AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約


[インデックス] [前の号] [次の号]

Science June 5 2015, Vol.348


ハチにとって、多くの道が社会の調和につながる(For bees, many roads lead to social harmony)

真社会性(eusociality)は,働き手が自身の生殖権を犠牲にして共生集団を支える社会のことで,何度も進化して,昆虫においての最も進んだ社会進化の形を表している.Kapheimたちは、さまざまな度合いの社会性を持つ10種のハチのゲノムを調べ,根底にあるゲノムの寄与を決定した.どのゲノムの経路も1つでは真社会性につながらなかったが,遺伝子調節の増大やメチル化の増大といった特徴にはゲノム間の類似性が見いだされた.また,複雑な社会性が出現した後に,淘汰圧が緩んだらしい.(MY,nk,kh)
【訳注】
・ゲノム:遺伝子情報のこと
・遺伝子調節:遺伝子発現の分子レベルの過程である遺伝子の転写に対し,その開始を促進したり抑制すること
・メチル化:DNA塩基にメチル基が付加されること.メチル化により遺伝子発現に変化が生じる
Genomic signatures of evolutionary transitions from solitary to group living (Science, this issue p. 1139)

ヒト発生の最初期段階が明らかにされた(Earliest stages of human development revealed)

哺乳類卵母細胞の減数分裂に関する私たちの知見のほとんどは,マウス卵母細胞の研究に由来している.しかしながら,マウス卵母細胞の染色体分離は,ヒトのそれよりもはるかに異常が少ない.Holubcoveたちは体外受精(IVF)を最初に開拓した医療施設と共同で,採取されたばかりのヒト卵母細胞を研究した.彼らは高分解能蛍光顕微鏡を用い,減数分裂の各段階を通過する際の100を越えるヒト卵母細胞を観察した.マウスに比べると、ヒトでは減数分裂紡錘体の形成に16時間と言う異常に長い時間を要し、その結果その間に起こる分裂エラーの確率も増大することが判った。(MY,nk)
【訳注】
・染色体分離:減数分裂時に、結合していた相同染色体が互いに離れて1本ずつ娘細胞に分離すること
Error-prone chromosome-mediated spindle assembly favors chromosome segregation defects in human oocytes (Science, this issue p. 1143)

N2Oのいっそうの増加は、笑いごとではない(More N2O is no laughing matter)

N2O(笑気:laughing gas)は、強力な温室効果ガスであり、その発生源と吸収源を追跡することは---自然の過程によるものも含めて---緊喫の課題である。Babbinたちは同位体による追跡法を開発して、Eastern Tropical North Pacific Ocean における N2O の減少速度を直接に測定した。不完全な脱窒素反応の結果、急激な循環と正味の N2Oの蓄積とをもたらす。世界の海洋の酸素最小層が拡大するにつれて、以前予想されたよりも多くの N2Oが大気に入る可能性がある。(Wt,KU,nk,kh)
【訳注】
・酸素極小層:細菌の有機物分解の結果、溶存酸素量が極めて少なくなった、海洋深度 600 - 1000 mの層。
Rapid nitrous oxide cycling in the suboxic ocean (Science, this issue p. 1127)

冷たい摩擦シミュレータ(A frigid simulator for friction)

我々が、滑りやすい道路でブレーキをかけようとしているのか、工業装置の中の可動部を守ろうとしているのかによって、摩擦は友にも敵にもなり得る。それは、接触する二つの面の原子間の力に起因しているが、その過程の詳細は良く分かっていない。Bylinskii たちは、光格子の電位の中を移動する少数の冷たい捕獲イオンによる、調整可能摩擦シミュレータを作り上げた(Meyerによる展望記事参照)。彼らは、光格子に対するイオン列の空間的配置を変化させるだけで、イオンが受ける摩擦力を最大からほぼゼロまで変化させることができた。(Sk,kh)
Tuning friction atom-by-atom in an ion-crystal simulato (Science, this issue p. 1115; see also p. 1089)

