アルコール摂取はコカイン依存を呼び込む (Alcohol use primes cocaine addiction)
アルコール摂取は他の種類の薬物依存の入り口として働くことがあると、ずっと思われてきた。 Griffin たちは、げっ歯類のモデルにおいて、アルコール消費がどのようにして、その後のコカイン摂取への行動的および神経的な応答を高めるのかを研究した。 前もってのアルコール消費は、嫌悪すべき結果に直面してさえも、コカインの自己服用がより長く続く結果をもたらした。 長期にわたるアルコール摂取は、報酬系の記憶に関係する脳領域の線条体におけるヒストン脱アセチル化酵素の活性を下げることで、コカインが誘発する遺伝子発現を許す後成的な環境を作り出した。(MY,nk,kh)
- ヒストン脱アセチル化酵素:ヒストン・タンパク質のアミノ基がアセチル化すると,その部分でのDNAの巻き付き力が弱まり,このDNA領域の遺伝子発現が活性化する。 脱アセチル化酵素は,これを抑制する機能を持つと考えられている。