AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約


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IEEE Software (IEEE) Vol.20, No.1


自動車開発における要求工学:経験と挑戦
Requirements Engineering in Automotive Development: Experiences and Challenges

Matthias Weber, Joachim Weisbrod

IEEE Software, Vol. 20, No. 1, pp.p. 16-24, January/February 2003

実世界のプロジェクトに基づいて,著者らは要求工学への挑戦と解 決について述べる.それはダイムラークライスラー社でソフトウェ アベースの自動車システムを開発する間に見い出された.彼らは, 特定のアプリケーション領域における要求の充足に関するドメイン 固有の試みと,要求の運用管理に関するドメイン非依存の問題の両 方について議論する.彼らが定義する問題は必ずしも今日の要求工 学研究が注目しているところではないが,自動車や他の複雑なシス テムのソフトウェア開発における要求工学を改善するために極めて 重要な問題であると論じている.


医療 IT 製品の要求を管理する
Managing Requirements for Medical IT Products

Stewart A. Higgins, Maurice de Laat, Paul M.C. Gieles, Emilienne M. Geurts

IEEE Software, Vol. 20, No. 1, pp.p. 26-33, January/February 2003

著者らは,ツールにサポートされたあるプロセスを構築した.その プロセスでは,要求が現れた時にそれをとらえ,洗練する.このよ うに,彼らはいつでもリリース計画に割り当てられるように要求を ためておく.彼らは次のリリース計画で有効となる要求を,そのリ リースの文書として発行する.このプロセスにおいて,要求分析者 は要求投資者と親密に仕事をする.


ソフトウェアパッケージ選択に品質モデルを用いる
Using Quality Models in Software Package Selection

Xavier Franch, Juan Pablo Carvallo

IEEE Software, Vol. 20, No. 1, pp.p. 34-41, January/February 2003

品質面の特徴とユーザの品質要求に対する構造化された記述が存在 しないことによって,適切なソフトウェアパッケージの選択は難し くなる.著者らは,ISO/IEC 9126-1 の品質標準をフレームワーク として用い,ドメイン固有のソフトウェアパッケージの品質特徴を 統一的,包括的に記述するための方法論を提案する.


アクセス制御に分割された能力を用いる
Using Split Capabilities for Access Control

Alan H. Karp, Rajiv Gupta, Guillermo J. Rozas, Arindam Banerji

IEEE Software, Vol. 20, No. 1, pp.p. 42-49, January/February 2003

split-capabilities(分割された能力)法は,リソースへのアクセス 制御において,スケーラビリティの改善と特権の廃止を提供する. ヒューレットパッカード社 e-speak 製品の初期のリリースは,様々 な一般的な攻撃からシステムを守るためにこの方法を用いた.分割 された能力は,従来の能力の利点を活かしつつ制限を取り除いたも のである.基本的な考え方は,能力を2つの部分,すなわちアクセ スされているリソースへのハンドルと,要求されているアクセス権 限を記述する別のリソースへのハンドルに分割することである.そ のように権限から名前を分離することは潜在的問題をはらんでいる が,このシステムはリソースの計算機インフラの中にこの2つの要 素をあわせ持っている.


インターネットを介した侵入を減らす:効果的なセキュリティパッチ管理
Reducing Internet-Based Intrusions: Effective Security Patch Management

Bill Brykczynski, Robert A. Small

IEEE Software, Vol. 20, No. 1, pp.p. 50-57, January/February 2003

インターネットを介した攻撃に対する防御において,効果的なセキュ リティパッチ管理が重要である.その重要性にも関わらず,組織が パッチ管理を行う際に用いるプロセスについては,驚くことにほと んど書かれたものが無い.本稿は,効果的,組織的,繰り返し可能 なパッチ管理の本質である8つの重要な実践について調べ,パッチ 管理を評価するためのパフォーマンスの基準を提案する.著者らは, これらの重要な実践を,パッチ管理を改善するための産業界のパイ ロットプロジェクトから導き出した.