そのニュースのあらゆる面を得ているか?(Not getting all sides of the news? )

人々は、ニュースや社会的な情報を知る方法として、マスメディアに背を向けソーシャルメディアへとますます向かいつつある。Bakshyたちは、フェースブック使用者が仲間同士で共有するニュースを調べた。彼らはどんな情報を示され、最終的にはどんなニュースを読むのだろうか(Lazerによる展望記事参照)?フェイスブックの友人同士では、社会的に彼らと反対の立場の情報源が提供する、彼らと逆側の視点からのニュースを共有することはあまりない。フェイスブックのアルゴリズムが決めるニュースランキングでは、自分たちの考えと対立する内容のニュースタイトルに人々が触れる機会は(マスメディアと較べ)おおよそ15%低くなる。さらに、実際にクリックしてそのニュースの内容を読むことは70%も低い。ソーシャルメディア内で出会う政治的なニュースに関しては、選択的接触、つまり自分の意見に合う内容のニュースを選んで読むこと、が働いているらしい。(KU,ok,nk,hy,kh)
Exposure to ideologically diverse news and opinion on Facebook (Science, this issue p. 1130; see also p. 1090)

二重にトラブル(Double trouble)

気候変動が海水を温めることは良く知られているが、海水が温まるに従い、溶存酸素濃度もまた減少する。Deutschたちは代謝、温度そして個体数統計に関するデータを結合し、いろいろな魚類や甲殻類動物種に対する海洋の脱酸素の影響を測定した(Kleypasによる展望記事参照)。予測された気候と酸素の条件では、海洋魚類の分布を極方向に縮小させると予期され、それは赤道側の海水があまりにも酸素レベルが低すぎて、海洋魚類の必要とするエネルギーを維持することができないことによる。更に、より極側の海水であっても、酸素レベルは減少するであろう。(UC,KU)
Climate change tightens a metabolic constraint on marine habitats (Science, this issue p. 1132; see also p. 1086)

古い小器官をくびにする(Giving an old organelle the old heave-ho)

中心小体は、大昔からの細胞小器官で、動物細胞において主要な微小管形成中心の中心体を構築する。中心小体の複製は密に制御され、個々の分裂細胞が正確に二つの中心体を持つことを保証している。ヒト癌細胞は、しばしば余分な中心体を持っており、増殖に有利となる。Wongたちは小分子(centrinones)を開発し、これが中心小体を細胞から可逆的に「取り除く」ことを可能にした(Stearnsによる展望記事参照)。驚いたことに、癌細胞は中心体が欠如しても分裂を続けたが、一方正常な細胞は分裂を止めた。(KU,nk,kh)
Reversible centriole depletion with an inhibitor of Polo-like kinase 4 (Science, this issue p. 1155; see also p. 1091)

トリケラトプスは腕の立つ歯科医を必要としていた?(Was triceratops in need of a good dentist?)

爬虫類と草食性哺乳類では,歯の構造や配列が本質的に異っている.Erickssonたちはナノメカニクスと古生物学を組み合わせ,草食性恐竜の歯の構造を研究した.トリケラトプスとハドロサウルス(duckbilled dinosaur)の歯は,植物を効率的に咀嚼するように進化し, 草食性哺乳類で見られるのと同様な歯の複雑さと摩耗パターンを獲得した.(MY,bb)
【訳注】
・ナノメカニクス:ナノサイエンスの一分野で,物理システムの力学的性質をナノメーターレベルで取り扱う
【参考】
 爬虫類、一般恐竜、肉食性哺乳類では、歯は犬歯のように尖っていて、獲物を捕らえ、肉を切り裂くことはできるが、硬い葉や草を細かくすることができない。 草食性哺乳類は、エナメル質が象牙質の中に細かく入り込んでいるので、歯が少しでも減ると、象牙質に比べてエナメル質の磨耗が少ないので、エナメル質の部分が、鋭い連続した峰となって、一つの歯でも何カ所かで突出する。つまり、歯の表面が平面ではなく三次元的立体構造となっているので、硬い葉や草を細切り(みじん切り)にすることができる。
    そして、トリケラトプスとハドロサウルスでは、草食性哺乳類とは違った歯の組織構造による方法で、一つひとつの歯の切縁(刃)の中央部分に溝が切ってあり(細切りにするときの抵抗が少ない)、 立体構造をもつ歯を、縦横にたくさん並べ(デンタル・バッテリーと呼ばれる)、草食性哺乳類と同様な機能を持つ歯を作り上げた。おろし金のような配置。
Wear biomechanics in the slicing dentition of the giant horned dinosaur Triceratops(Sci. Adv. 10.1126/sciadv.1500055 (2015))

