デバネズミはどのようにして痛み感覚をなくしたのか (How the mole-rat lost its pain)
痛みは、何かがおかしいと体に警告を発し、そして通常我々は、その痛みの原因となる活動をやめる。 多数の種類の植物と被捕食動物が、捕食が試みられる際に放たれる痛み原因物質を産生することで、この応答を利用する。 これに対して、このような物質に遭遇する種は多くの場合、この痛みを生み出す機構を遮断する方法を進化させる。 Eigenbrod たちは、痛みに耐性を示すハダカデバネズミと近縁の、地下に生息する8種のげっ歯類で、RNA転写物を調べた。 著者たちは、異なる種にわたり、痛みに関与するイオン・チャネルに対する複数の変化を見出した。 そのような適応の理解は、痛みの機構を解明する可能性があり、また鎮痛方法の開発に役立つだろう。(MY,kj,kh)
- デバネズミ:げっ歯目デバネズミ科の動物。 門歯が巨大で口外に突出していることが名前の由来。 サハラ砂漠以南のアフリカに生息し、地下にトンネルを作り生活する。ハダカデバネズミはその1種で、ガンが発生しないことで知られている。