Science November 28, 2003, Vol.302
特異的なDNAの巻きつき(Distinctive DNA Wraps)
カーボンナノチューブ(CNT)の電気特性を完全に説明するためには、作られた一群の
ナノチューブを充分に分散し、その後にこの種々雑多なチューブを大きさやタイプ
別に分離する方法が必要となる。DNAのセグメントを含めた幾つかの物質がナノ
チューブの可溶化に用いられてきた。Zhengたち(p.1545)は或る種の塩基配列に対し
て、ナノチューブの直径に種々依存してDNAがチューブに巻きつくことを示してい
る。巻きついたDNA-CNT集合体は,個々のナノチューブに対して異なる電気特性へと
導いた。直径やタイプ(金属性に対する半導体性)に基づいた個別の分離が陰イオン
交換クロマトグラフィを用いて行なわれた。(KU)
Structure-Based Carbon Nanotube Sorting by Sequence-Dependent
DNA Assembly
Ming Zheng, Anand Jagota, Michael S. Strano,
Adelina P. Santos, Paul Barone, S. Grace Chou, Bruce A. Diner, Mildred S.
Dresselhaus, Robert S. Mclean, G. Bibiana Onoa, Georgii G. Samsonidze,
Ellen D. Semke, Monica Usrey, and Dennis J. Walls
p. 1545-1548.
逆ドップラー効果(Inverse Doppler Effect)
普通のドッブラー効果においては、サイレンのような近づく物体からの音のピッチ
は、近づくと上がり、離れると下がる。特異な環境下でかつ新たな散乱特性をもつ
物質においては、近づくと音のピッチが下がる逆ドップラー効果が起こることが理
論的に予見されている。 SeddonとBearpark (p. 1537)は、このように理論的に得ら
れた現象を実験的に検証し報告している。つまり遠ざかる衝撃面から反射する電磁
波が特別に作られた伝送線を伝播していくとき、より高周波側へシフトしていたこ
とが述べられている。周波数シフトは衝撃面の伝播速度によって決定され、それ故
にこの周波数シフト量は調整可能であろう。(hk)
Observation of the Inverse Doppler Effect
N. Seddon and T. Bearpark
p. 1537-1540.
温暖化の物語(Tales of Warming)
5500万年前の大規模でかつ急激な温暖化の事象である暁新世-始新世の温度極大
化(PETM)により、高緯度地域では10℃、深海では5℃温度上昇した。低緯度地域での海
面におけるこの影響に関しては、熱帯地域での信頼に値する海面温度(Sea Surface
Temperature:SST)の記録が無いために未解決のままであった。Zachosたち(p.
1551)は、熱帯地域の太平洋からの堆積物堀削コアに基づいてSSTを再現している。
昔に死んだが海面に存在していた有孔虫の骨格における酸素同位体比とMg/Caの比の
測定により、彼らは温度と塩度の記録を作り、SSTが近似的に5度上昇したことを見
い出した。温暖化が大気CO2濃度の2〜3倍の増加によって引き起こされ
たと仮定したモデル研究と、この結果は一致する。(KU)
A Transient Rise in Tropical Sea Surface Temperature During
the Paleocene-Eocene Thermal Maximum
James C. Zachos, Michael W. Wara, Steven Bohaty,
Margaret L. Delaney, Maria Rose Petrizzo, Amanda Brill, Timothy J.
Bralower, and Isabella Premoli-Silva
p. 1551-1554.
アト秒パルスを利用して光学的アカペラを歌う?(Optical A Cappella with
Attosecond Pulses?)
光学レーザーの高い調和振動性は強烈なレーザー光がガスと相互作用することを利
用して軟X線領域まで拡張できる。もし、この調和振動の位相を同調させることがで
きれば、きわめて短いパルスが生成できる。同様の方法をそのまま拡張したアト
秒(10-18)のX線パルスの高調波は同調していないことを、Mairesse た
ち(p. 1540)は見つけた。しかし、背景にある超高速電子力学の制御の最適化によっ
て同調性を大幅に改善でき、130アト秒の軟X線パルスが生成できた。(Ej)
Attosecond Synchronization of High-Harmonic Soft
X-rays
Y. Mairesse, A. de Bohan, L. J. Frasinski, H.
Merdji, L. C. Dinu, P. Monchicourt, P. Breger, M. Kovacev, R. Taïeb,
B. Carré, H. G. Muller, P. Agostini, and P. Salières
p. 1540-1543.
