CRISPR は恩恵を与え続ける (CRISPR keeps on giving)
CRISPR RNAに誘導されるヌクレアーゼは現在のゲノム医療革命の原動力となってきたものである。Huたちはこの仕事に、クラスパーゼと呼ばれるCRISPR RNA誘導プロテアーゼを、新しい一員として導入している。低温電子顕微鏡法と分子遺伝学的手法を組み合わせて、この研究は、クラスパーゼのRNA誘導活性化と不活化に至る条件をin vitro とin vivoの両方で明らかにし、観察された活性についての完全な高分解能の機構的説明を提供している。クラスパーゼはDNAには接触しないので、Casヌクレアーゼの安全な代替物になりうるかもしれないものであり、将来治療用途に用いられる可能性を持つものである。(hE,nk,kj,kh)
- CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeat; クリスパー):数十塩基対の短い反復配列を含み、原核生物における一種の獲得免疫機構として働くDNA領域である。さまざまな生物種において標的の遺伝子を改変するゲノム編集では、CRISPR/Casシステムによるゲノム編集技術が注目されている。