心臓と血管を若く保つ (Keeping hearts and blood vessels young)
GPER(Gタンパク質共役受容体)の活性化は,循環器系に重要な働きを有すると考えられている。思いがけないことに,MeyerたちはGper(GPER符号化遺伝子)を欠損した老齢マウスで,心筋繊維化が対照群の老齢マウスほどには進まず,より高い循環器機能が持続することを見出した。Gperの欠乏は,血管や心筋中での組織損傷性超酸化物の産生の低下と関連していた。GPERの阻害薬は,高血圧性マウスの血圧を低下させ,超酸化物の産生を減少させた。このことはGPER阻害剤を,超酸化物の過剰生成が原因の循環器疾患の治療に用いることができるかもしれないことを示唆する。(MY,nk,kh)
- 超酸化物:O2-を分子中に含む酸化物のことで,生体内ではある種の酵素により作られる。侵入微生物や病原菌の攻撃に使われる反面,生体自身にも害を及ぼす