての高速動き推定アルゴリズムに埋め込むことが できる。 したがって、MPEG符号化のような標準的なビデオ符号化に適用でき、その符号 化の速度を向上させることが可能である。H.261、H.263およびMPEG-I符号化で テストを行い、符号化速度が飛躍的に向上した。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


再配置可能なメッシュにおける可視性の計算
Visibility Computation on Reconfigurabel Meshes

Kikuo Fujimura

Graphical Model and Image Processing Vol.59, No.6 , Nov, pp.395-406, 1997

可視性の課題は再配置可能なメッシュを用いて研究されており、2次元または3 次元における可視性の計算に関するアーキテクチャーについては、多くのアル ゴリズムが提案されている。 我々は、平面上のn個の互いに素なエッジ全体の可視性が、nxnメッシュに おいてO(1)のオーダーで計算できることを示す。 その結果はVLSIワードモデルにおいて最適である。 各エッジが互いに素でない場合には、この問題はほんの少し大きなサイズのメッ シュを用いるとにより O(1)回の計算にて、あるいは、nxnメッシュにおける よりは少し多めの計算にて求められることを示す。 我々はまた、k(0 <= k < n)を出力に依存したパラメータとしたとき、それぞ れ、O(1)とO(k)回におけるn個の頂点の合計を含む3つの空間の中で、互いに 素な3点の集合のためのnxnxnメッシュの上で、隠れたラインと曲面の除去 アルゴリズムは成立することを示す。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


画像進化フローによるコントラストの向上
Contrast Enhancement via Image Evolution Flows

Guillermo Sapiro and Vicent caselles

Graphical Models and Image Processing, vol.59, No.6, pp.407-416, November 1997.

本論文では、画像 evolution フローと変動する定式化によるコントラスト向上 のための evolution 構成が紹介されている。まず、画像 evolution 方程式によ るヒストグラム補正のためのアルゴリズムが提案されている。画像ヒストグラム が、解がどんな分布関数にでも、この微分方程式の定常解として変形され得るこ とを示す。それから、提案された evolution 方程式が、エネルギー最小化問題 を解くことを証明した。このことから、一般的なヒストグラム補正とコントラス ト向上に対し、新しい解釈が与えられる。この解釈は、従来技術である「確率の 領域」において形成されたヒストグラム補正に対比し、「画像の領域」において 完全に形成されている。このことから、例えば、画像と確率モデルを含めた、コ ントラスト向上のための新しいアルゴリズムが導出されうる。エネルギーの定式 化とそれに対応する微分形式に基づいて、提案するヒストグラム補正アルゴリズ ムは、画像規則化構成に結び付けられうる。このことから、コントラスト向上の シミュレーションとノイズ除去(古典的な構成において影響を鋭くする共通する ノイズをさける)のためのシミュレーションが可能となる。また、本論文では、 提案した方程式の解の存在を証明する理論的な結論が示されている。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


自由曲線および曲面の幾何学的形状認識
Geometric Shape Recognition of Freeform Curves and Surfaces

Gershon Elber and Myung-Soo Kim

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.6, Nov.,pp.417-433, 1997.

(区分)多項式や有理式による曲線や曲面の作成方法を認識することは,例えば二 つの異なるモデル化システム間の幾何学的データ交換にとって,非常に重要であ る.可能な時はいつでも,独立なパラメータ化である”固有”条件を定式化す る.これらの条件は以下のことを検出することが可能である.(i)曲線部が直線 か,円か,平面内の曲線かどうか;(ii)曲面部が,平面か,球面か,円柱か,円 錐かどうか;(iii)曲面が回転/押し出しの曲面か,規則的で展開しうる曲面 か,または一般化された円柱として構成されているかどうか.

Sa

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


2次元ガウシアンテクスチャ画像のノンパラメトリック推定
Nonparametric Estimation and Simulation of Two-Dimensional Gaussian Image Textures

Thomas C. M. Lee

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.6, November, pp.434-445, 1997.

