蓄積された文化の出現 (The emergence of cumulative culture)
実験的研究によれば、事前の知識がない人が、初期のヒト族に因んだ種類の石器を、教わることなく作り出すことが分かった。現代人の特徴の1つは、累積的文化の能力、つまり、文化の伝達を通じて世代を超えて知識を蓄積する能力である。考古学者たちは、約260万年前のオルドワン石器様式の出現とともに、この能力が初めて現れたと考えてきた。Snyderたちは、未経験者たちに単純な石核石器と剥片石器を作製することで解けるパズルを提示することによりこの仮定を試験し、未経験者たちが独学でオルドワン様式の例とよく似た加工品の作り方を学んだことを見出した。これらの結果は、累積的文化の能力がオルドワン様式よりも新しいものであることを示唆している。(Sk,ok)
- オルドワン石器:自然石の一端を打ち欠いて、1つまたはいくつかの薄片を削り取って作った初期の石器であり、最初に見つかったアフリカの地名からこう呼ばれる。