AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約


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Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.57, No.4


動的なウィンドウベースの多値画像ランレングス符号化アルゴリズム
A Dynamic Window-Based Runlength Coding Algorithm Applied to Gray-Level Images

Muthu Kumaran & Scott E. Umbaugh

Graphical Models and Image Processing, Vol.57, No.4, pp.267-282 (July, 1995)

多値画像を対象としたランレングス符号化の新しいアルゴリズムを提案する。 従来の水平列に並ぶ同じ濃度値の画素を(C,L)の形式(Cは濃度値、Lはランレン グス)で表現する方法では、通常Lが小さいため高い圧縮率を得られないという 問題があった。 本方式では、動的なウィンドウ領域を設け、Cを濃淡値の近似値として(C,L)の 形式で表現する。この方法は、可逆的ではないが、高い圧縮率を得ることがで き、さらにハフマン符号化を用いることができれば、より高い圧縮率を実現す ることができる。 ランレングスマッピングを用いる方法と用いない方法について試み、両者とも 単なる量子化を施したイメージと比較して、高い圧縮率にもかかわらず高周波 成分が損なわれていないことを示している。

Copyright(c) 1995 Academic Press, Inc.


多センサ画像合成のための統一された3次元モデル
Unified 3D Models for Multisensor Image Synthesis

Jonathan Michel & N. Nandhakumar

Graphical Models and Image Processing, Vol.57, No.4, pp.283-302 (July, 1995)

対象とする物体をそのシルエットをもとに8分木を用いてモデリングし、ビ ジュアル、熱、レーザーレーダー(ladar[=laser radar])の3つのモードで センサ画像をシミュレートすることを可能にした。 物体中の閉塞箇所を示す凹部を検出し、閉塞を持たない要素までシルエットを 分解して、各々の要素をモデリングした後にそれらを統合する。この方法によ れば、物体を平面へ投影して得られるシルエットに生じ得るfalse volumesが 削除されるため、モデリングの精度が向上する。 熱センサ画像については8分木の各ノードに熱的パラメータを持たせることに よって、複雑な、一様でない 、熱源を持つモデルを扱えるようになった。ま た、ladar画像では統計モデルを使ってspeckle noiseをシミュレートしている。


位相を適用したボロノイ図の分割統治型算法
Topology-Oriented Divide-and-Conquer Algorithm for Voronoi Diagram

Y.Oishi & K.Sugihara

Graphical Models and Image Processing Vol.57, No.4, pp.303-314 (July, 1995)

従来の分割統治型のボロノイ図構成算法では、数値誤差(計算機上での低精度 計算による数値誤差)により、正しい結果が得られないという問題があった。 本方式では、位相構造を用いて、この問題を解決した。具体的には、アルゴリ ズム中の各ステップにおいて、位相構造的に正しいかどうかをチェックし、 正しい場合はその結果をそのまま用い、正しくない場合は、その結果を用いな いようにすることにより、低精度の計算であっても、正しい結果が得られるよ うになった。また、計算速度においても従来方式と比較して悪化していないこ とも確かめられた。


未知の距離画像からの3次元モデルの構築
Building 3-D Models from Unregistered Range Images

K.Higuchi, M.Herbert, & K.Ikeuchi

Graphical Models and Image Processing Vol.57, No.4, pp.315-333 (July, 1995)

同一物体を異なった位置と方向から観測して得られた距離画像の組から物体 の3次元モデルを構築することは,コンピュータービジョン分野の課題の一つ である.従来の方法は,観測する位置と方向についての事前知識,もしくは, 距離画像からの複雑な特徴抽出アルゴリズムやモデル化されるクラスの形状の 制限という条件のどちらかを前提としていた.本論文では,そのような前提を 必要としない方法を提案している.

本手法では,物体の表面を,正則化条件を満たす微小平面の集合であるメッ シュで近似し,メッシュの各ノードでの曲率測度を単位球面上にマッピングし た計測球面(spherical attribute image)として表す.距離画像間のマッチ ングは,それぞれの計測球面間で行なう.計測球面のノードの密度からスケー ルを変換し,曲率測度を用いて距離を算出し,適合した部分画像を求め,各距 離画像の位置と方向の情報を得る.そして距離画像の計測球面の組から物体の 3次元モデルを構築する.この手法は,マッチングに必要な情報を距離画像の 組からすべて計算できるため,一切の前提条件をなくすことが可能である.


