AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約 |
![]() |
![]() |
![]() |
Mark de Berg and Katrin T.G. Dobrindt
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.1, January, pp.1-12, 1998.
一つのシーンを複数の詳細度で見ることが重要となる場面は多い。 最も良い例は、フライトシミュレーションである。 低空飛行時には詳細が必要になる一方、高度が上がれば細部は必要ない。 より正確に言えば、近距離にある対象物は詳細に、 遠距離ある対象は荒く可視化することが求められる。 そこで我々は、与えられた視点に対して、 対象の各部分について適切な詳細度を選択することができ、 かつ各部が連続する多面体地形図(または三角形不規則ネットワーク)の 階層的な構成を提案する。この構成の最も有利な点は、 各詳細レベルでドローネ三角化を使用するため 極端な鋭角を避けられることである。 これはドローネ三角化を用いて複数の詳細度を単一の表現に 統合することを可能にした初めての方法である。
Ao
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Yucel Altunbasak, P.Erhan Eren, and A.Murat Tekalp
GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING Vol.60, No.1, January, pp.13-23, 1998
この論文は、動き境界とシーン中の現実の物体を合わせるロバストな動き分割 のために、画素ベースおよび領域ベースのパラメトリックな動き分割の方法を 紹介している。最初に、動きベクトルか動きを補償した輝度によるマッチング によるパラメトリックな動き分割のための二段階の反復的な手順について述べ る。 次に、この方法の領域ベースへの拡張を示し、それによって、予め定義された 空間領域内のすべての画素が同じ動きレベルに割り当てられる。これらの予め 定義された領域は、固定的あるいは可変的なサイズのブロックであってもよく、 色あるいはテクスチャーが一様であることで定義された任意の形状をした領域 でもよい。 これらの画素ベースと領域ベースの方法の特有の組合せが、さまざまな画像シー ケンスにおいて、取り得る最も良好な分割が得られる完全なアルゴリズムとし て提案されている。提案されたスキームの利点を示す実験結果も与えられてい る。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Azriel Rosenfeld, T. Yung Kong, and Akira Nakamura
GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING Vol.60, No.1, January, pp.24-34, 1998
2値のデジタル画像(手短に言えばイメージ)において、その中の"simple"画素の 画素値を1から0に、またはその逆に変化させても、イメージの位相は変化しな いことはよく知られている。特に、0画素や1画素の連結成分同士が隣接する/ 囲まれるという関係は保存される。ここでは、その逆も成り立つことを証明す る。すなわち、二つの位相的に同値なイメージは"simple"点の画素値を変える ことで相互に変換できるということである。その準備として、 イメージを任意の正数倍に拡大.、任意のパスに沿って変換する方法、または、 "simple"画素を反復的に変更しながら"well-composed"に変換する方法を示す。 "simple"画素に着目した方法と「位相不変」な他の変形との関係についても概説 する。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Hirobumi Nishida
Graphical Model and Image Processing Vol.60, No.1 , January, pp.35-45, 1998
低品質文書画像の認識は、実用的な立場において難しく、かつ重要な問題である。 従来のアプローチでは、ストロークや輪郭の中心線等の特徴は、 濃淡値画像に対するしきい値処理にて2値画像から抽出される。 Wang と Pavlidis(IEEE Trans. Pattern Anal. Machine Intell. 15(10), 1993,1053-1067)は、2値化による情報欠落を避けるために認識のための効果的 な特徴は濃淡値の原画像から直接抽出すべきであると指摘 している。 本論文では、文書要素,例えば文字やシンボルなどの閉境界を濃淡値 文書画像から抽出するための新手法を提示する。 その手法は曲面データ構造と構造的特徴に基づいている。 濃淡値文書画像は、画素と連結した輝度値を高さとみなすことにより、 2次元空間上に定義された曲面として扱うことができる。 この手法は、文書要素の閉境界は一連の水平(画像平面と平行な)線分として近似 することができるという単純なモデルに基づいている。 またそのモデルは、急勾配の曲面要素を連結することにより、垂直平面と曲 面要素の交わりの構成(形状、配置)に基づいて抽出されることができる。 さらに、濃淡値画像は抽出された境界をもとに2値画像に変換できる ので、あらゆる認識システムは、入力として提案アルゴリズムの出力を 受け入れることができる。 提案アルゴリズムの性能は、輝度値の大域および局所的なしきい値処理に基づ くいくつかの2値化アルゴリズムと比較される。 その結果、提案アルゴリズムは低品質データの認識精度を向上させるために効 果的であるということを示す。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Gabor T. Herman
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.1, JAN.,pp.46-56, 1998.