ミスユースケース:敵対する意図をもったユースケース
Misuse Cases: Use Cases with Hostile Intent

Ian Alexander

IEEE Software, Vol. 20, No. 1, pp.p. 58-66, January/February 2003

ミスユースケースはユースケースの負の形態であり,負のシナリオ を記述する.そのアクターは,設計中のシステムに敵対する意図を もったエージェントである.ユースケースとミスユースケースの間 の関連は,脅威とその軽減について記述する.(本稿に示される)ユー スケース図とミスユースケース図は,脅威と危険要因の分析,シス テム設計,要求の抽出,そしてテストケース作成において価値のあ るものである.


C# と .NET フレームワーク:リアルタイムの用意はいいかい?
C# and the .NET Framework: Ready for Real Time?

Michael H. Lutz, Phillip A. Laplante

IEEE Software, Vol. 20, No. 1, pp.p. 74-80, January/February 2003

Microsoft の次世代プラットフォーム .NET フレームワークには, C++ の能力を Visual Basic の使いやすさで提供することを狙いと した新言語 C# が含まれている.本稿において著者らは,C# と .NET フレームワークのリアルタイムシステムへの適用について考 察する.彼らのパフォーマンステストによって,いくつかの場合に おいて C と C# が匹敵することが示された.しかし,現在のとこ ろハードリアルタイムアプリケーションには適しておらず,ファー ム或いはソフトリアルタイムアプリケーションに対して,注意深く 使われるべきであると述べている.


階層化フレームワークを用いたアスペクト指向開発
Aspect-Oriented Development with Stratified Frameworks

Colin Atkinson, Thomas Kühne

IEEE Software, Vol. 20, No. 1, pp.p. 81-89, January/February 2003

アスペクト指向プログラミング(AOP; Aspect-Oriented Programming) は,有望な separation-of-concerns (概念の分離) 技術の一つであり,ある選択された分解戦略を横断 (cross-cut) する概念に焦点を当てる.しかし,その有望性にも関わらず,これ までのところ AOP はソフトウェア開発の主流へと転換出来ていな い.著者らは,モデル駆動でコンポーネントベースのフレームワー クにおいてアスペクト指向開発の利点を活かす,アーキテクチャ階 層に基づいた戦略について説明する.

IEEE Software (IEEE) Vol.20, No.2


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IEEE Software (IEEE) Vol.20, No.3


未開拓のプロジェクトに XPを導入する:教訓
Introducing XP into Greenfield Projects: Lessons Learned

Jonathan Rasmusson (ThoughtWorks)

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.21-28, May/June 2003

Keywords: extreme programming, experience report, adoption, education, training

著者は本稿において,いかに ThoughtWorks 社がエキストリームプログラミング(XP)を組織に導入し,過去に Agile 開発手法を使った経験のない顧客スタッフ陣とともに最前線技術プロジェクトを成功させたかを,教えてくれる.本稿は,XPがいかにプロジェクト成功の助けとなるかを示すだけでなく,顧客サイトでの XP導入に関して得られた,他の価値ある教訓をも与えてくれる.

HM


科学的研究のためのXPを探る
Exploring XP for Scientific Research

William A. Wood, William L. Kleb (NASA Langley Research Center)

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.30-36, May/June 2003

Keywords: extreme programming, NASA Langley Research Center

我々は科学的研究の文脈において, エキストリームプログラミング(XP)をうまく適用できるだろうか? 政府の研究センターにおける文化的環境は,顧客中心のビジネス視点とは異なる.その結果,XP 12の実践のうちの 8つは,一見したところ既存の研究文化と調和しない.著者らは NASA Langley Research Center において,そうした環境へのXPの適応性を調べるために,あるパイロットプロジェクトを実施した.初めは不器用であったものの,彼らは, XPが適さないように見える状況においても, それは機能を果たしうると結論づけた.

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欧州のインターネット企業で XPを評価する
Assessing XP at a European Internet Company

Orlando Murru, Roberto Deias, Giampiero Mugheddu

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.37-43, May/June 2003

Keywords: XP, extreme programming, ISO 9001, ISO 12207, risk management

本稿は,欧州のインターネットサービス会社 Fst において進行中の,エキストリームプログラミング(XP)を導入するプロセスについて説明する. 本稿は, その企業が XP で経験したことについて述べ,各実践ごとに実現を調査し,顧客関係,プロジェクト管理,ISO9001 品質保証という3つの重要な領域における XP の 是非について議論する.