有理線織面:陰曲線と切断曲線
Rational-Ruled Surfaces : Implicitization and Section Curves

Thomas W.Sederberg & Takahumi Saito

Graphical Models and Image Processing, Vol.57, No.4, pp.334-342 (July, 1995)

1×nテンソル積による有理線織曲面の表現方法に関して以下の定理を証明し た。

<定理1>
base pointの重複度がρで表現される1×n次の有理線織曲面は、 ρ個の重複度1のbase pointを用いて表現できる。

<定理2>
重複度ρのbase pointで表現される1×n次の実係数による有理線 織曲面は、
n0+n1=2n−ρ を満たすn0次とn1次の準線( directries )で 表現できる。

<定理3>
有理線織曲面P(s,t)に沿って、m0次のmoving plane L0(s)とm1 次の moving plane L1(s)が与えられた時、f(X,Y,Z,W)を
f(X,Y,Z,W)=Resultant[L0(s)・(X,Y,Z,W), L1(s)・(X,Y,Z,W), s] と定義すると、
f(P(s,t))=0である。

<定理4>
m0+m1=n0+n1−ρ を満たすP(s,t)の母線( generator )に沿っ たm0次のmoving plane L0(s)とm1次のmoving planeL1(s)が与えられた時、 P(s,t)に関する陰関数( Implicit equation )は
f(X,Y,Z,W)=0 である。


ウエーブレットに基づく陰影画像からの形状復元
Wavelet-Based Shape from Shading

Jun-Wei Hsieh, Hong-Yuan Mark Liao, Ming-Tat Ko, & Kuo-Chin Fan

Graphical Models and Image Processing Vol.57, No.4, pp.343-362 (July, 1995)

与えられた輝度分布から、深さ分布(Z)、輝度勾配(p,q)を復元する shape from shading 問題に対して、ウエーブレット理論の持つ、対象を 効率的に正確に表現する、という性質を利用した解法を提案する。 復元すべきZ,p,q をウエーブレットで表現することにより、微分演算子を単純 な演算で近似できた。また、最適化の繰り返し処理で、評価関数の減少が最大 となるきざみ幅を決定できた。さらに、アルゴリズムのロバスト性を増すため、 新たな制約条件を導入した。 本手法は従来法と比べ、精度と速度において大きな改善が見られた。


Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.57, No.5


多重解像度を使った画像のフィルタリングと復元
Multiresolution Support Applied to Image Filtering and Restoration

Jean-Luc Starck, Fionn Murtagh and Albert Bijaoui

GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING, Vol.57, No.5, September, pp. 420-431, 1995

画像フィルタリングや復元などの問題に対する 有効な枠組として多重解像度のデータ構造を提案している。 これはウエーブレット変換により得られる各解像度レベルで、 各画素値と雑音の標準偏差など統計量と比較により決定される 重要度をあらわす2値画素からなる画像群である。

画像復元などの問題では、 入力画像自体の性質や対象の物理的性質を考慮することが重要である。 天文学では点光源状の画像を扱うことが多く、 他の分野で広く使われるエッジや連続性が意味を持たない。

このような画像に対するフィルタリングや画像復元において、 多重解像度サポートを利用することにより、 先見的知識をうまく導入できることが示された。


カラーパレット化画像の復元
Color Palette Restoration

Barbara E.Schmitz & Robert L.Stevenson

GRAPHICAL MODELS AND IMAGE PROCESSING, Vol.57, No.5, pp. 409-419 (September, 1995)