有限単一連結デジタル空間は,古典的位相数学において重要で単純連結した空間 の離散相似である.(すなわち,すべてのループが空間を離れる事なくある一点 に絶え間なく引っ張られ得る連結空間である).大雑把に言うと,単一連結デジ タル空間は三角形より大きな穴がない図形のことである.デジタル位相数学や幾 何学において従来研究されてきた多くの空間はこのコンセプトの実例である.有 限単一連結デジタル空間上で定義された画像における境界は望ましい一般的な性 質を幾つか有している.例えば,空間を連結した内部と連結した外部に分割する ということが挙げられる.有限単一連結デジタル空間上の画像と境界面を与える と,その境界のすべての面の集合,この集合は有限であることだけを条件とし て,を返す "one-size-fits-all" アルゴリズムがある.このアルゴリズムの正 しさの証明はそのような空間の一般的性質からすぐに結論できる.
Sa
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
C.K.Leung and F.K.Lam
Graphical Model and Image Processing Vol.60, No.1 , January, pp.57-76, 1998
情報理論を利用しかつ通信の展望からの画像分割を考慮することにより、画像分 割プロセスはグレイスケール画像を操作し2値化画像を作るデータ処理のステッ プと解釈される。2値化された画像はシーンについてのある量の情報を含む、そ してそれは分割画像情報(SII)として定義される。SII は、画像が2値化されたと き最大化されるべきだということを提案する。これは最大分割画像情報(MSII)閾 値標準として知られている。MSII 閾値標準は、最小エラー(MINE)閾値標準や統 一的エラー(UNFE)閾値標準と比べて、よりよい特性を持つ。MSII 閾値標準に基 づき、MSII 閾値アルゴリズムを実画像の閾値決定に適用することについても提 案する。MSII 閾値標準と良く知られたいくつかの2値化アルゴリズムとを比較評 価を行なった。提案する MSII 閾値決定アルゴリズムを用いることにより、人工 の画像と実画像の両方において、良い2値化結果が得られることを確信した。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Ku-Jin Kim and Myung-Soo Kim
Graphical Models and Image Processing Vol.60, No.1, January, pp.77-92, 1998
本論文は、可能なあらゆるタイプのトーラス/球の交差形状を分類、検出できる効率 的で頑健な幾何学的アルゴリズムを紹介するが、これには変形円錐の切片(円)や特 異な交差も含まれる。トーラスと球が与えられたとき、我々はその1つの表面を障害 物、もう1つは表面を動き回る球の包絡面と見なす。この場合では、配置空間 (Configuration space: C-space)の障害物は、もとの障害物を一定半径分だけ全方向 にシフトしたものと同じであり、動き回る球の半径は、このシフト量に等しい。この C-space障害物と、動き回る球の中心軌跡の交差に基づいて、我々は元のトーラスと 球のすべての交差ループと、特異な接触点/線を検出する。更に、数値的に曲線を追 跡するために、各交差曲線上にちょうど1つの始点を与える。これに必要なすべての 計算には、ベクトル/距離演算、円/円交差が含まれるが、実装化は効率的で頑健であ る。すべての変形した円錐切片(円)も、少数の幾何学的テストの演算を付加するこ とで検出できた。交差曲線そのものは(一般的にいえば4次曲線)これによって3次 曲線片として近似されることになる。
Ej
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Kenichi Kanatani
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.2, March, pp.93-99, 1998.