紛らわしいカラー(False Color)
人工衛星から海洋表面のクロロフィル濃度を測定することによって、生物学的生産
性の近似値を得ることができる。しかし、栄養分の不足で生産性が低下する亜熱帯
海洋でも、最近の研究によって局地的に生産量が増加していることがわかっ
た。Dandonneauたち (p. 1548; およびClaustre and Maritorenaによる展望記事参
照)は人工衛星の測定、海洋混合モデル、表面風解析、当該場所でのクロロフィル
データを結びつけ、高濃度クロロフィルはRossby波に駆動された上昇流で供給され
る光合成生産物によるものではないと結論付けられた。これは以前推測されていた
こととは異なる。著者たちは、クロロフィル濃度信号の増加の原因として、Rossby
波収束に伴う風によって浮遊粒子が凝集したことによるのではないかと考察してい
る。(Ej,hE)
OCEAN SCIENCE:
The Many Shades of
Ocean Blue
Hervé Claustre and Stéphane
Maritorena
p. 1514-1515.
Oceanic Rossby Waves Acting As a "Hay Rake" for Ecosystem
Floating By-Products
Yves Dandonneau, Andres Vega, Hubert Loisel, Yves
du Penhoat, and Christophe Menkes
p. 1548-1551.
分子エレクトロニクスが熱を打ち負かす(Molecular Electronics Beats the
Heat)
分子エレクトロニクスの当面の目標の一つに、動的ランダムアクセスメモ
リー(DRAM)として働く小さな記憶デバイスを作り出すことである。しかし、製造ラ
インを扱っている技術者は、そうしたメモリーをチップのその他の部分と一緒に400
度にもなる高温にさらさなければならない。C. Liuたちは、Si(100)表面に結合した
ある種のポルフィリン分子が、不活性雰囲気中でそのような高温に耐え、電位誘導
によるスイッチング機能を示すことを明らかにした(p. 1543)。このスイッチング機
能は、1012回後も維持されており、これはDRAMにおける10年以上にわた
る動作に相当するものである。(KF)
Molecular Memories That Survive Silicon Device Processing and
Real-World Operation
Zhiming Liu, Amir A. Yasseri, Jonathan S. Lindsey,
and David F. Bocian
p. 1543-1545.
分子によって晩餐に招待される(Molecular Dinner Invitations)
プログラム細胞死をこうむりつつあるアポトーシス性の細胞は、潜在的に有害なも
のなので、通常それらは死に行く細胞を呑み込む食細胞によって除去される。食細
胞はアポトーシス性の細胞を、原形質膜の細胞表面側の単分子層にあるホスファチ
ジルセリンの存在によって認識する。2つの報告が、ホスファチジルセリン受容体を
欠く動物が細胞の死骸を飲み込むに際して欠陥をもっていることを明らかにしてい
る(Savillたちによる展望記事参照のこと)。Wangたちは、線虫(C.elegans)では、ホ
スファチジルセリン受容体が、発生の過程で細胞の死骸を除去する2つの知られてい
る情報伝達経路のうちの一つと相互作用しているらしいことを明らかにしてい
る(p.1563)。Liたちは、当該の受容体を欠くマウスが、死んだ細胞が蓄積するため
に肺や脳の発生において欠陥を示すことを明らかにしている(p. 1560)。(KF)
Cell Corpse Engulfment Mediated by C. elegans
Phosphatidylserine Receptor Through CED-5 and CED-12
Xiaochen Wang, Yi-Chun Wu, Valerie A. Fadok,
Ming-Chia Lee, Keiko Gengyo-Ando, Li-Chun Cheng, Duncan Ledwich, Pei-Ken
Hsu, Jia-Yun Chen, Bin-Kuan Chou, Peter Henson, Shohei Mitani, and Ding
Xue
p. 1563-1566.