子癇前症に対し薬剤が PPARの役目を果たす(Drugs play a PPAR against preeclampsia)

| 子癇前症は命に係わる妊娠合併症で、高血圧と尿にタンパク質を含む症状を示す。子癇前症の根底にある原因は、いまだ理解されていない。子癇前症に対する唯一の効果的な処置は早産であるが、これは子供にとって危険を伴う。Holobotovskyyたちは、RGS5と呼ばれる血管タンパク質が、妊娠中の血圧の制御に重要な役割を果たしていることを示している。このタンパク質の欠如は、マウスモデルで子癇前症に似た症候群を引き起こした。そのマウスが、PPARアゴニストと呼ばれる薬剤を用いて効果的に治療されたが、このアゴニストの幾つかは、既に糖尿病の人間で使用が認可されている。(KU,kh)
【訳注】
・アゴニスト(agonist):生体作用物質と同じ作用を示す薬剤
Regulator of G protein signaling 5 is a determinant of gestational hypertension and preeclampsia (Sci. Transl. Med. 7, 290ra8 8 (2015))

ウイルスへの暴露---その完全な歴史(Viral exposure---the complete history)

病気の原因となることに加えて、ウイルスは、後になっても消し難い足跡を残すことがある、というのも、感染は免疫系を永久に変えてしまうからである。抗ウイルス性抗体を検出する血液検査は、過去および現在の、ウイルスへの暴露を示すことができる。通常、そうした検査は、一度に一つのウイルスだけを測っている。全てのヒトウイルスペプチドの包括的表現を用いて、Xuたちは、既知のすべてのヒトウイルスに対する抗体を同定する血液検査を開発した。彼らは、年齢や地理的所在の異なる600人近くの人から得た血液試料を調べて、ほとんどが、生きてきた間におよそ10種類のウイルス種に曝されてきたことを発見した。あるウイルスに対する暴露率は人によって違うにも関わらず、各人の抗体応答は、ほとんどの場合同じウイルス性エピトープを標的にしていた。(KF,nk)
【訳注】
・エピトープ:抗体が認識する抗原の一部分のこと。
Comprehensive serological profiling of human populations using a synthetic human virome (Science, this issue 10.1126/science.aaa0698)

筋萎縮症のマウスモデル(A mouse model for ALS)

C9ORF72中の G4C2リピート伸長は、前頭側頭型認知症と筋萎縮性側索硬化症(c9FTD/ALS)の主要な遺伝的原因として知られている。しかし、鍵となる病気の特徴をうまく示す動物モデルがないことによって、c9FTD/ALS関連の神経変性を理解しようとする努力が阻害されてきた。これまで、Chewたちは、c9FTD/ALSの神経病理学的な、及び臨床的な表現型の双方を模擬したマウスモデルについて記述している。(KF,KU)
C9ORF72 repeat expansions in mice cause TDP-43 pathology, neuronal loss, and behavioral deficits (Science, this issue p. 1151)

古い革袋に新しい酒を---結核の薬剤開発(New for old---TB drug development)