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コーディングとコードレビューを改善するための統計的プロセス制御
Statistical Process Control to Improve Coding and Code Review

Alice Leslie Jacob, S.K. Pillai (Network Systems and Technologies)

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.50-55, May/June 2003

Keywords: XmR charts, u-charts, coding, code review, review preparation speed, code review speed, control charts, defect density, software process management, statistical process control

ソフトウェアプロセスは,ソフトウェア製品開発においてなされる,見積もり,計画,要求分析,設計,コーディング,レビュー,テストの全ての活動から構成される.効果的なソフトウェアプロセス管理には,これらの活動のそれぞれを,先を見越して管理することが必要である.統計的プロセス制御ツールによって,先を見越したソフトウェアプロセス管理が可能となる.そんなツールのひとつである制御チャートは,コードレビュープロセスを管理,制御,改善するのに使うことができる.

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安全性が重大なソフトウェアのためのコードインスペクションにおけるベストプラクティス
Best Practices in Code Inspection for Safety-Critical Software

Jorge Rady de Almeida Jr., Joao Batista Camargo Jr., Bruno Abrantes Basseto, Sergio Miranda Paz (Escola Politecnica da USP)

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.56-63, May/June 2003

Keywords: inspection checklist, code inspection, safety-critical software

安全性が重大(safety-critical)なシステムを分析する際に最も重要な論点の一つは,インスペクションチェックリストによるコードの検証である.リストの各項目は,ソースコードに対して適用されなければならない.このリストに対して払われた注意は,よいコーディング規約に確実に準拠する助けとなるだろう.そして,safety-critical なシステムの設計においては重要な要素となる.このリストはまた,safety-critical でないシステムの開発においても,品質と正当性を改善する助けとなる.

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短期的世界における長期的テスト
Long-Term Testing in a Short-Term World

Vaughn T. Rokosz

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.64-67, May/June 2003

Keywords: testing strategies, accelerated stress testing, system clock, scheduled functions, operational profile

加速度的な負荷テストによりシステム評価に要する時間を減らすことができるが,この手法は決まったスケジュールで実行される機能には適用しにくい.本稿は,定期的にシステムクロックを進めるか,或いはプログラム可能なイベントインターフェイスを用いて,自動化されたテスト中にスケジュールされた機能を起動することによって,テストを加速する方法について述べる.この方法を使えば,加速度的な負荷テストのためにシステムの操作プロファイルをがゆがめることはない.

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計測モデリング技術
Measurement Modeling Technology

Jim Lawler, Barbara Kitchenham

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.68-75, May/June 2003

Keywords: metrics, measures, measurement models, measurement protocols, measurement automation

ソフトウェア産業において厳しい計測が必要不可欠になってきたが,多くの計測プログラムはソフトウェア管理者に実益をもたらさない.しばしば必要なデータが得られなかったり,妥当でなかったり,或いは提示が遅すぎたりする.しかし,適切に自動化された計測システムがあれば,先を見越した管理を可能にする報告をタイムリーに入手できる.本稿で紹介される計測モデリング技術(MMT)は,そんな自動化をサポートする.MMTはまた,複数のプロジェクト,部署,会社にわたって,組織が共有し,組み合わせることのできる標準的な計測とメトリクスを定める.

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文書理解システムのための自動QA
Automated QA for Document Understanding Systems

Sherif Yacoub (Hewlett-Packard Laboratories)

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.76-82, May/June 2003

Keywords: content remastering, document understanding, quality assurance

出版書籍,雑誌のコレクションをスキャンした画像のような,大量の入力データを処理するためには,コンテンツ理解システムが自動かつ継続的に,そして人が手を貸さなくても動作しているべきである.そのようなシステムの出力品質を保証するのは難しい仕事であるが,それゆえその成功には自動品質保証(QA)技法が不可欠なのだ.本稿において著者は,HPのデジタルコンテンツリマスタリング(RCRM)システムのために開発された3つの自動QA技法について論じる.