CELL BIOLOGY:
Eat Me or
Die
John Savill, Chris Gregory, and Chris Haslett
p. 1516-1517.
突然変異率におけるウサギとカメの競走( Tortoise and Hare Race in
Mutation Rates)
自然の生息環境においては細菌はほとんどの期間は成長停止状態にある。突然変異
の速度と、この成長停止期間との関連はほとんど分かってない。Loewe たち(p.
1558)は、この定常期の方が、指数増殖期の培養物よりも遺伝的変化はずっと急速で
あることを発見した。大腸菌を使った有害変異集積(deleterious mutation
accumulation)実験を長期間の定常期で調べた結果、一日当たり、ゲノム当たりで約
0.03のわずかな有害変異が観察された。この値は急速増殖細胞から外挿した値より
も1桁大きいが、適応的定常期の変異実験からの推測と一致する。対数状
態(log-phase)で評価した以前の変異速度モデルは、かなり過小評価していたことに
なる。(Ej,hE)
High Deleterious Genomic Mutation Rate in Stationary Phase of
Escherichia coli
Laurence Loewe, Volker Textor, and Siegfried
Scherer
p. 1558-1560.
流れに任せて魚は泳ぐ(Fish Go with the Flow )
人工的に発生させた渦のある水流の中では、魚は自分のエネルギー消費が小さくな
るような泳ぎ方をする。Liao たち(p. 1566; Mullerによる展望記事も参照)は、渦
発生水流中を泳ぐマスに筋電図記録計を接続し、モニターと同時に記録できるよう
な装置を作った。それによると魚は渦を遮るのではなく、避けるときにはエネル
ギー最小となるように泳ぐことを見つけた。(Ej,hE)
PHYSIOLOGY:
Fish 'n
Flag
Ulrike K. Müller
p. 1511-1512.
Fish Exploiting Vortices Decrease Muscle
Activity
James C. Liao, David N. Beal, George V. Lauder,
and Michael S. Triantafyllou
p. 1566-1569.
バンコマイシン耐性のブドウ球菌(Vancomycin-Resistant Staph)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は病院で罹病する抗生物質の多剤耐性感染
の原因である。2002年に、「最後の」抗生物質であるバンコマイシンに対する耐性
例が米国の透析患者で報告された。耐性は、多剤耐性接合性プラスミドである
pLW1043中に可動要素Tn1546が組み込まれたことによって生じたものである。このト
ランスポゾンは選択的細胞壁生合成遺伝子をもっている。Weigelたち (p. 1569;
Ferberによるニュース記事参照)は、このプラスミドの配列を報告しており、配列に
は別の抗生物質および殺菌剤に対する耐性要素も含まれている。同じ患者で見つ
かったEnterococcus faecalisから単離された類似のプラスミド由来のTn1546が種間
移動したために、バンコマイシン耐性の原因となったのであろう。(hE)
MICROBIOLOGY:
Triple-Threat Microbe
Gained Powers From Another Bug
Dan Ferber
p. 1488.
Genetic Analysis of a High-Level Vancomycin-Resistant Isolate
of Staphylococcus aureus
Linda M. Weigel, Don B. Clewell, Steven R. Gill,
Nancye C. Clark, Linda K. McDougal, Susan E. Flannagan, James F. Kolonay,
Jyoti Shetty, George E. Killgore, and Fred C. Tenover
p. 1569-1571.
