AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約


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Science April 12, 2002, Vol.296


速報(Brevia)

長寿矮小ショウジョウバエの給餌制限(Dietary Restriction in Long-Lived Dwarf Flies) 加齢を遅らせる要因を知ることは、加齢の原因究明に計り知れない価値をもつ。長寿命 の変異マウスであるAmes矮小マウスに、自由摂取の70%に食餌制限をしたところ、更に 寿命を延ばした。Ames変異と給餌制限は独立に作用することが分かっている。ショウジ ョウバエを使って、Clancy たち(p. 319)は、インシュリン/インシュリン成長因子様 情報伝達(IIS)経路の変異と食餌制限による加齢遅延は、重複しているが異なってい るメカニズムで起きることを示した。IIS経路のchicol変異をもつ群とコントロール群 では、どちらも食餌制限で寿命がのびたが、最大の寿命延長を達成するための食餌量は 、両方の群で違っていた(chicol変異群では0.8倍の食餌量であり、コントロール群で は0.65倍の食餌量であった)。(hE)
Dietary Restriction in Long-Lived Dwarf Flies
   David J. Clancy, David Gems, Ernst Hafen, Sally J. Leevers, and Linda Partridge
p. 319.

クロロフェノールを処理する(Cleaning Up Chlorophenols)

クロロフェノールは様々な製品の製造に用いられてきたが、パルプの漂白過程における副 産物でもある。この毒性の高い化合物を環境中から処理するためにいくつかの生物学的及 び化学的な手法が開発されたが殆どは高濃度の汚染物質の処理には長時間かかるか、効率 的でなく、より毒性の高い物質が生成されることさえある。Sen Guptaたちは(p. 326、Meunierによる展望記事も参照)、過酸化水素をtetraamidomacrocyclicリガンドを持 つ鉄触媒で活性化することでクロロフェノールの仲間のうち最も一般的な2つの汚染物質 であるトリクロロフェノールとペンタクロロフェノールを、常温下で数分という短時間で 完全に無機化(CO、CO2とCl-)するか、より毒性の低い有機物質に 変換できることを示している。(Na)
CHEMISTRY:
Catalytic Degradation of Chlorinated Phenols

   Bernard Meunier
p. 270-271.
Rapid Total Destruction of Chlorophenols by Activated Hydrogen Peroxide
   Sayam Sen Gupta, Matthew Stadler, Christopher A. Noser, Anindya Ghosh, Bradley Steinhoff, Dieter Lenoir, Colin P. Horwitz, Karl-Werner Schramm, and Terrence J. Collins
p. 326-328.

もっと多く存在した母天体(More Differentiated Bodies)

玄武岩は、太陽系初期に分化した小惑星や惑星の表層に広く分布し、その一部は、そのよ うな天体からきた隕石として回収されている。隕石の一のグループのユークライトのすべ ては、分化した小惑星vestaからきたものと考えられている。これらの親天体と信じられ ている多くは、惑星、あるいは、地球の月であるが、隕石の一グループであるユークライ トは、ただひとつ分化した小惑星 Vesta からきたものとして知られている。Yamaguchi( 山口 亮、国立極地研究所)たち (p.334; Palme による展望記事を参照のこと)は、最近 回収された玄武岩質の隕石であるNorthwest Africa 011 (NWA011) は、岩石学的にユーク ライトに類似するにもかかわらず、その酸素同位体比はユークライトのそとは異なること をあきらかにした。これは、その隕石が、太陽系の別の領域で形成されたことを示す。こ のことから、太陽系にはまだ知られていない分化した小惑星が存在していた可能性がある 。 (Wt,Nk,Og,Tk)
【訳注】ユークライトについては、国立科学博物館理工学研究部米田成一氏によるホ ームページ (
a href="http://research.kahaku.go.jp/department/engineering/3/inseki/koube_inseki2.html) に判りやすい説明がある。
PLANETARY SCIENCE:
A New Solar System Basalt

   Herbert Palme
p. 271-273.
A New Source of Basaltic Meteorites Inferred from Northwest Africa 011 
   Akira Yamaguchi, Robert N. Clayton, Toshiko K. Mayeda, Mitsuru Ebihara, Yasuji Oura, Yayoi N. Miura, Hiroshi Haramura, Keiji Misawa, Hideyasu Kojima, and Keisuke Nagao
p. 334-336.