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いかにソフトウェアのプロ達の業務が全てを変えるか
How the Work of Software Professionals Changes Everything

James Cusick (Bluecurrent)

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.92-97, May/June 2003

Keywords: software development, software engineering, software industry, software profession

業務の主要な定義,業務の組織,そして今日のソフトウェアシステムと社会の発展の関係が示すように,ソフトウェアのプロ達の業務は,依然として今日の産業界にとって不可欠である.本稿は,どの業務を遂行すべきかという問題が,なぜソフトウェア分野に関して興味深いのか議論し,業務それ自体の持つ意味,および業務と個人,社会,そして経済との関係について探る.著者は,確立された業務の哲学をもって,(特にアメリカ合衆国における)ソフトウェア業務が未来に適合するか,そしてどのように適合するかを探る.

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データベースのテキスト探索アプリケーションを生成する
Generating Text Search Applications for Databases

Omar Alonso

IEEE Software, Vol. 20, No. 3, pp.98-105, May/June 2003

Keywords: domain engineering, product lines, software reuse, information retrieval, XML

本稿は,ドメイン工学の活動を支えるソフトウェア基盤の例を示す.それはドメイン分析ツールの出力をプログラムジェネレータに連携させて,ドメイン実装の入力とする能力を備えている.著者は,サーチエンジンアプリケーションをXMLで定義する方法と,Oracle9iが提供する技術によって,JavaおよびXMLツールを使ってプログラムジェネレータを記述する方法を示す.そのジェネレータは,JSP(Java Server Pages), PL/SQL, PL/SQL Server Pages という3つの異なる言語のためのコードを生成することができる.

HM

IEEE Software (IEEE) Vol.20, No.4


オブジェクト指向システムのための実践的なコードインスペクション技術:実験に基づく比較
Practical Code Inspection Techniques for Object-Oriented Systems: An Experimental Comparison

Alastair Dunsmore, Marc Roper, Murray Wood

IEEE Software, Vol. 20, No. 4, July/August 2003

Keywords: code inspection, object oriented, delocalization, empirical study

インスペクションは手続き型システムの欠陥検出に効果的な仕組みであるが、オブジェクト指向システムは異なる構造と実行モデルを持つ。 この記事はインスペクションの際にオブジェクト指向コードを読むための三つの異なるテクニックの開発と経験的調査について述べる。 研究は、リーディング技術はとりわけ非局在化(オブジェクト指向システムの全体わたる関係する機能の分散)について取り扱わなければならないことと、 オブジェクト指向システムの静的(コンパイル時)視点・動的(実行時)視点は、大部分は異なっているという事実を示唆している。 開発した三つのテクニックは、 オブジェクト指向の問題点に特に注目したチェックリスト、 インスペクターに仕様を解析調査(リバースエンジアリング)することを求める抽象駆動のリーディング戦略、 インスペクターに動的モデルについて考えることを強いるユースケース駆動のアプローチ、から成る。 この調査は三つのテクニックすべてについて洞察を与える。 特別にあつらえたチェックリストが全般的にもっとも効果があることがわかっている一方で、抽象駆動の戦略は非局在化の問題点をより良く扱うようだ。 重要なメッセージは、コードインスペクションはオブジェクト指向の特有の特徴を明示的に取り扱うべきということである。

yy


ソフトウェアインスペクションの手段としての優先順位付けされたユースケース
Prioritized Use Cases as a Vehicle for Software Inspections

Thomas Thelin, Per Runeson, Claes Wohlin

IEEE Software, Vol. 20, No. 4, July/August 2003

Keywords: checklist-based reading, controlled experiment, empirical study, reading technique, software inspection, software review, usage-based reading

ソフトウェアインスペクション、ユースケース、そして運用上のプロファイルテストからの原則は 使用法に基づくリーディング(usage-based reading)の技術へ統合される。 その目標はソフトウェアインスペクションに効率的なリーディング技術を提供することである。 この技術は、ソフトウェアおよびそれが含んでいるかもしれない欠陥についてユーザ視点を取るものである。 ユーザはたとえば、優先順位付けされたユースケースによってガイドされる設計文書を読む。 実験の評価によると、UBR手法は、チェックリストに基づく手法に比べて、 ユーザにとって致命的な欠陥をより効果的かつ効率的に見つけることができる。

yy


ソフトウェアのタイミング特性の欠陥検出と検証をしやすくすること
Making Software Timing Properties Easier to Inspect and Verify

Jia Xu

IEEE Software, Vol. 20, No. 4, July/August 2003

Keywords: real time, software, code, inspection, verification, timing properties, undecidability, state space explosion, preruntime scheduling, predictability