Chan と Thomas ((Graphical Models Image Process. 57, 1995, 527-532))による 円弧の中心と半径推定の Cramer-Rao 下界の誘導は、 その最終的な結果は正しいが、問題がある。 問題の数学的な構成を注意深く検討することにより、 まず彼らの間違いを訂正し、次にこの問題に適した定式化を提案する。 またこの結果が、線分や円錐当てはめを含む、より一般的な問題に 拡張可能であることを示す。
Ao
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Kikuo Fujimura, Mihail Makarov
Graphical Models and Image Processing Vol.60, No.2, March, pp.100-111, 1998
画像を連続的に、しかも、折り返しを生じない変形であり、与えられた特徴要素の軌 跡を観察しながら変形することができる画像変形法の1つを示す。任意の変形途中の 画像は初期画像に対して同相写像的(homeomorphic)であり、変形過程はホモトピー性 を保っている。この方法は、点、線分、多角形を画像特徴として含むことができる。 我々の方法は、時間的に変化する3角形分割に基づいている、すなわち、特徴が動く に連れて3角形分割が変わる。その結果、3角形分割が変化するような部分に対して変 形マッピングが局所的に更新される。我々の方法の有効性を示すための実験結果が含 まれ、このアルゴリズムの複雑さが解析されている。
Ej
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Ami Steiner, Ron Kimmel, and Alfred M.Bruckstein
Graphical Model and Image Processing Vol.60, No.2 , March, pp.112-124, 1998
逆方向で適用されている局所平滑化演算は、 平面形状の強調と誇張を得るために用いられてきた。 平滑化の逆演算は本来不安定である。 ここでは逆平滑化の効果を計算する安定的な定量のスキーマを紹介する。 強調効果は、短時間の進化によって達成された。更に、進化を続けると形状の誇張や 風刺漫画風になった。 進化した形状と初期の形状との引力を導入することで、強調効果を弱め、定常状態に 落ち着いた。これらの力は局所的な特性に依存する。平面形状の拘束付き・拘束なし の、安定化された幾何学的ヘッド方程式(仮想的なプロッターヘッドが図形を描いて いると想定して)に基づいて、進化プロセスに対して応用した結果、図形の強調と風 刺漫画風の効果が得られた。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Nina Amenta and Marshall Bem
Graphical Model and Image Processing Vol.60, No.2 , March, pp.125-135, 1998
我々は平面の点群から図を構成する。そしてその図形は形状を次の意味で捕らえ ている。滑らかな曲線が十分高い濃度でサンプリングされたら、そのサンプル点 上の図形は、極端なエッジのない、その曲線の多角形化である。与えられるサン プリング濃度は曲線の局所的な特徴量によって変わる。そのため、より小さな詳 細領域がより小さな濃度でサンプルされることも有り得る。我々は、この意味で、 滑らかな曲線を再構成する2つの異なる図形を与える。それは、「輪郭」とβと いう特定の値を用いる「βスケルトン」と呼ばれる新しい単純な構成である。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
In-Kwon Lee, Myung-Soo Kim and Gershon Elber
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.2, Mar.,pp.136-165, 1998.
二つの二次元曲線のコンボルーション曲線は,同一曲線の垂直方向を持つ曲線上 の点のすべてのペアによって生成される全ベクトル和の集合として定義される. 二つの二次元物体のMinkowski和は二つの物体の境界線コンボルーション曲線と 密接な関係がある.すなわち,コンボルーション曲線はMinkowski和境界の supersetである.コンボルーション曲線のすべての冗長な部分を消去すると Minkowski和境界が生成できる.Minkowski和は種々の重要な幾何学的計算で使用 でき,特に二次元の曲線物体の不一致検出に使われる.不運にも二つの有理曲線 のコンボルーション曲線は一般的に有理ではない.したがって,実際はコンボル ーション曲線を有理多項曲線で近似する必要がある.従来のコンボルーション曲 線の典型的な近似方法は部分線形近似を用いていた.しかしながら,データ量が 膨大になるため,多くのCADシステムでは受け入れられていない.本論文で は,オフセット曲線の従来の近似手法を一般化し,コンボルーション曲線を近似 する新しい手法を幾つか開発する.さらに,コンボルーション曲線近似における 誤差を評価する有効な方法が紹介される.さらには,Minkowski和の境界作成に おけるその他の重要な問題についても検討する.