ディスプレイ装置を安価に作るために、同時に表示できる色数を制限する場合がある 。 数万から数十万色で表現された自然画を前述のようなディスプレイ装置で表示す る為には、フル解像度の色空間を限定された色空間にマッピングすることが必要だ。  しかし、限定された色空間にマッピングすることにより情報量は損失し、また画質 が劣化する。 この限定色画像に対して通常の画像処理を施したり、高解像度色のデ ィスプレイ装置に表示すると画質が著しく劣化する。 この論文では、カラーパレッ ト(限定した色数で表現された限定色)画像を、色空間上で高解像画像に復元する方 法に関して記述している。 アルゴリズムは、非ガウシャンマルコフランダムフィー ルドモデル(non-Gaussian Markv random field model)によるストキャスティック正 則化(stochastic regularization)に基づいている。 提案したアルゴリズムが、カ ラーパレット化画像に対する復元で有効であることが確認できた。


ステレオ測光画像から照射モデルのパラメータを推定する
Estimating the Parameters of an Illumination Model Using Photometric Stereo

Greg Kay

Graphical Model and Image Processing, vol.57, No. 5, September, pp.365-388, 1995

この論文は、同一場面を異なる方位から撮影したいわゆるステレオ画像から、対象物 の 照明条件を算出する方法について述べたものである。 従来、これが可能だったのは、対象物が均一な反射特性や、既知の照明条件が与えら れ ている場合、あるいは対象物の外形が凹部を含まない凸面体である場合であったが、 こ こでは、このような条件を取り払っても、測光されたステレオ画像のペアから3次元 照 射条件が計算できることを示す。ただし、1枚の画像の光源は1つであるとする。 画像中の1点についての輝度は、(1)光源と表面の方位に依存する散乱, (2)光源と表 面 方位と見る方向に依存するぼやけた反射光, (3)光源と表面方位と見る方向に依存する 鏡面反射光、の3つの項に分けて定式化した。さらに、これに、テータの信頼度を表 す 重み係数を入れて、観測されたデータに基づいた非線形回帰分析を行ない、上記各項 の 係数を求めた。まず、非線形の方程式を、テーラー展開して1次近似し、多数の測定 点 から少数のパラメータを求めるための最小2乗近似を特異値分解(singular value decomposition)によって求める。この方法は、特異値によって条件の安定性が評価で き 、 結果としてノイズの影響を抑えることが出来るのが従来との大きな違いである。 これを現実の画像に適用したところ、満足すべき結果を得ることが出来た。


球関数による3D物体の方位の決定
Determination of the Orientation of 3D Objects Using Spherical Harmonics

Gilles Burel and Hugues Henocq

Graphical Model and Image Processing, vol.57, No. 5, September, pp.400-407, 1995

3次元画像の方位を表すには、従来モーメントマトリックスを使っていた。こ れは、2次のモーメントを要素とするマトリックスである。ところで、量子力 学で使われる波動関数は球関数が一般的である。これは、原子の回りの波動を 表すのに適しており、特に低次の項は対称性が高く、一般的に、級数展開が可 能である。本論文では、まず球関数を直交座標のパラメータの級数に展開出来 ることを示し、さらに従来のモーメントマトリックスを球関数で表現してみせ る。医用画像にこの方法を適用した結果、誤差は従来のモーメントマトリック ス法に比べ半分以下となった。


カラー画像の高解像度ヒストグラム補正
High-Resolution Histogram Modification of Color Images

Jeffrey J. Rodriguez and Christopher C. Yang

Graphical Model and Image Processing, vol.57, No. 5, September, pp.432-440, 1995

デジタル画像のコントラスト強調を行なうための技術であるヒストグラム 補正に関しての、理論的および実験による検証の論文である。 カラー画像にとって、ヒストグラム補正は、通常、量子化された輝度成分 に対して適用されるが、輝度量子化誤差は、変換関数によって拡大され、 処理画像に歪みをもたらす。 量子化に伴う誤差伝播の最悪のケースについて理論的な解析を行い、 輝度量子化レベルの数と出力量子化誤差との関係が得られた。 ヒストグラム均等化の実験結果から、より高解像度のヒストグラムを 用いることによって、出力ヒストグラムを引き立たせるだけでなく、 歪みの抑制になることが証明された。


アダプティブ混合推定と教師なしローカルベイス法によるイメージセグメンテーション
Adaptive Mixture Estimation and Unsupervised Local Bayesian Image Segmentatio n

