PCBは依然問題だ (PCB—still a problem)
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、毒性および発ガン性が高いと認識されるまで、かつて広く使用されていた。 その生産は米国で1978年に禁止されたが、未だに世界的に生産され、環境中に残留している。 PCBのような残留性有機化合物は栄養段階を通じて濃度が高まり、そのため頂点捕食者はその悪影響をとりわけ受けやすい。 Desforges たちは、最大の海洋捕食者の1つであるシャチに対するPCBの継続的な影響を調べた。 著者たちは地球規模で入手可能なデータを使って、シャチの組織内のPCBが高濃度であることを見つけた。 この結果は、シャチの集団全体にわたる減少、とりわけ、栄養段階の高位にあって捕食する集団および工業地帯に最も近くにいる集団の減少、を早めそうである。(Uc,MY,kh,nk)
- 栄養段階:食物連鎖でつながっている生態系の動植物を、無機物から有機物を合成する生産者、生産者を捕食する消費者、生産者や消費者の死体・排出物を分解する分解者の三段階に大別する。