本研究は、定常ガウス確率場(SGRF)で良く近似することができる 現実世界のさまざまなテクスチャ画像をシミュレートすることを動機としている。 特に計測した SGRF に対して、それに外見でも統計的な性質でも似た SGRF を シミュレートしたいという要求がある。 本論文の主な意義は、自動かつノンパラメトリックなスペクトル推定法を 開発することにある。この推定法を使うことで、推定されたスペクトルから 望ましい特性を持つSGRFをシミュレートすることができる。 この方法は次の二つの特徴を持つ。 (i) 通常のノンパラメトリックスペクトル推定で用いられるものとは 異なる危険関数を使う。 (ii) 不偏危険推定の技術により平滑化パラメータを決定する。 シミュレーションおよび現実の画像を使った実験により本手法の 性能の高さを示す。また現実の画像を使い、検定問題に対処するために、 提案する手法とモンテカルロ検定法を組み合わせる方法を説明する。 最後に Brodatz テクスチャ画像を使い本手法の適用条件を検討する。

Ao

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


3次元位相描写を用いたベクトル領域分解と合成
Vector Field Analysis and Synthesis Using Three-Dimensional Phase Portraits

Paul A. Philippou and Robin N. Strickland

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.6, November, pp.446-462, 1997

力学系理論のツールが、3-Dベクトル領域を臨界点と位相描写からなる単純な 構成ブロックに分解するために使われている。3次元のためのロバストな臨界 点検出法が開発された。それぞれの臨界点のまわりのベクトル領域からのサン プル点が、関係付けられた線形位相描写を推定するのに用いられ、3×3の行列 で記述される。 その推定行列は、固有値による7つの正規形の一つに分類され、その領域の任 意の微分可能なマッピングと整合している。オリジナルのベクトル領域のふる まいは2つの方法を用いて推定される。1つは、全体のふるまいが、位相描写 の重み付けられた重ね合わせを用いて再構築される。より複雑なフィールドパ ターンに対しては、位相描写表現を前もって規則的に分割することが必要にな る。そしてそれぞれの個別の区画は、分割された位相描写に分解される。 これらの方法は、ベクトル領域から関連する特徴と情報をより高レベルの記述 子として抽出する手段を提供し、これらの記述子からフィールドを定性的に復 元する手段を提供する。この方法は、流体の流れるデータに対して例示される。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


平坦な領域の中央軸の変換に関する新しいアルゴリズム
New Algorithm for Medial Axis Transform of Plane Domain

Hyeong in Choi, Sung Woo Choi, and Hwan Pyo Moon and Nam-Sook Wee

Graphical Models and Image Processing, vol.59, No.6, pp.463-483, November 1997.

平坦な領域の中央軸の変換に関する新しい近似アルゴリズムを提案する。本研究 の根本的な原理は、領域分割補助定理(Domain Decomosition Lemma)に基づく局 所化の思想である。領域分割補助定理(Domain Decomosition Lemma)により、複 雑な領域を、より小さなそしてより単純な領域に分割することができる。我々は、 木データ構造と、この上でのさまざまな演算を開発し、領域分割の手続きによっ て生成された情報の手順の跡をたどることができるようにした。この方式により、 分岐点や終点などのさまざまな重要な点を抽出することができる。データ構造は、 そのような重要な点の存在を保証しているので(実のところ、データ構造はこれ を考慮に入れて考案されたのだが)、これらの点に注目することができる。従来 の手法が「境界からの」アプローチを用いたのに対し、本手法は、「内部からの」 アプローチである。本手法の「内部からの」性質と局所化手法により、さまざま な不安定な現象を緩和するのに役立つ。それゆえに、本手法は理論的に強健なも のになる。

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


平面内曲線の直線と楕円弧への分割
Segmentation of Planar Curves into Straight-Line Segments and Elliptical Arcs

Wenhua Wan and Jose A. Ventura

Graphical Models and Image Processing, Vol.59, No.6, Nov.,pp.484-494, 1997.

本論文は平面内曲線,主に機械部品の投影境界輪郭,を直線と楕円弧に分割する ための処理を述べている.分岐点は二つのタイプ:角と滑らかな接合に分けられ る.まず曲線に沿った接線の方向に適応的に平滑化を行い,次に平滑化された接 線の方向の微分をとり,最後に微分の高いピークを位置決めすることにより,角 は検出される.滑らかな接合は,まずダイナミックフォーカシングフィッティン グ技術によっておおざっぱに位置決めされ,次に修正アルゴリズムで修正され る.ダイナミックフォーカシングフィッティング技術は,曲線線分(それは,1 ペアの隣接した角によって束縛されている)の一端を固定し,直線か楕円弧のど ちらかに適合する構成要素にフォーカスするまで,もう一方の端からそれを走査 する.この構成要素は特定され,同じように残りの曲線に対して,その処理が繰 り返される.修正段階では,曲線線分に対する適合性尺度が最適化されるまで, 滑らかな各接合は逐一左や右に修正される.三つの実物体画像の境界曲線に対し てこの処理が試される.

Sa

Copyright(c) 1997 Academic Press, Inc.


[インデックス] [前の年] [次の年]