Sa
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Ernesto Bribiesca
Graphical Models and Image Processing Vol.60, No.2, March, pp.166-172, 1998
我々は、デジタル標高モデル(DEM)を解析するために接続表面領域と数学的モルフォ ロジーの考え方を利用する手法について紹介する。DEMは地球表面のデジタル表現で ある。一般的にいえば、DEMは、断面形状を元に均等な方形格子で作られている。こ のDEMデータを2値モルフォロジーを利用して解析するために、モデルは中の詰まっ たソリッドな多角形(ここではボクセル)として表現される。この研究に即して、 DEMを浸食するモルフォロジカルな演算子を用い、2値のソリッドデータを単純化す ることによって、我々は基本的特徴を保存し、分割しながら形状を理解し、そして対 象の特徴を同定することができた。これは簡単な例によって示されている。ボクセル から成るDEMの接触表面領域を定義する。接触表面領域は、DEMの隣接ボクセルの接触 表面領域の合計に対応している。このある体積を取り囲む表面の面積と、接触表面面 積の関係式を示す。接触表面面積の定義から、多数のボクセルからなるモデルの高速 で効率的なプロット手法が得られた。
Ej
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Charles Kervrann and Fabrice Heitz
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.3, May, pp.173-195, 1998.
動的情景解析の応用では、解析される対象物や構造が変形することが多く、 この変形はモデル化しなければならない。 本論文では、一連の画像列中にある2次元可変構造の表現、 領域分割、そして追跡のための階層的統計的モデル化の枠組を提案する。 モデルは、大局的または局所的変形が定義されるテンプレートの仕様に依存する。 大局的変形は、典型的集団で観察された変形の 統計的解析を使ってモデル化される。 一方、局所的変形は、(1次)マルコフ確率過程で表現される。 情景のモデルに基づく領域分割は、 大局的および局所的変形パラメータの結合ベイズ推定として得られる。 この推定過程では、空間的または時空間的観察を検討し、 それぞれ、エッジまたは動きに基づく情景の領域分割を生成する。 この領域分割処理は、カルマンフィルタ手法による変形構造の 時間的追跡処理と組み合わされる。 この領域分割-追跡の組み合わせ処理は、 低SN比、非ガウス雑音、部分的隠蔽、ランダムな初期値など悪条件の画像列からでも 、 変形する部分領域を信頼性高く抽出することができる。 様々な種類の変形対象を含む合成および、実世界の画像列を使って 本手法の有効性を実証する。
Ao
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Ho-Chao Huang and Yi-Ping Hung
GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING Vol.60, No.3, May, pp.196-208, 1998
バーチャルリアリティ(VR)の世界を構築するために、一般的に用いられるアプ ローチとして、モデルベースのアプローチと画像ベースのアプローチの2つが ある。最近、VRモデルの構築がより容易であり、写真のようなリアルなビュー が得られるという優位性のため、画像ベースのアプローチが、大変注目されて いる。ところが、伝統的な画像ベースのVRシステムでは、ユーザーに3次元的 な奥行きを感じさせる立体的なビューを作り出すことができない。この論文で、 我々は、画像ベースのVRシステムのための、立体的なパノラマを作り出すパノ ラマ立体画像(PSI)システムを紹介する。このPSIシステムは、以前の実験シス テムであるPSI-Iに改良を加えたPSI-IIシステムとして言及されている。 PSI-Iシステムでは、一連の立体画像対を得るために十分にキャリブレートさ れた三脚システムを使用するのに対し、PSI-IIシステムでは、キャリブレート された三脚システムの使用を必要とせず、新しい不均衡変形技術と階層的な縫 い合わせアルゴリズムを用いることで、自動的にパノラマ画像のステレオ対が 生成される。 我々のPSI-IIシステムは、立体画像対のエピポーラ線での不一致と画像捕捉 過程でカメラレンズの中心が転置されることで起きる画像の不均衡を自動的に 修正することもできる。 実験により、提案手法が、イメージベースのVRシステムのための、360°のリ アルなパノラマビューを容易に作り出せることが示されている。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Paul L. Rosin
GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING Vol. 60, No. 3, May, pp. 209-213, 1998