藻類が温度計を汚す(Algae Fouls a Thermometer)

サンゴの骨格を形成するアラゴナイト(炭酸カルシウム)が結晶化中に、ストロンチウム (Sr)が取り込まれるが、これは熱力学的影響を受ける。そのため、Sr/Ca比を測定するこ とで、高い信頼度で海表面温度を推定することができる。しかし、いくつかの研究結果を 比較すると、その間の数値の更正量は5℃以上もの開きがある。Cohenたち(p. 331; およ びSchrag and Linsleyによる展望記事参照)は、何が原因でこのような誤差が生じるかを 調べ、ニューイングランド沿岸のサンゴであるAstrangia poculataの共生体がSr/Ca の比 を、変動量の65%も支配していることを突き止めた。この発見によれば、Sr/Ca 比による 温度測定には、試料採集に当たって更に注意が必要なことを示唆している。(Ej,hE)
PALEOCLIMATE:
Corals, Chemistry, and Climate

   Daniel P. Schrag and Braddock K. Linsley
p. 277-278.
The Effect of Algal Symbionts on the Accuracy of Sr/Ca Paleotemperatures from Coral
   Anne L. Cohen, Kathryn E. Owens, Graham D. Layne, and Nobumichi Shimizu
p. 331-333.

恒星風から恒星リングへ(From Winds to Rings)

恒星が最後に大爆発し死滅する超新星は、爆発前の恒星のダイナミクスをなぞっている 、ガスや噴出物(ejecta)を 爆発跡に明るく輝かせて残す。TanakaとWashimi(p.321)は 、1987A爆発の電磁流体力学シミュレーションを実施し、SN1987Aの明瞭な3環構造 (three-ring)を再現した。爆発に先立って、赤色超巨星のゆっくりとした膨張相と青色超 巨星の急速な膨張相との間に、ガスの流れの相互作用(wind-wind interaction)が発生し た。磁場線のねじれ、磁場ピンチ(magnetic pinch)は、プラズマの流れ(wind)と恒星の回 転によって生じ、ガスの流れの相互作用(wind-wind interaction)を高める。(TO,Nk)
Formation of the Three-Ring Structure Around Supernova 1987A
   T. Tanaka and H. Washimi
p. 321-322.

振って作る(Shake and Make)

ディスプレイのような半導体集積デバイスの作成には、多数のコンポーネントを組立て 、これらの相互接続が必要である。Jacobs たち (p.323) は、センチメートルの大きさの 物体を結合するのに用いられる組立てプロセスは、ずっと小さな物体(〜300μm)にも適用 可能であることを示している。LED は単層の金コートされた表面上に形成されているのだ が、それら LED を、はんだをパターニングしたフレキシブルな基板にくっつけた状態で 溶液中に浸した。ゆっくり攪拌を行うと、LED はそのはんだに付着する。組立ての初期段 階で発生した少数の不具合は、より強い攪拌と初期のデポジションサイクルを繰り返すこ とにより、容易に修正することができた。このプロセスは、113個の素子と 1800個の素子 を持つ基板に対して実証された。後者の場合、組立ては完全ではなかったが、両方の場合 とも全プロセスは数分以内に完了した。これは、このプロセスは、最適化することにより 、スケールアップして大規模なデバイスを形成することが可能であることを示唆している 。(Wt,Ok)
Fabrication of a Cylindrical Display by Patterned Assembly
   Heiko O. Jacobs, Andrea R. Tao, Alexander Schwartz, David H. Gracias, and George M. Whitesides
p. 323-325.

ウシが呼ばれた(Cattle Called)

アフリカの多くの文化においてウシの牧畜は大きな役割を担っているにもかかわらず、そ の起源はほとんど分かっていない。Hanotteたち(p.336;Stokstadによるニュース記事参 照)は、アフリカ大陸のウシ集団の広範囲なサンプリングからの分子生物学的データを用 いて、遺伝子の変異の様々な系統を解明した。ある土着のウシが家畜化された中心地から もっとも早い時期のウシがまず分岐し、次いで近東(Near Eat)やヨーロッパから二次流入 した。アジアコブウシ(Asian zebu)からアフリカのウシ集団への遺伝子移入が2つの段階 で発生し、そして最近の北アフリカへの牧畜の導入は西の移住通路(western migration corridor)ではなくむしろ東側の移住通路によって生じた。(TO)
ARCHAEOLOGY:
Early Cowboys Herded Cattle in Africa

   Erik Stokstad
p. 236.
African Pastoralism: Genetic Imprints of Origins and Migrations
   Olivier Hanotte, Daniel G. Bradley, Joel W. Ochieng, Yasmin Verjee, Emmeline W. Hill, and J. Edward O. Rege
p. 336-339.