Anrong Peng and Wojciech Pieczynski

Graphical Model and Image Processing, vol.57, No. 5, September, pp.389-399, 1995

イメージセグメンテーションでは、ベイズ法による分類が広く用いられている。 これには大きくわけて2つの手法、全ての情報を用いるグローバルな手法と、限定 された情報を用いるローカルな手法がある。マルコフモデルに基づくグローバルな 手法は、イメージセグメンテーションに非常に有効であることが知られている。 一方で、ある特別な場合には、ローカルな手法も同様に有効であることが示されて いる。 本論文では、いろいろな状況において、いくつかのローカルな手法の結果を検証する 。 ローカルな手法は、セグメンテーションに必要なパラメータを、ノイズを含むデータ から推定する。これを”教師なし”と呼ぶ。ここでの統計上の問題は、混合推定の問 題 に 帰結する。 3つの混合推定のアルゴリズム、EM(expectation maximization)、SEM( stochastic expectation maximization)、ICE(iterative conditional estimation) を検証した。その結果、これらのアダプティブバージョンが有効であること、パラメ ータ推定の段階はセグメンテーションの最終結果に大きな影響を及ぼさない点で、 ローカルな手法は安定していること、EM、ICE、SEMの中でどれを使うかは大きな問題 ではないことがわかった。


Graphical Models and Image Processing (Academic Press) Vol.57, No.6


特徴距離変換
Salience Distance Transforms

Paul L. Rosin, Geoff A. W. West

Graphical Model and Image Processing; Vol.57, No.6, November, pp.483-521, 1995

距離変換は、マッチングとかスケルトニングとかのコンピュータビジョン の 多くの応用に利用されてきた。この論文では、2つの提案をしている: (1) 実際の応用に当たって適当なスケールを選んで変換しなければなら ないと言 う不便を解消するための多重スケール距離変換, (2)エッジ強度の閾値を設 定する必要性をなくして 有用性を高めるために、基本的な距離変換に加えて、 エッジ強度、 長さ、曲率と言ったいろいろな特徴を付加したこと。 これが、 マッチングとスネークフィッティングに応用された結果が示されている。


円弧の中心とその半径の推測におけるCramer-Raoの下界
Cramer-Rao Lower Bounds for Estimation of a Circular Arc Center and Its Radius

Y.T.Chan; Samuel M.Thomas

Graphical Model and Image Proessing; Vol.57, No.6, November, pp.527-532, 1995

測定した円弧の組からその円の中心座標と半径を決定する問題は 実用面から 興味がある。この推定におけるCramer-Raoの下界を与える 式を導いた。この 下界は、ノイズ因子、測定回数そして円弧の長さの 関数として表される。シ ミュレーション結果から、この式の正しさを確認 出来、「S.M.Thomas and Y.T.Chan, Computer Vision Graphics Image Process.45, 1989, 362-370」の 推測が下界を達成していることを示している。


表面ボクセライゼーションの基本
Fundamentals of Surface Voxelization

Daniel Cohen-Or, Arie Kaufman

Graphical Model and Image Proessing; Vol.57, No.6, November, pp.453-461, 1995

表面の3Dスキャンコンバージョンであるボクセライゼーション(voxelization) に関し ての、離散幾何学の理論的体系が述べられている。ボクセル体とは、 離散的形式の連 続体をボクセル正方格子上に3D表現したものである。離散的 表面に関する多くの重要 な性質は、結合性(connectivity)だけでは導くこと ができない。そこで、分離(separ ating)、到達範囲(coverage)の概念を導入 した。また到達範囲では分離を保証できな いため、より強い性質を持ったト ンネルフリーネス(tunnel-freeness)の概念も導入 した。これらの概念により 正当な表面ボクセライゼーションの基礎を形成することが できた。


3D中心面/中心座標軸を用いた骨格モデル構築のための細め処理アルゴリズム に関するノート
A Note on "Building Skeleton Models via 3-D Medial Surface/Axis Thinning Algorithms"