ある点から楕円への垂直距離を近似する二つの方法、すなわち(A)直交双曲線 を用いるもの、(B)Stirlingの長円形を用いるものについて述べる。定量的測 定による分析の結果、前者は不規則性や偏りのほとんどない正確な近似を与え ることがわかった。いくつかの近似をその近似関数のエラーの観点から比較し、 またそれらを楕円近似に適用することによって、その適正を評価した。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Gill Barequet
Graphical Model and Image Processing Vol.60, No.3 , May, pp.214-221, 1998
2つの分離可能な多角形と別の凸多角形が与えられたとき、 はじめの2つの多角形を分割するような帯で、かつ、 それと第3の凸多角形が交差してつくる領域が最大になるような 分割帯を検出する問題を考える。 本論文では、最適な分割帯を見つけるための最適な線形時間の アルゴリズムを提供する。 第3の多角形が凸ではない場合、このアルゴリズムの実行時間は 入力サイズの2乗に比例する。 本手法は、単純に分岐する場合に区分的線形な曲面の補間への応用を 意図するものである。 補間される容積は、ある断面の1つの輪郭から別の断面の2つの輪郭に 枝分かれしている。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Kento Miyaoku and Koichi Harada
Graphical Model and Image Processing Vol.60, No.3, May, pp.222-225, 1998
我々は、重みづけられた最小数の多角形化近似について論ずる。Eu と Toussaint によると、この問題は Lq metric 距離をもつ2次元平面の中の parallel-strip エラー標準に従うことを考慮にいれ、Cone intersection 法を 用いることにより、O(n2) 時間で解決されうると結論づけた。(参照:1994, CVGIP: Graphical Models Image Process. 56, 231-246) 本論文では、彼ら(Eu and Toussaint)の議論の一部を明らかにし、彼らの問題を 解決するのに、正確には、O(n2logn) 時間が必要となることを示した。 また、我々は、line segment エラー標準に従い、重みづけられた最小数の多角 形化近似についても議論する。3次元で厳密に単調な曲線が与えられかつ、L1 ま たはL∞ metric 距離が使われた場合に限定すると、この問題は O(n2) 時間で解 決されうるということも示した。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Arie Pikaz and Amir Averbuch
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.3, May.,pp.226-232, 1998.
多くのデジタルテクスチャがパーコレーションモデルと対応している事が示され る.パーコレーションモデルを連結性解析で使用すると統計的結果と理論的背景 が得られる.本論文は二次統計(デジタルテクスチャ解析ではよく使用される) と連結性解析の関係に焦点を合わせる.また,デジタルテクスチャとパーコレー ションモデルの密接な関係に新たな証拠も示される.
Sa
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Alexandre X. Falcao, Jayaram K. Udupa, Supun Samarasekera, and Shoba Sharma Bruce Elliot Hirsch Roberto de A. Lotufo
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, pp.233-260, 1998.
多次元画像解析では、 自動的な領域分割処理が失敗してユーザーの補助が必要となる場面が存在し、 また今後もあり続けると考えられる。 このような状況では、領域分割の研究は次の2点を目標とすべきである。 (1)分割処理が実行されている最中の効果的な制御法をユーザに提供すること (2)処理に要求されるユーザの操作時間を最小化すること 本論文では、これらの目標を念頭に置き、 大規模アプリケーションでの実用的な画像領域分割のための 二つのパラダイム、live wire、live lane を提案する。 どちらの手法でも、画素頂点と有向エッジがグラフをなすと考える。 そして有向エッジに「境界線らしさ」を表すため特徴量を割り当て、 さらに特徴量をコストに変換する。 どんなアプリケーションにおいても、矛盾なく効率的にこの割り当てを実現するため 、 容易な学習機構と、自動的に最適な特徴量と変換法を選択する機構を提供する。 live wire では、ユーザは初めに境界線上の一点を選択する。 その後カーソルで指示される位置に従い、 初期点から現在点までの最適な経路が自動的に求められリアルタイムで表示される。 