違いを生む発現(Expression Making the Difference)

チンパンジーとヒトは、その遺伝的材料の98%以上が共通であるが、その形態と認知能力 においては著しく異なっている。Enardたちは、共通の遺伝子の発現パターンのどのよう な違いが、そうした種の違いを説明しうるか、を探究している(p. 340; また、Pennisiに よるニュース記事参照のこと)。1万8千個のヒトの相補的DNAを載せたマイクロアレイを用 いて、彼らは、ヒトとチンパンジー、マカクザルの脳や肝臓、血液における遺伝子発現パ ターンを比較した。肝臓と血液における発現パターンの違いは種間の進化距離に対応して いた。しかし、脳では、チンパンジーとヒトの発現パターンの差は、チンパンジーとマカ クザルとの間の差よりずっと大きなものであった。チンパンジーとヒトの分岐には、ヒト の脳における発現パターンの加速的な進化が伴ったのである。(KF)
PRIMATE EVOLUTION:
Gene Activity Clocks Brain's Fast Evolution

   Elizabeth Pennisi
p. 233-235.
Intra- and Interspecific Variation in Primate Gene Expression Patterns
   Wolfgang Enard, Philipp Khaitovich, Joachim Klose, Sebastian Zöllner, Florian Heissig, Patrick Giavalisco, Kay Nieselt-Struwe, Elaine Muchmore, Ajit Varki, Rivka Ravid, Gaby M. Doxiadis, Ronald E. Bontrop, and Svante Pääbo
p. 340-343.

流れに抗する(Going Against the Flow)

免疫抑制のためのすでに用いられているある薬の作用機序が、リンパ球の遊走を制御する 新たなレベルの存在を明らかにした。Mandalaたちは、薬剤FTY720の活性型が、ひとたび 服用されるとリン酸化されること、また、スフィンゴシン1-リン酸に似ていることを示し ている(p. 346)。このスフィンゴシン1-リン酸は、それによる同族受容体の活性化が、免 疫応答の調節に影響を与えている脂質である。この薬剤と脂質は、体内のリンパ球の循環 を抑制することで、免疫抑制性を達成しているのである。(KF)
Alteration of Lymphocyte Trafficking by Sphingosine-1-Phosphate Receptor Agonists
   Suzanne Mandala, Richard Hajdu, James Bergstrom, Elizabeth Quackenbush, Jenny Xie, James Milligan, Rosemary Thornton, Gan-Ju Shei, Deborah Card, CarolAnn Keohane, Mark Rosenbach, Jeffrey Hale, Christopher L. Lynch, Kathleen Rupprecht, William Parsons, and Hugh Rosen
p. 346-349.

筋肉増強(Powering Up Muscle)

訓練を続けると、細胞に栄養を供給する器官であるミトコンドリアの生成を刺激して、骨 格筋の酸化能力を高める。このような適応性のプロセスを媒介する分子情報伝達に関して 余りよく知られていない。骨格筋内でCa2+カルモジュリン依存性タンパク質 キナーゼIV(CaMKIV *)の機能亢進形を発現する遺伝子組換えマウスの研究を通して、Wuた ち(p. 349)はカルシウム制御の信号伝達経路が筋肉におけるミトコンドリアの生物発生を 制御する重要な役割を果たしていることを立証している。(KU)
Regulation of Mitochondrial Biogenesis in Skeletal Muscle by CaMK
   Hai Wu, Shane B. Kanatous, Frederick A. Thurmond, Teresa Gallardo, Eiji Isotani, Rhonda Bassel-Duby, and R. Sanders Williams
p. 349-352.