核への取り込みに分子の箸を使う(Molecular Chopsticks in Nuclear Import)
細胞からコレステロールを除くと転写制御因子SREBP-2 (sterol regulatory
element-binding protein 2)が核に取り込まれ、直接核内移行受容体に結合す
る。Lee たち(p. 1571; Stewartによる展望記事も参照)は、importin-βの:SREBP-2
複合体の結晶構造を3.0オングストロームの解像度で決定した。importin-β分子は、
その立体構造をSREBP-2二量体の対称性に応じて適応させ、同様にして他の二量体基
盤に結合するのであろう。SREBP-2二量体はimportin-β内の長いラセン体に捕まれて
いる。このimportin-βは箸のような動作をする。Ranグアノシン3燐酸のimportin-β
による結合で、この箸は開き、SREBP-2を核に放出すると箸は閉じる。(Ej,hE)
STRUCTURAL BIOLOGY:
Nuclear
Trafficking
Murray Stewart
p. 1513-1514.
The Structure of Importin-ß Bound to SREBP-2: Nuclear
Import of a Transcription Factor
Soo Jae Lee, Toshihiro Sekimoto, Eiki Yamashita,
Emi Nagoshi, Atsushi Nakagawa, Naoko Imamoto, Masato Yoshimura, Hiroaki
Sakai, Khoon Tee Chong, Tomitake Tsukihara, and Yoshihiro Yoneda
p. 1571-1575.
キナーゼの秘密、暴かれる(Kinase Secrets Revealed)
タンパク質キナーゼは、触媒としてだけではなく、骨格およびドッキングターゲッ
トとしても機能する。Papaたち(p. 1533)はここで、予想されていなかったキナー
ゼIre1の立体構造依存性活性化により、小胞体内からの"折り畳まれていないタンパ
ク質の反応(UPR)"がどのように活性化されるかを示している。このUPRにより、タ
ンパク質シャペロンおよびその他の因子の産生が刺激され、分泌経路内部において
誤って折り畳まれたタンパク質の蓄積に対処する細胞の能力を向上させる。アデノ
シン5'-三リン酸(ATP)結合部位が修飾される場合、立体構造変化を、大型のATP類
似体により模倣することができる。Ire1により促進されるRNAスプライシング活性の
活性化は、驚くべきことにリン酸化とは独立している。(NF)
Bypassing a Kinase Activity with an ATP-Competitive
Drug
Feroz R. Papa, Chao Zhang, Kevan Shokat, and Peter
Walter
p. 1533-1537.
冠状血管疾患の遺伝学(Genetics of a Coronary Vascular Disorder)
冠状動脈疾患(CAD)に影響を及ぼす遺伝的因子は、いまだあまり分かっていな
い。Wangたち(p. 1578)は、高い罹病率のCADに似ている血管症状を発症する大家
族を研究したが、このほとんどの場合で心筋梗塞が引き起こされた。ゲノム全体に
わたる連鎖解析により常染色体性優性遺伝子座を同定したが、そこには血管発生に
関与すると考えられている内皮細胞の転写因子、MEF2Aが含まれていた。MEF2A中で7
アミノ酸が欠損する欠損変異の結果、MEF2Aの核局在化が阻害され、MEF2A-媒介性転
写活性化が減少し、そしてドミナント-ネガティブ機構を介したMEF2Aによるそして
転写因子GATA-1による相乗的活性化が起こらなくなった。MEF2A経路がアテローム性
動脈硬化により引き起こされるCADの共通型において何らかの役割を果たしているか
どうかは、いまだはっきりしていない。(NF)
Mutation of MEF2A in an Inherited Disorder with Features of
Coronary Artery Disease
Lejin Wang, Chun Fan, Sarah E. Topol, Eric J.
Topol, and Qing Wang
p. 1578-1581.