このようにユーザはカーソルの動きに従って動く live wire を手にすることになる 。 カーソルが境界に近付くと live wire は境界に貼り付く。 live wire が適切な境界に沿ったところでカーソル位置に端点を固定し、 ユーザはその位置を新しい開始点として処理を繰り返せばよい。 通常は少数の点(live wire 節)によって2次元境界全体を抽出することができる。 live lane では、ユーザは開始点だけを選択する。 後続する点は、カーソルが境界を囲む領域(lane)内を移動するに従い、 自動的に選択される。 lane の幅はカーソル移動の速度と加速度によって決まる。 live wire 節が隣り合う点の間でリアルタイムに生成され表示されるので、 ユーザは境界付近を示すと曲線が境界に貼り付くように感じる。 実際に使用されるデータを使い、追跡処理の速度と再現性の観点から 新手法の有用性を手動の追跡と比較する評価を行った。 その結果、新手法は手動追跡に比べ、 統計的に有意に再現性が高く、1.5から2.5倍高速であった。
Ao
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Andrew E. Johnson and Martial Hebert
Graphical Model and Image Processing Vol.60, 261-285, 1998
3Dコンピュータビジョンにおける共通の表現方法は、多角形の表面メッシュで ある。これはメッシュが、任意の形状の物体をモデル化でき、意味のある3Dデー タから容易に構成されることが理由である。 表面メッシュの分解とは、そのメッシュを包含する頂点の間を総体的にあける ことだが、意味のある3Dの点がよく不均等に分解されるので、表面メッシュの 分解はうまく定義できないことが多い。 我々は、不均等な頂点間隔を持つメッシュをより均等な間隔を持つメッシュに 変換するアルゴリズムを示し、分解の定義を改善した。 さらに、このアルゴリズムが表面メッシュ分解の制御にどのように使われるか を示し、コンピュータービジョンにおける多解像度に受け入れられることを示 す。 我々のアルゴリズムの構造は、コンピュータグラフィックスで一般的な反復的 なメッシュ簡略化アルゴリズムを基に、モデル化されているが、個々のステッ プではメッシュ分解を制御するために特別に設計されている。 均等な頂点間隔は、メッシュの形状を保持しながら均一なエッジの長さを保つ 局部エッジ作用を適用することによって生成される。 多面体の物体に適用するために、鋭い折り目に沿ったエッジ作用を行なう正確 な形状変形方法を紹介する。メッシュ形状における全体の変化を局所的に結び 付けることで、全体の形状におけるドラスチックな変化を防ぐことができる。 コンピュータ断層写真、領域画像、およびデジタル高度図構築を含む3Dの意味 のある領域からの結果を示す。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
R.K.Dodd
Graphical Model and Image Processing Vol.60, 286-303, 1998
本論文では、TRIGと呼ばれるテンソルを表現する新しい方法に関連する 幾何について述べる。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
P. Cignoni, C. Montani, C. Rocchini, and R. Scopigno
GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING Vol.60, No.5, pp.305-329, 1998
いくつかの応用分野においては、非常に大規模なグラフィックモデルが一般的 となっており、近年多くの異なった単純化手法が開発されている。その中には、 入力されたメッシュからそのマルチリゾリューション表現を構成することがで きるものもある。これらの革新的な技術に基づき、三つの独立した過程(形状 モデリング、マルチリゾリューション符号化、解像度モデリング)を基礎とす るモデリングの枠組みを提案する。そして、最後の過程(リゾリューションモ デリング)に対して、非常に一般性があり、ユーザ指向で、特定の単純化手法 にとらわれない新しいアプローチを提案する。そのアプローチは、3角形分割 された2次元多様体のための、マルチリゾリューション表現の体系に基づいた、 超3角形分割モデル(HYT)である。この体系によれば、マルチリゾリューショ ンのサーフェス上を、隣り合った面間を効率的に移動しながら「歩行」するこ とが可能になる。サーフェスの詳細を対話的にモデリングするために、リゾ リューションモデリングシステムのプロトタイプZetaを実装し、いくつかの実 際的モデルについて評価を行った。そのシステムは、以下のような機能をサポー トする。すなわち、固定解像度表現の効率的な抽出、選択的高解像度かと選択 的単純化を統合した管理、可変解像度メッシュの生成における裂け目のない、 選択的高解像度化と単純化の容易な組み合わせ、マルチリゾリューションでの 編集、それに対話的処理時間である。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Kwai Hung Chan and Rynson W.H.Lau