ソフトウェアの任意の部分のタイミング特性を検証できる一般的な手法やツールは、恐らく存在しない。 したがって、厳しいタイミング要求を持つソフトウェアは、 タイミング特性の欠陥検出と検証がやりやすくなるように体系的なアプローチを使って設計されるべきである。 実行前のスケジューリングは、複雑度を減少するためにソフトウェアに制約をかけることにより そのようなアプローチを提供する。

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きめの細かいソフトウェアインスペクションのためのツールサポート
Tool Support for Fine-Grained Software Inspection

Paul Anderson, Thomas Reps, Tim Teitelbaum, Mark Zarins

IEEE Software, Vol. 20, No. 4, July/August 2003

Keywords: software inspection, dependence graphs, program understanding, slicing, chopping

ソフトウェアインスペクションは、ソフトウェアライフサイクルの初期段階で欠陥の数を減らす。 連続する開発フェーズ各々のでエラーを除去するのはかなり高価なので、コスト削減を実現できる。 インスペクションプロセスの重要な部分は、ソースコードの詳細なインスペクションである。 このインスペクションには、通常、チェックリストに従う。 多くのツールはインスペクションプロセスを管理できるが、詳細なコード解析をサポートするものはほとんどない。 静的プログラム解析研究の最近の進歩は、ソフトウェアインスペクションのこの側面を扱うために利用できる。 ここでは、CodeSurfer というソフトウェアツールについて述べる。 このツールは、解析したプログラムの意味論のきめの細かい詳細を明らかにする。 CodeSurfer は一揃いのプログラムを静的解析し、プログラムの依存関係グラフ表現を生成する。 NASA の公式なインスペクションガイドブックから取ったインスペクションを例にして、このツールの実用性を説明する。

yy


UML 2.0 によるシステム設計
Architecting Systems with UML 2.0

Morgan Bjorkander, Cris Kobryn

IEEE Software, Vol. 20, No. 4, July/August 2003

Keywords: software modeling, systems modeling, Unified Modeling Language, UML, software architecture, systems architecture

方法論の争いが終わりを示し、オブジェクト・マネージメント・グループ(OMG) は、まず始めに1997年に統一モデリング言語(Unified Modeling Language)を標準化した。 ソフトウェア産業は、ソフトウェアとシステムアーキテクチャを仕様化するための標準モデリング言語として、それを迅速に受け入れた。 UMLは主に汎用のモデリングを意図していたものの、ビジネスプロセスモデリングやリアルタイムシステムモデリングといった多様な専門分野で、広範囲に利用さている。 これらの成功にもかかわらず、開発ツールはUMLの完全な潜在能力を実現するのに時間がかかった。 加えて、ソフトウェア産業は過去6年間で相当に発展し、UMLの最初のバージョン(UML 1.x) は、時代遅れになった。 この記事は、UMLの提案されたメジャー・リビジョン、UML 2.0 が言語をどのようにより今風のものにし、そしてその表現力と正確さを改善するかを説明する。 メジャーリビジョン作業の完了に伴い、強力な新しい UML 2.0 の機能を実現するようモデリングツールの改訂が予想されている。

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UMLi での ユーザインタフェースモデリング
User Interface Modeling in UMLi

Paulo Pinheiro da Silva, Norman W. Paton

IEEE Software, Vol. 20, No. 4, July/August 2003

Keywords: user interface design, object-oriented design, UML, UMLi, model-based user interface development environments

ユーザインタフェースはソフトウェアシステムの不可欠な部分であるが、 UMLは、ユーザインタフェースの問題について特別の注意を払って開発されていないように思える。 ユーザインタフェースの重要な側面をモデル化するのに標準のUMLを使うこともできるが、しばしば扱いにくい不自然な表現になる。 ユーザインタフェースのモデリングはそれ自体、確立した分野である。 たとえば、モデリングテクニックは、ユーザインタフェース中の相互作用するオブジェクト、タスク、低レベルのダイアログを記述できる。 ユーザインタフェース開発の一部としてモデルを利用することは、ユーザ要求を獲得し、 特定のレイアウトとウィジェットについての早まった合意を避け、 インターフェースの異なる部品間の関係とそれらの部品の役割を明確にするのを助ける。 UMLi は、一般的なユーザインタフェース機能性についての直接表現をサポートする手段を備えた UMLの拡張である。

