ほら感じた,ほら感じない (Now you feel it, now you don't)
感覚刺激の検知を決定しているのは何だろうか? この問題に取り組むため,Takahashiたちはマウスの研究で,生体内二光子画像法,電気生理学,光遺伝学,行動解析を組み合わせた。脳の体性感覚皮質における錐体神経細胞の尖端樹状突起のカルシウム信号が,マウスのひげの知覚閾値を制御していた。樹状突起のカルシウム信号伝達の大幅低減は知覚検知の閾値を損ない,同一の刺激にもはや気付くことができなかった。(MY,nk,kh)
- 二光子画像法:生体中の所望の場所に二光子吸収を発生させ,それによる蛍光を取得して画像化する顕微鏡技術。光による生体ダメージが少なく,高解像度で3次元画像を取得できる特徴を持つ
- 電気生理学:神経,脳,筋肉をはじめとする生体組織や細胞の電気的性質と生理機能との関係を取り扱う学問分野
- 光遺伝学:光感受性タンパク分子を特定の細胞に発現させ、その細胞機能を光で操作する技術