Graphical Model and Image Processing Vol.60, No.5, pp.331-348, 1998
この論文では、輪郭(3次元立体の等高線のようなもの:以下、輪郭とする)を 基にしたゆがみ方式が提案されている。ある物体に特徴的な複数の輪郭が定義さ れ、それらの輪郭が、ターゲットとする物体の形状にマッピングされる。これに より、利用者は、最小限の労力で、より自由にゆがみを定義できる。この論文で は2つの画像ゆがみ方式(peel-and-resample 方式とWave propagation 方式) について紹介する。両方とも輪郭をマッピングするというコンセプトに基づいて いる。 peel-and-resample 方式は、単一の内部の特徴をもつ単純な対象物の画像を短時 間にゆがませるという特徴をもつが、誤対応の問題と多数の特徴を扱えないとい う2つの問題点がある。 Wave propagation 方式により、上記の2つの問題点が解決された。ほとんどの 既存の方式とは異なり、この方式は特徴点やベクトル情報の代りに、特定された 特徴輪郭を基に対象物体の画像をゆがめている。この方法の結果、ゆがんでいる 画像に分配される輪郭特徴の数の増加により、演算時間が短くなるということが 証明された。しかしながら、単純な内部特徴を持つ、単純な物体画像をゆがませ る場合には、peel-and-resample 方式と比べると処理時間がかかってしまう。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Eric N.Mortensen and William A.Barrett
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.5, pp.349-384, 1998.
画像のセグメンテーションに使用する「知能はさみ」と名づけた新しいインタラ クティブツールについて説明する.全自動セグメンテーションは未解決の問題で あり,手動の追跡も不正確で作業量が多すぎて受け入れられない.しかしなが ら,”知能はさみ”を使用すれば,マウスの単純な操作で画像内の物体を素早く 正確に抽出することができる.物体の端付近にマウスカーソルを持ってくると, 生き物のような境界線が注目物体にとびつき,包む.生き物のような境界線検出 は,境界検出を重み付きグラフにおける最適経路探索として定式化する.最適経 路探索によって,数学的に分割した最適境界が得られる.これは,ローカルなノ イズや他の邪魔な構造に対する感度が非常に小さくなっている.単純に近くの最 も強いエッジではなく現在注目されている特定の種類のエッジに境界がつながる ようにするための”On-the-fly 訓練”を使用してロバスト性を更に向上させ る.”境界冷却”は自動的に変わらないセグメントを決定し,次の種となる点の 入力を自動化する.冷却はユーザがマウスを動かすことでより自由にすることが できる.それによって,境界を抽出する効率とともに巧みさも向上させることが できる.
Sa
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Michael H. F. Wilkinson
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.5, pp.385-401, 1998.
単純な画像統計に基づく方法として、ロバストなしきい値決定アルゴリズムが 紹介された。この統計量とは、特殊なエッジ検出用に重み付けられた画像中の グレーレベル画素値の平均である。代わりに、他の著者たちが、この方法のコ ンテキスト内で用いられる多くのエッジ検出を提案している。多くの画像への 拡張を含め、このことについての簡単な証明が与えられており、また、直線エッ ジを持つノイズのない画像では、これらの統計量がすべて最適なしきい値を与 えることも示している。エッジの湾曲や(ガウシアンおよびポアソン分布によ る)ノイズによって引きおこされるバイアスについては、理論的にそして合成 2D画像上にて探求された。湾曲バイアスはエッジ検出の適切な選択によって避 けることができ、2つのノイズの比較でバイアスを減らすスキームが得られて いる。エッジ検出の最適化の基準が与えられ、8つのエッジ検出の性能につい て、詳細に調査された。最も良好な結果は、グラジェントの自乗の近似を計算 した2つのエッジ検出を用いることで得られ、この結論が3Dにも拡張できるこ とを示している。ノイズに対する影響を最も少なくするのは、 xとyにおける 部分的な派生物を近似する3x3のソーベルフィルターカーネルを用いる方法で あった。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
B.C.Vemuri, L.Chen, L.Vu-Quoc, X.Zhang, and O.Walton
Graphical Models and Image Processing, Vol.60, No.6, pp.403-422, 1998.
