分光器のミニチュア化 (Miniaturizing spectrometers)
分光法は、ほとんどの科学分野及び多くの産業分野にまたがる普遍的な特性測定装置である。 ほとんどの携帯型分光計は卓上用の光学部品に基づいており、そのため分光計の縮小可能限界の大きさが制限される。 マイクロメートル大(そしてより小さい)の設置面積の小型分光計に対する要望に応えるため、Yang たちは、組成が長さ方向に傾斜して作られ、それにより光吸収端波長が連続的に変化する1本のナノワイヤーをもとに、そのような微小分光計を開発した。 この結果は、このような超小型分光系の技術基盤に対して他の光感受性ナノ材料の使用に向けての実用的な一歩である。(KU,MY,kj,nk)
- 本分光器の原理:長さ方向でCdS・CdSeの組成が傾斜したナノワイヤー(CdSx・CdSe1-x のxを連続的に変化させることで、長さ方向のナノワイヤーの各箇所のバンドギャップを510~660nm程度の範囲で変化させる。バンドギャップより長波長側の光は吸収されない)に物体光を照射し、ナノワイヤーに微小間隔ごとに接触した電極から各々の接触点の光電流を取得し、これらを処理・再構成することで分光スペクトルを得るというもの。