気候変動下の山岳生態学 (Mountain ecology under climate change)
気候温暖化は生物の生息分布が変化する原因となっており、さまざまな生物が異なる速度で移動している可能性がある。このことは生態学的共同体の構成と機能の変化を引き起こす。これらの効果は、生物多様性への気候変動の影響に関する予測にほとんど考慮されていない。実験的な移動を行うことで、Descombesたちは、高山植物とその植食昆虫における相異なる上方移住が、共同体の相互作用にどのように影響を及ぼすかについて調査した。より標高の高い領域では、低地からの植食昆虫が三次元的植生構造を変貌させ、そしてこの変貌した植生構造は、植物種の、とりわけ小柄の植物種を利することによる共存に好ましい。再構築された栄養相互作用は、未来の気候変動下での植物群落の変化をつき動かしていく重要な役割を担うことであろう。(Uc,KU,kj,kh,nk)