結核(TB)は、長期の薬物治療が必要な、世界的な健康への脅威である。患者は数カ月にわたって、複数の薬剤を服用しなければならず、治療を最後まで続けないことが多い。その結果、薬剤耐性のある病原体系統が出現することとなり、これが脅威を増大させている。Klingたちは、グリセリマイシン(griselimycin)と呼ばれる天然物を改めて研究したが、それは原型の抗結核薬ストレプトマイシンを産生したのと同じ生物体から抽出された。無修飾のグリセリマイシンは、薬理学的には効き目が悪かった。しかし、その合成誘導体の一つは、経口での取り込みを改善し、結核のマイコバクテリウム(結核菌)をかくまっている免疫系細胞に浸透した。他の薬剤との組み合せにおいて、グリセリマイシン誘導体は、結核のマウスに対する作用の強さを示したのである。(KF,KU,nk,kh)
Targeting DnaN for tuberculosis therapy using novel griselimycins (Science, this issue p. 1106)

強誘電ドメインを可視化する(Visualizing ferroelectric domains)

強磁秩序と強誘電秩序が強く相関している多重強秩序性材料(Multiferroic materials)では、磁場によって電気的秩序を、電場により磁気秩序を制御することができる。Matsubaraらは第二高調波発生顕微鏡を用いて、多重強秩序材料である TbMnO3の強誘電ドメインにおいて、強力な磁場により電気分極を90度変えた際に生じる現象を可視化した。驚くべきことに、当初分極ベクトルと平行であったドメイン壁は、形状或いは位置を変えなかった。中性から荷電ドメイン壁に変化するこの現象は、将来強誘電素子の開発に役立つであろう。(NK)
Magnetoelectric domain control in multiferroic TbMnO3 (Science, this issue p. 1112)

口紅がすべり去る(lip sliding away)

ハードディスクドライブやエンジンのように、可動部の摩耗を最小化するために、多くの用途が超低摩擦の状態による恩恵を受けるであろう。非常に小さな規模では、超低摩擦は、潤滑剤としてのグラファイトで観察されている。Berman たちは、グラフェンを結晶性ダイヤモンドのナノ粒子およびダイヤモンドライク・カーボンと組み合わせて用いることにより、超潤滑性を達成した(Honeと Carpickによる展望記事参照)。シミュレーションは、非常に小さなナノダイヤモンド粒子の周りのグラフェン小片の滑りが、接触面積が減少したナノスクロールを作り出すことを示した。それは、無定 型ダイヤモンド状炭素表面に対して容易に滑る。(Sk,kh)
【訳注】
・ナノスクロール:(グラフェンシートなどを)巻物状に丸めたナノサイズの構造物
Macroscale superlubricity enabled by graphene nanoscroll formation (Science, this issue p. 1118; see also p. 1087)

秩序だてて並ぶ(Standing at order)

固体基板上の有機分子薄膜は、多くの部位で核を形成し、複数のドメインを成長させる。しかしながら、素子への応用においては、一枚の大きくて均一なフィルムのほうがはるかに望ましいであろう。Seikiたちは、空間を六角形のタイルで埋める有機分子を設計した。それは、結晶の表面に付着したプロペラ状のトリプチセン基体と、それから伸びるアルキル基の尾からなる。著者らは、最大センチメートル長の規模の、秩序正しい多層フィルムを作成できた。(Sk,nk,kh)
Rational synthesis of organic thin films with exceptional long-range structural integrity (Science, this issue p. 1122)

浅海で(Not as deep)

気候が温暖化すると、多くの種の分布区域がより温暖な極方向へ移動すると予想されている。しかしながら、温度のみに集中することは、日射強度といった緯度とともに変化する多くの因子を無視することになる。Muirたちは、二つのグループの岩礁を構築するサンゴの世界的な分布を調べた(Kieypasによる展望記事参照)。ほとんどの岩礁を構築するサンゴは、大波から保護される程度に深い所に生じている。しかしながら、サンゴは彼らの相利共生の光合成の藻類を保持するために、太陽光を必要とする。赤道から遠く離れると、日射がより制限されるために、今後のサンゴ集団は、水の動きがより激しい浅海に制限される可能性がある。(KU,nk,kh)
Limited scope for latitudinal extension of reef corals (Science, this issue p. 1135; see also p. 1086)