本論文では効率的な接触検出と正確な接触機構を持つ 粒体流シミュレーションのアルゴリズムを提案する。 我々の接触検出アルゴリズムは対話型および非対話型を含む多様な環境で 任意の形状の剛体粒子に適用可能である。 粒子の接触時の動きを記述する非常に正確な力-変位モデルを提案する。 これらのアルゴリズムを粒子流、 特に傾斜管を通る大豆の流れのシミュレーションに適用した。 本研究には大きく分けて二つの課題がある。 すなわち接触検出アルゴリズムの開発と 正確な接触機構に基づく力-変位モデルの開発である。 第一の接触検出アルゴリズムはさらに二つの段階に分かれる。 第一は接触の可能性のある粒子の候補を発見する段階で、 第二段階でこれらの候補粒子間の正確な接触を検出する。 我々の応用目的である大豆は形状がほぼ楕円体であり、 重なり合う球の集団で良く近似できる。 球体の接触検出は非常に単純なので、 本論文では接触検出については第一段階に焦点を当てる。 このアルゴリズムで使用する基本的なデータ構造は八分木である。 (n個の粒子を含む)管の領域内に八分木をつくり、 接触の可能性を検出するために使用する。 この段階の演算時間は平均で O(n) 最悪でも O(n log n) である。 第二の課題に対しては、傾斜管内の大豆流の接触機構を扱うために、 我々は非常に正確な力-変位モデルを開発した。 これは、弾性摩擦接触のモデルとして広く認知されている Mindlin 力-変位モデルの良い近似である。 このモデルは、粒子同士および粒子と管壁の間で 法線と接線方向に働く接触力を説明するものである。 高速な接触検出と正確な接触機構を持つ大豆流シミュレーションの例を示す。
Ao
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
P.K. Saha and D. Dutta Majumder and Azriel Rosenfeld
Graphical Models and Image Processing Vol.60, No.6, pp.423-436, 1998
本論分では、四面体の集合(3次元物体の「四面体表現」)の位相的性質を扱う。 「normal(集合内のいずれの二つも頂点、辺、面以外を共有しない)」 「strongly normal」と呼ぶ四面体表現のクラスを定義し、それらの基本的性 質を明らかにする。 ある四面体の近傍にある空洞とトンネルの数を効率的に計算する方法を定義する。 「シンプルな四面体」の特徴を定式化し、 「シンプルな四面体」を識別したり、四面体が取り除かれたときに生じる局所 的な位相の変化の大きさを計算する効率的なアプローチを提案する。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Jovisa Zunic and Dragan M. Acketa
Graphical Models and Image Processing Vol.60, No.6, pp.437-460, 1998
この論文では、n x n の格子上に表現されたデジタル曲線セグメントからなる 集合論について論じている。主な結果は、デジタル曲線セグメントの集合に適 用できる一般的な符合化体系であり、それは異なる種類の曲線のデジタル化か ら生じるデジタル曲線セグメントに対してさえも適用可能である。hが2つの デジタル化された曲線の交差点数の上限ならば、h+3という整数パラメータで、 符合化にとっては十分である。提案した符合化体系では、hが定数と仮定すれ ば、(可能な限り最小なビット数が使用される)最適な符合化が、漸近的に保 たれる。hが無限大に近付けば(nも同様に無限大に近付く)符合化に使用する ビット数は、O(h^2・log n)になる。さらに、著者たちは、最小自乗法を用 いた多項式適合によっても、デジタル曲線セグメントの符合化が可能であるこ とを示しているが、そのような符合化は、ここで提案している一般的な符合化 体系の特殊なケースであることが判明している。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.
Jie Shen and Yee-Hong Yang
Graphical Models and Image Processing Vol.60, No.6, pp.461-487, 1998
連続体力学と有限要素法は可変オブジェクトのアニメーションを扱いやすくす るための基本的な道具として使われている。 本論文の特徴は次の2点である。1つは3-D有限インターフェース要素オブジェ クトの相互作用を扱うための枠組みの導入、もう一方がオブジェクト内の分裂 伝播を扱うための簡単なアプローチ。 構築されたアニメーション列は、可変オブジェクトとオブジェクト内の単純な 破砕伝播の間で作用する動的な衝突の過程が現実的に描き出されることを示す。
Copyright(c) 1998 Academic Press, Inc.