クラスターの生成法(Making Way for a Cluster)

金属酵素ニトロゲナーゼは、化学反応しにくい大気中の窒素の還元を触媒して生物が利用 可能なアンモニアに変える。窒素はFeMo(鉄モリブデン)補助因子(FeMoco)クラスターと 結合し、そしてそのクラスターは1つのモリブデン(Mo)原子と7つの鉄(Fe)原子とそし て九つの硫黄(S)原子を含む。このクラスターは生体内で合成され、また四量体の MoFeタンパク質へ組込まれる。Schmidたち(p. 352)は、FeMocoを生成できないアゾトバク タ系から単離される MoFeタンパク質の結晶構造について述べている。彼らは負に荷電し たFeMocoを入れられるサイズの正に荷電した漏斗型の構造を観察しているが、これは触媒 反応を持つニトロゲナーゼを組み立てる最終段階である。(hk)
Structure of a Cofactor-Deficient Nitrogenase MoFe Protein
   Benedikt Schmid, Markus W. Ribbe, Oliver Einsle, Mika Yoshida, Leonard M. Thomas, Dennis R. Dean, Douglas C. Rees, and Barbara K. Burgess
p. 352-356.

ヒスパニオラにおけるワクチン由来のポリオ(Vaccine Derived Polio in Hispaniola)

ハイチとドミニカ共和国で2000年7月から2001年7まで、2人の死亡者を含めて麻痺性灰白 髄炎の患者数は21人に及んだ。Kewたち(p 356;NathansonとFineによる展望記事参照)は 、これらは、約3年前のハイチのワクチンから派生した1型ウイルスから由来し、これがそ の後野生エンテロウイルスとの組換えによって病原を取り戻したらしいことを示している 。近年この国々でのワクチン管理不足(十歳くらいの患者も現れた)によって、組換え型ウ イルスが完全に免疫しなかった子供たちの間に広範に疫学的環境を起こした。この激増は 、全世界のポリオ根絶の計画において、免疫化戦略の作戦を注意深くたてることと麻痺患 者の徹底的なモニタリングの必要性について警報している。(An)
VIROLOGY:
Poliomyelitis Eradication--a Dangerous Endgame

   Neal Nathanson and Paul Fine
p. 269-270.
Outbreak of Poliomyelitis in Hispaniola Associated with Circulating Type 1 Vaccine-Derived Poliovirus
   Olen Kew, Victoria Morris-Glasgow, Mauricio Landaverde, Cara Burns, Jing Shaw, Zacarías Garib, Jean André, Elizabeth Blackman, C. Jason Freeman, Jaume Jorba, Roland Sutter, Gina Tambini, Linda Venczel, Cristina Pedreira, Fernando Laender, Hiroyuki Shimizu, Tetsuo Yoneyama, Tatsuo Miyamura, Harrie van der Avoort, M. Steven Oberste, David Kilpatrick, Stephen Cochi, Mark Pallansch, and Ciro de Quadros
p. 356-359.

ハエの微生物防御(Microbial Defense in Flies)

ショウジョウバエにおいて、生得的免疫応答が2つの枝に分れて進化してきたが、それぞ れが真菌あるいは細菌細胞壁にコードされた分子パターンを認識する。各々の免疫応答は 、特異的抗菌活性をもつペプチドをコードする別の遺伝子を活性化する。Choeたち(p 359;Khushたちによる展望記事参照)は、ird71とird72という2つの変異対立遺伝子を研究 した。これらは、Relish転写制御因子の切断と核の転位置を防ぐことによって、通常は imd経路によって活性化される遺伝子を抑制する。ird7対立遺伝子は、ペプチドグリカン 認識タンパク質(PGRP)遺伝子を含む第3染色体の、ある領域にマップされ、各変異体にお ける機能の破壊を説明できるPGRP-LC切り詰めをコードする。ird7変異体ハエにおける野 生型PGRP-LCのトランスジェニック過剰発現による表現型の救出と、株化細胞のRNA干渉分 析によれば、PGRP-LCがショウジョウバエの抗菌応答の重要な成分であることが確認され た。(An)
IMMUNOLOGY:
Enhanced: Pathogen Surveillance--the Flies Have It

   Ranjiv S. Khush, François Leulier, and Bruno Lemaitre
p. 273-275.
Requirement for a Peptidoglycan Recognition Protein (PGRP) in Relish Activation and Antibacterial Immune Responses in Drosophila
   Kwang-Min Choe, Thomas Werner, Svenja Stöven, Dan Hultmark, and Kathryn V. Anderson
p. 359-362.