電子顕微鏡の限界を前進させる(Pushing the limits of electron microscopy)

最近のクライオ電子顕微鏡(クライオEM) の進歩は,巨大高分子の構造をほぼ原子レベルの分解能で決定することを可能にする.しかしながら,今まで2オングストローム(Å)近傍の分解能は(医薬品設計の鍵となる特性が明らかにされる分解能),依然としてX線結晶学の領域である.BartesaghiたちはクライオEMを用いて,465kDの配位子の結合したタンパク質複合体に対して,2.2Åの分解能を達成した.密度図は,800個近い水分子,マグネシウム,ナトリウムイオン,及び正確な側鎖の立体配置を示すのに十分詳細である.これらの結果は,合理的医薬品設計でのクライオEMの常用をさらに一歩近づけるものである.(MY,KU,kh)
【訳注】
・クライオ電子顕微鏡:観察試料を低温(-269℃〜-170℃)に冷却して透過型電子顕微鏡で観察する方法.試料に染色等の改変を加える前処理を必要としないことや水の離脱を抑制できるため,生体分子では,生の姿で水分子を含んだ形での観察が可能となる,
・465kD:Dはダルトンで,生物系での分子量表記に用いられる.465KDは分子量が4.65×10^5であることを表す
・合理的医薬品設計:構造知見などに基づき医薬品を設計していく方法
2.2 A resolution cryo-EM structure of β-galactosidase in complex with a cell-permeant inhibitor (Science, this issue p. 1147)

老いていく幹細胞中の異質染色質(Heterochromatin in aging stem cells)

ウェルナー症候群(WS)などのヒトの加齢症候群の分析は、早発性老化と正常な老化の双方をよりよく理解することにつながる可能性がある。Zhangたちは、WS-特異的なヒト胚性幹細胞の同質遺伝子的な系統を創り出した(BrunauerとKennedyによる展望記事参照)。WS-間葉幹細胞は、異質染色質の組織崩壊などの、早発性老化に特徴的な特性を示した。WRNタンパク質は、つまり、異質染色質の維持のために機能していて、異質染色質の変化がヒト加齢の推進力を示している可能性がある。(KF,KU)
【訳注】
・ウェルナー症候群:ドイツの内科医オットー・ウェルナー (Otto Werner) により、初めて臨床報告された、成人期以降に発症する早老症の一タイプ。
・同質遺伝子的(isogenic):遺伝的に同一、つまりゲノムが同一であるような。
・WRNタンパク質:ウェルナー症候群原因遺伝子(WRN)によってつくられるタンパク質
A Werner syndrome stem cell model unveils heterochromatin alterations as a driver of human aging (Science, this issue p. 1160; see also p. 1093)

骨の崩壊を指示する足場(A scaffold for directing bone breakdown)

破骨細胞による骨の破壊が遥かに多く、骨芽細胞による骨形成が追い付かないと、骨粗鬆症になる。破骨細胞分化因子(RANKL)というサイトカインとキナーゼ p38が、骨中の前駆物質を刺激してそれを破骨細胞に変えている。Linたちは、RANKLのその受容体複合体への結合が裏打ちタンパク質 RACK1を補充し、それによって p38の活性化をもたらしていることを発見した。マウス頭蓋骨の一部で RACK1濃度を減らすように処置すると、未処置部分と較べ、そこでは RANKLが破骨細胞形成を刺激して骨量減少を引き起こす働きが低下した。こうした結果は、骨粗鬆症に対する有力な治療標的を提供するものである。(KF,KU,nk)
【訳注】
・サイトカイン:免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。
The scaffold protein RACK1 mediates the RANKL-dependent activation of p38 MAPK in osteoclast precursors (Sci. Signal. 8, ra54 (2015))
[インデックス] [前の号] [次の号]