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エンティティライフ・モデリング:問題環境に基づいてスレッドアーキテクチャをモデリングする
Entity-Life Modeling: Modeling a Thread Architecture on the Problem Environment

Bo I. Sanden

IEEE Software, Vol. 20, No. 4, July/August 2003

Keywords: concurrency, multithreading, resource sharing, software design, entity-life modeling (ELM)

オブジェクト指向開発は、問題ドメインのクラスおよび関係を識別し、 それらクラスと関係を設計、実装へシームレスにうつす。 エンティティライフ・モデリング(Entity Life Modeling)は、このモデリングの考え方を時間ドメインにまで拡張する。 ELMは、イベントスレッドと呼ばれる問題空間での事象発生のシーケンスを識別する。 イベントスレッドはソフトウェア・スレッドの基礎を形成するものである。 ELM は二つのモデリングテクニックを提供する。 基本的なテクニックでは、問題におけるイベントスレッドを機械的に発見するものである。 一方、パターンテクニックは、ユーザ間のリソース競合のような問題の同時性のパターンを取り扱う。 そのようなパターンは、ソフトウェアのスレッドと同期化オブジェクトによってモデル化される。 ELMは同時性レベルの概念をサポートする。 同時性レベルとは、ある意味では与えられた問題に最適のスレッド数を示すものである。

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IEEE Software (IEEE) Vol.20, No.5


モデル駆動型開発の実用性
The Pragmatics of Model-Driven Development

Bran Selic (IBM Rational Software)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.19-25, September/October 2003

モデルとモデルの表現するシステムの間をシームレスに結合できる可能性があるため,ソフトウェアにおいてモデルを使用することの潜在的利益は,他の工学分野に比べてかなり大きい.しかし,残念ながら,モデルが望んだ利益を生み出すことはまれである.旧世代ソフトウェア技術の成果物と文化に関する実用的課題を解決することが鍵である.

HM


モデルの意味するところ
What Models Mean

Ed Seidewitz (InteliData Technologies)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.26-32, September/October 2003

モデルはインフォーマルな図以上でなければならない.我々は,あるモデルとモデル化対象との関係,および派生する他のモデルとの関係を注意深く考察することによって,構築するシステムについて推論するためにどのようにモデルを用いるのか,そしてモデルを表現するための言語を定義するために,どのようにメタモデルを用いれば良いのかを理解することができる.

HM


図のない UML
UML without Pictures

Conrad Bock (US National Institute of Standards and Technology)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.33-35, September/October 2003

本稿は,記法,意味論,そしてモデルコンパイルがどのように関連するのか説明して,UMLを使ったリポジトリ中心開発の概念について考察する.UMLは多くのフォーマットで利用することができる.例えば,テキストで表現されたり,構文解釈して標準化されたリポジトリに保存したり,複数のプログラミング言語にコンパイルされたりする.ここでは,UML 2 のリポジトリを使った例を示す.

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モデル駆動型開発:メタモデリング基盤
Model-Driven Development: A Metamodeling Foundation

Colin Atkinson (University of Mannheim), Thomas Kuhne (Darmstadt University of Technology)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.36-41, September/October 2003

メタモデリングはMDD(Model-Driven Development; モデル駆動型開発)に不可欠な技術基盤である.しかし,その正確な記述形式と果たすべき役割に関する共通認識はほとんど存在しない.著者らはMDDに内在する動機を分析し,開発支援環境の満たすべき具体的要件を導き出す.彼らは,従来のメタモデリングの『言語定義』解釈ではなぜ十分な基盤たりえないのか議論し,どうすればMDDの全潜在能力を解き放つようメタモデリングを拡張できるのか説明する.