邪魔しない(Do Not Disturb)
地球上の生物圏は、年間に全世界の人間が生み出したCO2放出量のう
ち、約四分の一を吸収する。Eddy共分散研究において森林の林冠の内部およびその
上層の様々な高さで測定したCO2濃度を利用して、森林がそれぞれの場
所でどの程度吸収または放出を行っているかを推定したところ、老樹齢の熱帯多雨
林は一般的に、特にアマゾンは、実質的な炭素除去装置であることが示された。し
かしながら、アマゾンの森林による取り込みが非常に大きいならば、そのような地
域はまた、CO2の大気への放出もまた起こっている地域であるというこ
とでもある。これは、局所的CO2交換の大気の逆転現象についての研究
により、アマゾンは、eddy共分散評価から推定された除去装置よりもずっと微弱な
除去装置でしかないことが示されたためである。Saleskaたち(p. 1554)は、ある
老樹齢のアマゾン多雨林は、差し引きで炭素の供給源の可能性があることを報告
し、そしてより初期の研究では、最近の自然の擾乱現象による作用を無視すること
により、その除去装置としての強度を過大評価してきた可能性があることを示唆し
た。東部アマゾンにおける森林炭素交換の季節変化は、予想以上に強力であり、そ
して通常予想されていたものとは位相が逆転していた。これらの知見から、局地的
な結果に基づいて炭素捕捉を局所的に推定することの難しさが強調され、そしてア
マゾンの森林が、仮説を立てられたものとは異なって、エル・ニーニョなどの気候
サイクルに対して反応することが示された。(NF)
Carbon in Amazon Forests: Unexpected Seasonal Fluxes and
Disturbance-Induced Losses
Scott R. Saleska, Scott D. Miller, Daniel M.
Matross, Michael L. Goulden, Steven C. Wofsy, Humberto R. da Rocha, Plinio
B. de Camargo, Patrick Crill, Bruce C. Daube, Helber C. de Freitas, Lucy
Hutyra, Michael Keller, Volker Kirchhoff, Mary Menton, J. William Munger,
Elizabeth Hammond Pyle, Amy H. Rice, and Hudson Silva
p. 1554-1557.
若者の筋肉の源泉(A Muscular Fountain of Youth)
筋肉繊維が損傷すると、骨格筋前駆細胞が増殖し、分化して再生し、損傷した筋肉
を修復する。骨格筋を再生する能力は年と共に衰え、ノッチ(Notch)信号伝達が正常
な成人の筋肉修復に必要である。Conboyたち(p. 1575)は、Notch機能も、又マウス
の骨格筋再生において年齢に関連性の減退を示すことを示している。古い筋肉も若
い筋肉も同数の筋肉前駆細胞を所有しているが、しかしながらより年老いたマウス
からの前駆細胞はNotchリガンドを誘発する能力も、かつ筋肉損傷に応じてNotch信
号伝達を活性化する能力も減少していた。強制的なNotch-1の活性化は古い筋肉の修
復能力を回復したが、一方Notch-1の抑制は若い筋肉の再生を弱めていた。(KU)
Notch-Mediated Restoration of Regenerative Potential to Aged
Muscle
Irina M. Conboy, Michael J. Conboy, Gayle M.
Smythe, and Thomas A. Rando
p. 1575-1577.
免疫学的信号伝達の制制(Controlling Immunological Signaling)
免疫応答転写制御因子KF-kappaBの活性化と核の転位置には、細胞表面の様々な受容
体からの信号に依存している。二つの膜基部カスパーゼ(membrane-proximal
caspase)ー補充タンパク質であるCARMA1とBcl10は、一連の信号伝達事象の一部を形
成しているが、しかしながらこの経路における他の重要な残りのステップを確証す
る必要がある。Ruefli-Brasseたち(p. 1581;YuとLenardoによる展望記事参照 )
は、caspase様のタンパク質paracaspaseがリンパ球の機能に対して必須のものであ
り、CARMA1やBcl10の下流の働きをしていることを示している。通常NF-Bの活性化を
促進するキナーゼ複合体のparacapsase依存性の活性化が損傷を受けると、
paracaspase欠損マウスのT細胞とB細胞が受容体の信号にわずかしか応答しなくな
る。(KU)
IMMUNOLOGY:
The Paracaspase
Connection
Li Yu and Michael J. Lenardo
p. 1515-1516.
Regulation of NF-kappa B-Dependent Lymphocyte Activation and
Development by Paracaspase
Astrid A. Ruefli-Brasse, Dorothy M. French, and
Vishva M. Dixit
p. 1581-1584.