Gilles Bertrand and Gregoire Malandain

Graphical Model and Image Proessing; Vol.57, No.6, November, pp.537-538, 1995

最近の論文(T.C.Lee,R.L.Kashyap,and C.N.Chu,CVGIP:Graphical Models Image Process. 56, 1994,462-478)にて、3D物体の表面の中心と座標軸の中心 の両方を抽出するための新しい並列細め処理アルゴリズムが紹介されている。 このノートにて、上記の手法の3D単純点の特徴づけに関するいくつかの主張の 中で、正確でないところを正している。


改良されたコードブックエッジ検出
Improved Codebook Edge Detection

Zhou Jie, Peng Jiaxiong, and Ding Mingyue

Graphical Model and Image Proessing; Vol.57, No.6, November, pp.533-536, 1995

コードブックエッジ検出といわれる、ベクトル量子化されたイメージから 直 接エッジを検出する技術は、Mclean(CVGIP: Graphical Models Image Process. 55, 1993, 48-57)によって、提唱された。この方法を用いると、 エッ ジはエッジコードブックといわれる単純なルックアップテーブルによって、 検出される。本論文では、新しいタイプのエッジコードブックに基づいた エッ ジ検出の改良が提唱されている。 実験によると、Mcleanの方法よりもサイズ の小さい、新しいエッジコード ブックを用いて、よりよい性能が得られてい る。


未知の密度で散乱した点からの境界復元
Boundaries through Scatterd Points of Unknown Density

Remco C, Veltkamp

Graphical Model and Image Proessing; Vol.57, No.6, November, pp.441-452, 1995

この論文では、与えられた点群のすべてを通る単純な閉多角形(2次元)、 また は多面体(3次元)を再構成する方法を提案している。 点群は穴や空洞のない閉 じた物体の境界にあるとだけ仮定し、 各点の位置関係や密度、方向などにつ いての先見的な知識は用いない。 この方法はγ近傍グラフに基づいており、 γ近傍グラフは幾何的な情報を取り込みながら徐々に収縮していく。 この収 縮法は2次元3次元に共通したアプローチを提供する。

Copyright(c) 1995 Academic Press, Inc.


グレースケール soft morphology から2値 soft morphorogy への閾値分解
Threshold Decomposition of Gray-Scale Soft Morphology into Binary Soft Morphology

Christopher C. Pu, Frank Y.Shih

Graphical Model and Image Proessing; Vol.57, No.6, November, pp.522-526, 1995

グレースケール soft mathematical morphology は、 ノイズや変動に強いこ とが知られている、2値 soft mathematical morphology の自然な拡張である が、実時間処理を実現することは困難であった。 この記事では、閾値分解と スタッキングと呼ぶ属性を グレースケール soft mathematical morphology に適用する。 これによりグレースケール信号と構成要素は それぞれの2値集 合に分解されるので、 VLSIを使ったロジックゲートだけで処理することがで きる。 そして2値処理の結果を再び統合することにより 時間のかかるグレー スケール処理と同等の結果が得られる。

SA

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非線形力学システムによる流体流れイメージと速度測定データの表現と可視化
Representing and Visualizing Fluid Flow Images and Velocimetry Data by Nonlinear Dynamical Systems

Ralph M. Ford, Robin N. Strickland

Graphical Model and Image Proessing; Vol.57, No.6, November, pp.462-482, 1995

スーパーコンピュータの進歩は、気象や空力学のような流れ現象の正確な シ ミュレーションを可能にした。ところで、これらの実験及びシミュレー ショ ンにより、可視化や解釈が困難な程、大量なデータが生成される。 これらの 問題を扱う為、非線形微分方程式のモデルが、流れ場の記述、圧縮、 可視化 に適用される。 イメージデータの非線形モデルを計算する3つの方法が検討 された。 2つは臨界点の線形な振る舞いにより、全体の非線形な振る舞いを 決定しよう とするものである。得られる解法は、計算が単純であるが、結果 は満足できる とは限らない。そこで、もっと信頼性があり複雑である、全体 的な流れ場の モデルを計算する方法が検討された。この方法では、臨界点は、 振る舞い、 位置により分離統合され、モデル化される。これは、粒子の速度 測定実験及び コンピュータシミュレーションで得られた速度の場に適用され た。圧縮比率は、 15分の1から100分の1になった。

GA


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