HM


モデル変換:モデル駆動型ソフトウェア開発の核心
Model Transformation: The Heart and Soul of Model-Driven Software Development

Shane Sendall (Swiss Federal Institute of Technology in Lausanne), Wojtek Kozaczynski (Microsoft)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.42-45, September/October 2003

モデル駆動型アプローチは,ソリューションの重要な側面を人に優しい抽象概念で記述し,テンプレートから共通のアプリケーション半完成品を生成することによって,開発の生産性と品質を向上させることができる.本稿は,モデル変換に対する複数の異なるアプローチについて調査し,モデル変換記述に対して望まれる言語特性を勧告する。

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モデル変形
Model Metamorphosis

Torben Weis, Andreas Ulbrich, Kurt Geihs (Berlin University of Technology)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.46-51, September/October 2003

MDD(Model-Driven Development; モデル駆動型開発)は,プラットフォーム非依存モデル(PIM; Platform Independent Model)からプラットフォーム依存モデル(PSM; Platform Specific Model)への,大部分の自動変換があってはじめて実用的になるであろう.拡張可能なルールベース変換言語 Kafka と,モデリングツール Kase により,ラウンドトリップ開発をサポートする,カスタマイズされた自動変換が可能になる.Kafka と Kase を使えば,開発者はメタモデルの詳しい知識がなくても変換を構築することができる.

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パターンに基づくモデルリファクタリングに対するメタモデリングアプローチ
A Metamodeling Approach to Pattern-Based Model Refactoring

Robert France, Sudipto Ghosh, Eunjee Song, Dae-Kyoo Kim (Colorado State University)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.52-58, September/October 2003

デザインパターンは,設計をよりモジュール化され,変更しやすく,再利用可能で,理解しやすいものにするような形式で問題を描くことにより,開発の解法を表現する.パターンに基づく設計モデルのリファクタリングに対する本メタモデリングアプローチは,デザインパターンの正確な定義と,変換ルールを含んでいる.

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既存のモデルを使ったモデル駆動型統合
Model-Driven Integration Using Existing Models

Peter Denno, Michelle Potts Steves, Don Libes, Edward J. Barkmeyer (US National Institute of Standards and Technology)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.59-63, September/October 2003

モデルは,ビジネストランザクションをビジネスエンティティ(実体)として表現し,システム統合作業自動化の助けとなりうる.結合アクションモデル(joint action model)は,システム統合を動機付ける新しいビジネストランザクションを記述する.

HM


モデル駆動型開発における関心の分離
Separation of Concerns in Model-Driven Development

Vinay Kulkarni, Sreedhar Reddy (Tata Research Development and Design Centre)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.64-69, September/October 2003

MDD(モデル駆動型開発)は,生産性,品質,そしてプラットフォーム独立性を改善したが,再利用とシステム進化のサポートにおいては成功していない.それらをサポートするためには,ステークホルダとその関心(concern)に対応した複数のビューの合成として,システムを定義しなければならない.著者らの提案するテンプレート抽象(Template abstraction)は,モデルとコードの両レベルにおける関心の分離(separation of concerns)を扱うことで,統合的にこの問題に対処する.

HM


ソフトウェア開発実践の選択における生産性と品質のトレードオフ
Trade-offs between Productivity and Quality in Selecting Software Development Practices

Alan MacCormack (Harvard University), Chris F. Kemerer (University of Pittsburgh), Michael Cusumano (Massachusetts Institute of Technology), Bill Crandall (Hewlett-Packard)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.78-85, September/October 2003

著者らは Hewlett-Packard社 29のプロジェクトから,生産性と品質に関する詳細データと解析結果を報告する.いくつかのソフトウェア設計モデルの特徴は,それ単独で考察すると性能にマイナスの影響を与えているが,他の属性と合わせて考えるとその影響は消失する.それ故,プロセスはばらばらに実施することのできる一連の個別実践と捉えるよりも,むしろ緊密に結びついたアクティビティのシステムであると捉えるべきである.

HM


ソフトウェアプロセス改善:青写真 vs レシピ
Software Process Improvement: Blueprints versus Recipes

Ivan Aaen (Aalborg University)

IEEE Software, Vol. 20, No. 5, pp.86-93, September/October 2003

ソフトウェアプロセスを青写真と捉えるならば,プロセス設計と使用の分離が強調され,しかるにソフトウェアプロセス設計者とプロセスのユーザは独立しているという主張になる.ここに示されるアプローチでは,ソフトウェアプロセスはレシピとみなされる.開発者は,手助け,熟考,即興により,個々人でそして集合的に,自身のソフトウェアプロセスを設計する.

HM

IEEE Software (IEEE) Vol.20, No.6


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