分子状態で移動するクルー(Molecular Moving Crew)

結晶の表面で、活性化エネルギーの障壁を乗り越えるに足る熱エネルギーがあると、原子 はより低いエネルギー構造を形成するために再配列する。低温において、Cu(110)の表面 は安定なテラス、或いは階段状のエッジ状となり、温度を上げるとCu原子は表面を動き回 って形状が変動する。Roseiたち(p. 328)は、4本の足とテラス状の表面を持つように設 計された有機の「Lander(着陸船)」分子(C90H98)を用いて 、Cu原子の移動を制御出来ることを示している。Lander分子はその表面にCu原子を吸着し て、一つの階段から他へとCu原子を動かして、原子的相互の連結を形成する。(KU)
Organic Molecules Acting as Templates on Metal Surfaces
   F. Rosei, M. Schunack, P. Jiang, A. Gourdon, E. Lægsgaard, I. Stensgaard, C. Joachim, and F. Besenbacher
p. 328-331.

成熟のルーツ(The Roots of Ripening)

気体ホルモンであるエチレンは、トマトやバナナなどの、ある種のクリマクテリック(果 実が完全に熟する直前の呼吸度が最大値を示す期間)の果実の熟成に作用する 。Vrebalovたち(p. 343;Causierたちによる展望記事を参照)は、ここで、熟成へのエ チレンの関与の前に、制御的ステップがあるとの知見を提供する。以前から知られている 、果実が熟成できないトマトのrin(rinripening-inhibitor)変異体は、隣り合った2種 のタンデム遺伝子、LeMADS-RINおよびLeMADS-MC、を破壊しそしてキメラ転写ユニットを 生成する、染色体欠失の結果生じたものであることが判明している。両方の遺伝子とも MADS-ボックスを含有しており、それらのコードするタンパク質が、ファミリー様の類似 性を共有する転写因子であることが示唆される。それらが変異していない状態においては 、LeMADS-RIN遺伝子が果実の熟成の阻害物質をコードし、そしてLeMADS-MC遺伝子が萼片 および花序の発生の制御物質をコードする。(NF)
PLANT BIOLOGY:
MADS-Box Genes Reach Maturity

   Barry Causier, Martin Kieffer, and Brendan Davies
p. 275-276.
A MADS-Box Gene Necessary for Fruit Ripening at the Tomato Ripening-Inhibitor (Rin) Locus
   Julia Vrebalov, Diane Ruezinsky, Veeraragavan Padmanabhan, Ruth White, Diana Medrano, Rachel Drake, Wolfgang Schuch, and Jim Giovannoni
p. 343-346.

1918年の"スペイン風邪"ウィルス遺伝子組換えについての事実に疑問(Questioning the Evidence for Genetic Recombination in the 1918 "Spanish Flu" Virus)

1918年のインフルエンザ大流行を引き起こしたウィルスの分子的解析および系統発生的解 析において、Gibbsたち(2001年9月7日、p. 1842の報告)は、ウィルスのヘムアグルチニ ン(HA)遺伝子に関する組換え体の起源についての事実を見いだし、そして"ウィルスの ビルレンスをおそらく変化させた"組換え現象により、大流行を引き起こされた、と示唆 した。Worobeyたちは、コメントの中で、別の系統発生的な解析から、このウィルス中に" HA遺伝子が・・・組換え起源を有していたという証拠は存在しない"と結論付け、そして Gibbsたちにより観察された"明らかな組換え"は、実際には、HA遺伝子の球状ドメインお よび桿状領域の間の"進化速度の相違"から生じたとの意見を発表した。Gibbsたちは 、Worobeyたちの代替案の提示は興味深いものではあるものの"未だ証明されたものではな い"と反論し、そしてオリジナルの研究の技術および結論を守るためのいくつかの意見を 提示している。これらのコメントの全文は、以下のサイトで見ることができる。(NF)
www.sciencemag.org/cgi/content/full/296/5566/211a
Questioning the Evidence for Genetic Recombination in the 1918 "Spanish Flu" Virus
   Michael Worobey, Andrew Rambaut, Oliver G. Pybus, David L. Robertson, Mark J. Gibbs, John S. Armstrong, and Adrian J. Gibbs
p. 211.

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